春休みなにした? ブログネタ:春休みなにした? 参加中
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入院中は何もしなくてよかったのでまさに春休み気分でした。

こんなに何もしなかったのって(厳密にはしたくてもできなかったわけですが)、何年ぶりだろ?


そんな生活の中でのハイライトといえば、やはり自分の背中の傷が映画「プロメテウス」よろしくホチキスでとめられていると知ったこと! やー、なんか、アタシの背中、めっきりSFだわ~と密かに悦に入ったりして♪


ところでどうして自分の背中がホチキスどめになっている事に気づいたかと申しますと、ドクターのとある発言からだったんですよね。


普通、手術のあとって、待ち遠しいのは抜糸(ばっし)じゃないですか。

傷口をくっつけるためとはいえ、糸でくくられている部分は突っ張るし、チクチクして痛かったりするもので、抜糸さえすませてしまえばこの苦痛からは解放されると一日千秋の思い出その日を待ったりするものです。


で、私も看護師さんや理学療法士さん達と「抜糸はいつになりますかねえ」なんて普通に話してました。


そんなある日、傷の状態を見に来たドクターが

「この部分だけ先に取っちゃいましょう。そうすれば突っ張らなくなって楽になりますよ」

と、正式な抜糸の日に先立っての処置を決めて下さったんですよね。

はいはいと喜んだ私はそのままうつぶせで寝てたんですが、ドクターが看護師さんに指示している言葉は漏れ聞こえてきます。それが

「この部分を抜糸……。いや、抜糸じゃなくて抜こうだな」

っていうんです。


は? 抜こう??

抜くの、「糸」じゃないわけ?

なら、「こう」って何?????


真っ先に頭に浮かんだ文字は「鋼」の字ですね。「鋼鉄の男」とかの「鋼」の字。「アイアンマン」かい。

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次に思い浮かんだのが「鉤」の字。この字は「かぎ」とも読んで、「先が曲がった棒状の道具」を意味します。英語だったら「hook」にあたります。そう、「ワンス・アポン・ア・タイム」で活躍するフック船長(実は好き♪)の「フック」ですね。

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材料的に「鋼」というより、形態的に「鉤」の字を使っている方が理にかなっているような気がしました。


で、その鉤(かぎ)を抜くから「抜鉤」。字を見ると壮絶。


つまり、私の身体にはその鉤が突き刺さっていて、今からそれを抜くわけですね。


――それってどういう状況よ?


そこで脳裏に蘇ったのが「プロメテウス」でノオミ・ラパスが受けたあの凄惨なシーンですよ、真一文字に切り裂いた腹のホチキスどめ。


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あれか~~~~~。


と思った時には処置は全部すんでドクターは立ち去っていたので実態を確認することはその時はできなかったんですが、その後改めて別の日に訊ねたところ、間違いなくホチキスどめだと太鼓判を押して下さいました。


なんでもホチキスでとめる方が感染のリスクも少ないし、組織に与えるダメージも低く抑えられるんだとか。


ホチキスどめといっても紙をとめあわせるのとは違い、針の突き出た部分を折り込んだりはしないので、形状的には木材同士をとめるかすがい(注)に近いのですよね。


注:(かすがい)とは

金属製で「コ」の字の形状をしており、尖った先端部が2つある (by Wikipedia)


これだと上からバチバチとめるだけですむので、針で縫うよに組織を貫通刺せる必要がないわけですうから、確かにダメージは小さいはずです。


実際、抜鉤の時も上からヒョイヒョイとつまむが如く抜かれるだけなので、抜糸の時のようなツンと引っ張られる感じもなく、とても楽でした。



とはいえ……


これは入院中同室だった大学生の女性に別のドクターがおっしゃってたことなんですが……

「この膝の傷は手術の時に形成外科の先生が細い針を使って縫ってくれたから、半年ぐらいでほとんど跡を残さず消えますよ。手術で使う針もいろいろあって、外科の先生なんかはホチキスでとめたりもするんだけど、あれは絶対跡になるからね」


なんだとお?


いくら背中とはいえ、リスクが低いといえ、命の方が、下半身の自由の方が重要とはいえ、やっぱり女性の身体にホチキスというのは……「プロメテウス」で表現されたとおり、ムゴイことなんだと思いましたわ。


ちなみに、来年は身体に入ってるボルトを抜くためにもう一回手術を受けなきゃいけないんです。またホチキスの跡が増えるのかと思うと……さすがにガックリしますね。はあ、やれやれ。



ま、とにかく春休み中のお勉強にはなりました。