「サントリートピックス ブロガーイベント」のシメはENJOY! ウィークエンド vol.6 「麗しの名曲紀行~ハープとバイオリンの親密な語らい~」でした。
ハープとバイオリンの二重奏というのはありそうであまりない組み合わせなので、それ用に作曲された曲というのも数が限られているそうです。ですから今回の様なコンサートではピアノとバイオリンのために作曲されたものの中からセレクトして、ピアノ部分をハープ用に編曲して使っているのだと、ハープの吉野直子さんがトークでおっしゃってました。
画像提供:サントリーホール
この吉野直子さんは、著名な指揮者が名指しで賞賛する程の世界的なハープの第一人者。
そして吉野さんのたっての希望で一緒に舞台に立つバイオリニストは白井圭さん。若手のホープで、かつてはウィーン・フィルの契約団員を務めたこともあるという実力の持ち主。
画像提供:サントリーホール
そんな指折りの演奏家の二重奏がENJOY! ウィークエンドでは指定席2000円で堪能できちゃうんです。サイドビューなら1000円、ペアで3600円、しかもワン・ドリンク付き!(シャンパンを除く)
これまで私、サントリーホールというと何かお高いというイメージがあって近づきがたいと思っていたんですが、確かに格式は高いんですが、決してお高くとまってはいず、とっても親しみやすい所だったんですね! それどころかこ~んな値段設定で良質なコンサートをつるべ打ちのようにうてるなんて、これは高い企業意識がなければできないことだと思いました。
チェンバー・ミュージック・ガーデン(CMG)は「室内楽」の輪を日本にもっと広めたいというコンセプトで始まったそうですが、それ以前に最高のホール(サントリーホール)で最高の音楽を聴く機会を人々にもっと持って欲しいという願いがこめられてますよね。音楽に対する深い造詣(ぞうけい)と愛がなければ、こんなことできません。私すっかり感じ入ってしまいました。
一時期「企業メセナ」なんて言葉がバブルと共に広まったものの、バブルがはじけた途端にその言葉もどっか行っちゃって久しいですが、サントリーホールはそんなことびくともせずに来年30周年を迎えるわけで、やっぱりたいしたもんだと思っちゃいます。ちなみにサントリー美術館の方は最初に開館してから50年以上たつそうです(場所は何度か変わってるのね)。
さて、話を元に戻しましょう。
CMGのENJOY! ウィークエンドで行われるコンサートは休憩なしの60分間という密度の濃いもの。
画像提供:サントリーホール
クラシックを聴く時の緊張感が持続しつつも、長時間座ってなくていいという安心感もあって、程よくリラックスしつつハープとバイオリンの究極の二重奏を楽しめました。
曲の要所要所でさっと顔を向け白井さんとの呼吸をはかる吉野さんの姿が印象的でした。思うにハープの技巧だけでなく、こうやって一緒に演奏する人との間合いをはかって音楽を最上の瞬間に導くのが達者だからこそ、吉野さんは指折りのハーピストなのではないかと。同じ事が白井さんにも当てはまるのでしょうね。お二人が互いに敬意を表しつつ、演奏を高めていく様子が素晴らしかったです。
この日の目玉ともいうべき演目はモーツァルトの「バイオリン・ソナタホ短調 K304」だったのですが、吉野さんがこの曲を選ぶのにも白井さんの助言があったとか。ピアノパートをハープに置き換えて弾くのって、超絶難しいと思うのですが(だって全然違う楽器ですよ?)、吉野さんはやり遂げました! 私、ハープって弾く時にあんなにダイナミックに動くものだと初めて知りましたよ。ハープの弦はピアノでいえば白鍵の部分が張られているので、黒鍵にあたる部分を弾く際には脚のペダルを踏んで半音を上げたり下げたりするんだそうで、だからロングドレスに隠されている脚も演奏中は大奮闘してるんですね。しかもあの巨大なハープ、立てたままじゃなくて傾けて、つまり重さをある程度自分で支えつつ弾くんですよ。なんちゅーすごい楽器、なんちゅーすごい奏者だと、吉野さんの演奏を見てただただ感心していた私です。
いや、ハープを弾く一流奏者の姿を間近で見られるなんて、ほんと滅多にない機会ですから、これはもう招いて下さったサントリートピックスさんに大感謝です。
全てのプログラムが終わっても聴衆の拍手がしばらく鳴り止まなかったので(だって素晴らしい演奏だったんですもの)、お二人はにっこり笑って再登場してアンコール曲まで披露して下さいました♪
本当に充実して、濃いコンサートだったと思います。
このENJOY! ウィークエンドは病みつきになりますね!
来年のチェンバー・ミュージック・ガーデンが楽しみだ♪
サントリートピックス ブロガーイベントに参加しました。