「アバウト・ア・ボーイ」の“かわいい坊や”が「マッドマックス」で強烈なキャラクターに!(映画.com) - Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150618-00000018-eiga-movi


人気アクションシリーズ30年ぶりの最新作「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(ジョージ・ミラー監督)で謎の男“ニュークス”を演じたニコラス・ホルトが、映画.comのインタビューに応じた。

 ホルトは、子役からイケメン俳優に成長した希有な成功例だ。12歳の時に「アバウト・ア・ボーイ」でいじめられっ子の少年役に抜てきされ、その後も英ドラマ「Skins」や世界的ファッションデザイナー、トム・フォードの監督デビュー作「シングルマン」を経て、今では「X-MEN」シリーズに出演する人気俳優になっている。演技力とチャレンジ精神を持ちあわせており、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」でニュークス役を演じるためにその美しい外見を完全に変ぼうさせたホルトが、本作に懸けた思いを語った。

 ニュークスは半裸でスキンヘッド、全身白塗りという強烈なインパクトを放つキャラクター。「監督は、骸骨みたいなルックスにしたいと言っていた。この物語の舞台が死後の世界のようなものだからね」と話すように、ホルト本人の容姿とあまりにも違っているため、本編中盤までホルトに気付かなかった人もいるようだ。「それは嬉しいね。どんなキャラクターを演じるときも、完全になりきってしまいたいという欲求がある。でも、役者として顔を覚えられてしまうと、それは難しくなってしまう。今回はメイクが役に立ったのは事実だ。中身は同じでも、周囲の反応がまるで違ってくるから。役作りのために頭を丸めたら、日常生活でも周りから警戒されるようになって。より自分が大きくなったような気分がして、演技に打ちこむことができたよ」。

 メイクには毎日時間をかけたようで、「顔に白の粘土を塗りつけて、目の回りだけ黒くした。頬や体のあちこちに傷があって、あのメイクを完成させるために実は毎朝2時間もかかったんだ」と振り返る。また丸刈り頭の女戦士フュリオ役で新境地を開拓したシャーリーズ・セロンについても触れ、「シャーリーズは違う。毎朝、ぼくよりも数時間遅れてメイク室にやってきて、額にさっと黒いペイントを塗って、それでおしまい。5分もかからないんだ。キャリアが長いだけあって、さすが賢いよね(笑)」と明かした。

 ダイエットも必須だったようで、「僕のキャラクターは病気持ちで、おまけにこの世界には食べ物があまり存在しないっていう設定だからね。撮影前にジョージに言われたんだ。『もうちょっと痩せてくれたら最高だ』と、遠回しにデブだと言われた(笑)。それで、食事量を減らして、縄跳びなどのワークアウトを徹底的にこなした。肉体的に自分を追い込むことで、キャラクターの心理を理解する手助けにもなったよ」と語った。

 本作のメガホンをとったのは、過去3作同様にミラー監督だが、ホルトは「この映画に出演が決まるまで、『マッドマックス』シリーズはひとつも見たことがなかったんだ。実は、ジョージ・ミラー作品といえば『ベイブ』と『ハッピー フィート』しか知らなかったので、正直ぶっ飛んだ。ぼくが生まれるずっと前に、こんなにも独創的で奇妙な世界を生み出していただなんてね」と打ち明ける。

 ミラー監督に対しては「彼の頭のなかは完全にクレイジーだ」と話す一方で、「当の本人はいたって穏やかだ」とも形容する。「クランクインしてから2週間ほど経ったころ、質問したことがあるんだ。『この映画の実現に10年を費やして、ようやく撮影にこぎ着けたいまはどういう気持ちですか?』とね。すると、『もちろん興奮しているが、調子に乗りすぎないように気をつけている』という答えが返ってきた。『お金を払って映画館に来てくれる人たちは、私ほどこの映画にこだわりを持っている訳じゃない。そのことを肝に銘じているつもりだ』とね。壮大でクレイジーな物語世界を構築しながらも、冷静さを失っていない。つくづくスケールの大きな監督だと感心したね」と最敬礼だった。

 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」は6月20日公開。