メキシコ麻薬戦争を映す衝撃のドキュメンタリー「皆殺しのバラッド」公開(映画.com) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141211-00000004-eiga-movi
ロバート・キャパ賞受賞の報道カメラマンが、メキシコの麻薬戦争を映したドキュメンタリー「Narco Cultura(原題)」が邦題「皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇」として、2015年3月に公開されることがわかった。
世界10大産油国の一つであるメキシコの麻薬産業は、石油輸出額300億ドルと同規模の輸出額があると推測されており、非合法・非課税で麻薬の生産・流通に関わる麻薬カルテルは、販売網だけでなく、膨大な資金力で固有の軍を持ち、麻薬にまつわる様々な雇用を生み出すなど、強大な力をメキシコ社会に及ぼしている。政府は2006年から麻薬組織撲滅のため「麻薬戦争」を遂行するもさらなる暴力を誘発し、06年から6年間で12万人もの死者を出した。政府が現状を変えられない一方で、メキシコ人とラテン系アメリカ人にとって、麻薬密輸ギャングはアウトローのヒーローとして受け止められつつあり、“ナルコ・コリード”という音楽ジャンルでは英雄として讃えられているという。
イスラエル出身のシャウル・シュワルツ監督は、年間で3000件を超す殺人事件が起こり「世界で最も危険な街」とされるメキシコの都市シウダー・フアレスで2008年から2年間様々な暴力事件を撮影してきた。映画では、暴力に満ちた世界の光と影を追い、LA育ちの“ナルコ・コリード”の人気歌手と、麻薬戦争の最前線で働くフアレスの捜査官という対照的な人生を送る2人の視点を通し、アメリカとメキシコ国境をまたぐ、麻薬カルテルのポップカルチャーへの影響を映し出す。
「皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇」は渋谷シアター・イメージフォーラムで2015年3月公開。