「ホビット」完結編に向けて、ニュージーランドの「ホビット庄」に行ってみた!(映画.com) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141122-00000009-eiga-movi


超大作アドベンチャーシリーズ完結編「ホビット 決戦のゆくえ」公開を記念し、全世界30カ国から熱烈なホビットファンを選出する「ホビット・ファン・コンテスト」の入賞者が、「ホビット」「ロード・オブ・ザ・リング」のロケ地となった“リアル中つ国”ことニュージーランドへの招待を受けてツアーに参加。11月2日から5日間、映画.comが同行取材を行った。

【フォトギャラリー】その他の「ホビット庄」現地写真はこちら!

 ニュージーランドに点在する数あるロケ地の中でも、特に観光スポットとして人気を集めているのが、フロド&ビルボ・バギンズの故郷「ホビット庄」のロケ地だ。ニュージーランド最大の都市オークランドから車で2時間ほどのマタマタという小さな町から、さらに車で20分。イアン・アレキサンダー氏が所有する広さ5平方キロメートルの牧場の一角に、ホビトン(ホビット庄)映画セットがある。現在も1万3500頭の羊と400頭近くの牛が飼育されているのどかな丘陵地帯を進むと、いよいよ撮影が行われたホビット庄の入り口だ。

 「ロード・オブ・ザ・リング」の冒頭でフロドとガンダルフが馬車でやってきた小道を抜けると、そこはスクリーンで見たホビット庄そのもの。一面に広がった緑の丘のあちこちにホビット族の住居「ホビット穴」が散らばっている。コンセプチュアルデザイナーのアラン・リーと、プロダクションデザインを務めたダン・ヘナが描いたスケッチやイメージ画を基に作られたホビット穴は、自然の中に溶け込み、何百年も前からそこにあるかのようだ。

 「ロード・オブ・ザ・リング」の撮影で使用されたあと、「ホビット」シリーズの撮影のため、2009年から2年かけて耐久性のある素材で建て直されているが、前シリーズから建設に携わっていたブライアン・マッセイ(「ホビット 思いがけない冒険」美術監督)は、「この古めかしさを出すのが、なによりも難しかった」と語る。酢を使って日差しや風にさらされた色合いを出すなど、様々な工夫が凝らされているという。

 いくつものホビット穴を越えると、ビルボ&フロド・バキンズの「袋小路屋敷」にたどり着く。緑の丸い扉や「祝宴の用事以外はお断り」の貼り紙を見た途端、映画のシーンが次々とよみがえること必至。オーナーのアレキサンダー氏の「ここを見なきゃ来た意味がない」という言葉通り。ファンたちは夢中になって、カメラのシャッターを押し続けた。

 煙突から煙が立ち上り、洗濯物が風にはためくなど、日々の営みが感じられるホビット庄。全44戸あるホビット穴のうち、現在内部をのぞけるようになっているのは2戸のみだが、マッセイ氏があるプランを明かす。それは、実際に中に入れるようなホビット穴を作る計画だといい、夢のプランにファンは大興奮だった。

 丘を下り、ビルボの誕生日パーティーが開かれた野原では、樹齢約100年の松の大木「パーティーツリー」の大きさに圧倒される。そして粉ひき場のそばの石橋を渡ると、目の前には「緑竜館」。床から天井まで映画と同じ内装に仕上げられた店内でしか味わうことができない2種類のビールやアップルサイダー、ノンアルコールのジンジャービールで喉を潤おせば、身も心も映画の世界にどっぷり浸かることができる。撮影で使われたものと同じ形の陶器のジョッキで提供されるのも嬉しいポイントだ。

 フロド役のウッドも、ニュージーランド航空の「壮大すぎる機内安全ビデオ」の撮影で訪れた際、ホビット庄を見て回ったという。この裏話を明かすのは、同社でグローバル・ブランド開発部部長を務めるジョディ・ウィリアムズ氏。「イライジャに気づいたファンと写真を撮ったりしていたんです。とても気さくで素晴らしい方でしたよ」と笑顔で振り返った。

 オーナーの息子ラッセル・アレキサンダー氏がゼネラルマネージャーとして見学ツアーを始めた2002年から昨年末までで、50万人以上が訪れた人気スポット。さらに、14年6月に始まった、ホビットのごちそうが堪能できるフィースト(宴)付きツアーも人気だという。

 「ホビット 決戦のゆくえ」は、12月13日から全国公開。