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５月３日ってテレ朝で「バトルシップ」を放映した日なんですが、どうせならＣＭで中断されないのがいいってんで身内がひとっ走り出かけてレンタルしてきたんですよ。
当然ながら私はロードショーで見てるのですが、まあキライじゃないというか結構楽しめた作品なので一緒に見たのですよね。
ところがこの映画っておもしろくなるまでに大変時間がかかる作品でして、劇場で初めて見るならガマンもできたでしょうが、家で二回目ともなると辛抱もキレまして、最初の１時間から１時間半は一大文句大会になってしまいました。
これなら地上波で、ＣＭにカットされながら見た方がマシだったんじゃないか？（少なくともレンタル代はかからないしな）
何がタイクツするって、冒頭から始まる主人公の人となりと兄弟関係を説明する描写がただただ長いのね。後半のドラマを盛り上げるのに必要なのかもしれないけれど、「パシフィック・リム」はそれ１５分でやってたわよ。
や、「バトルシップ」と比較すると今更ながらに「パシフィック・リム」の名作ぶりが際だちますわ。タイクツするシーンが一つもないんだもん。
「パシフィック・リム」と比べると、なんか「バトルシップ」って冗長なのよね。ドラマを語るにおいてムダなシーンというのはないんですが、強いて言えばドラマ自体がこの映画においてムダなのよ（おいおいおい）。
「バトルシップ」で最もおもしろいシーンは「戦艦」が動き出すところなわけで、全てのドラマはこのシーンを盛り立てるためにあって然るべきなのに、全然噛み合ってないんだもんね。まあ、とってつけたような「ひーじーちゃんが昔この艦に乗っててどーたらこーたら」とか、つまんないエピソードがなかったことには感謝ですが。
そこにたまたま使える武器があったから使った、という設定はいいんですが、じゃあそこに至るまでの主人公の紆余曲折は一体何だったんだという事になりません？ 古典的な主人公の成長物語に恋愛模様をからめ、さらに海軍話と兄弟の敵討ちまでさせるって、盛り込み過ぎなんですよ。恋人の方は恋人の方で別のエピソード担当してるし。それらを緊迫感もってまとめあげてるならともかく、コミカルな感じを出そうとしてるせいで気が抜けて見えてしまうのが難なのだと思います。大体、地球を侵略に来た宇宙人をバトルシップで返り討ちにしようっていう映画に、誰も人間ドラマなんか期待してないって。
「バトルシップ」のおもしろい所は戦艦に代表されるような時代遅れ的テクノロジーで宇宙からの侵略者といういわば最先端の技術に立ち向かう部分なんですよ。だからそれを上手く生かす様なドラマだったら、きっともっとおもしろかったろうと思うんですが。そのドラマ自体が時代遅れ的だったから、ちょっと現代でウケるには間のびして気が抜けた感じになっちゃったんですね。折角日本から浅野忠信さんが参加して一人気を吐いているというのに、勿体ない……。リーアムお父様は相変わらず娘命だけど、御本人はアクション場面がなくて、どちらかというとギャグ担当なのよね。ああ、勿体ない！
そしてこのリーアムお父様（彼女の父親）と、兄役のアレキサンダー・スカルスガルドがどちらも190センチ以上とバカでっかいため、並んで立つと181センチあるはずの主役、テイラー・キッチュが子どもサイズにしか見えないというのも良くなかったんじゃないでしょうか？ 顔も身体も美しいのに、どこか線が細く見えてしまうと、こういう映画のヒーローとしては物足りなく思われてしまうのか、テイラー・キッチュは主演作がヒットしなくて気の毒です。いい俳優さんなんだけどな～。最近では「ローン・サバイバー」で脇に回っていい味出してました。「バトルシップ」では冒頭では全力で「ダメ男」を演じきってたんですが、その全力の出し切り方が「ダメ男」にふさわしくないというか……なんか、不自然なんですよね。その「ダメ男」が恋のために一念発起してあっさり生まれ変わるというのも。つまりこれは脚本がダメだったということで、テイラー君が悪いのではないのです。
「バトルシップ」も戦艦が出てくるあたりから本当におもしろくなるだけに残念です。 「パイレーツ・オブ・カリビアン」もそうですが、船の美しさを余すところなく描いた作品って好きなのです♪
まあなんであれ、「パシフィック・リム」は傑作ってことが今一度確認できたから良かったですわ（←なんじゃ、そりゃ）。
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