出演者も知らない“極秘”物語…SW、ネタバレ阻止へ 前例なき情報統制(産経新聞) - Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151213-00000507-san-movi #Yahooニュース


今月18日に世界同時刻一斉公開される人気SF映画シリーズ「スター・ウォーズ(SW)」の新作「エピソード7/フォースの覚醒」のストーリーについて、厳重な情報統制が敷かれている。多くの出演者が試写を見ていないどころか、自分の役柄以外のことは知らないという徹底ぶりで、その内容は秘密のベールに包まれたまま。「ファンに驚きを残しておきたい」と、メガホンをとったJ・J・エイブラムス監督(49)らは口をつぐむ。映画を制作したディズニーの秘密主義も奏功しファンの熱狂は高まるばかりだ。

■異常ずくめの会見

 「僕はもともと秘密主義の人間なんだ。だから秘密厳守の方針を採用したディズニーには本当に感謝しているよ」

 5、6日にロサンゼルスで開かれた新作初の公式記者会見で、エイブラムス監督はこう語り、出席した記者らを不愉快にさせた。米紙ロサンゼルス・タイムズなどの報道によると、会見は異常ずくめだった。

 会見の案内が届いたのはわずか2日前。当日は金属探知機で念入りにボディーチェックをされたうえ、会見の情報が漏れてファンが殺到しないように、携帯電話の位置情報を強制的にオフにされた。

 さらにハリウッドでは出演者へのインタビューを行う記者には試写を見せるのが慣例となっているが、それもなく、記者は映画の内容を知らないまま話を聞くはめに。それどころか、試写を見たのはディズニーの幹部らごく少数で、主要キャストを含む出演者の多くが実はストーリーを知らず、まともに答えられない状況だったのだ。

■質問に答えられず

 「同じ場面に登場した共演者たちは、私が何者か知らなかったの。本当に秘密主義だったわ」。女海賊マズ・カナタを演じたオスカー女優のルピタ・ニョンゴ(32)はロイター通信にこう語り、出演者は自分の役柄しか知らされていないことを明かした。

 また、試写を見た数少ない一人とされるハン・ソロ船長役のハリソン・フォード(73)「何が起きるかここで話し作品を台無しにしたくない」と、口をつぐんだ。

 結局、他の主要キャストも映画に関する質問に満足に答えず(答えられず)、公開された3本の予告編以上の情報は出てこなかった。

 新作は1983年公開の「エピソード6/ジェダイの帰還」の30年後が舞台。予告編からは、いずれも無名で大抜擢(ばってき)された英女優のデイジー・リドリー(23)が演じるレイと、英男優のジョン・ボイエガ(23)が演じる帝国軍の歩兵「ストーム・トルーパー」のフィン、ドロイドの「BB-8」が出会い、旅に出るということ以外は分からない。

■秘密主義は「伝統」

 最大の謎はレイの役柄。ファンの間ではハン・ソロ船長とレイア姫の娘説や、主人公のルーク・スカイウォーカーの娘説が飛び交っている。

 そもそもSWの生みの親で、ディズニーに権利を売却したジョージ・ルーカス監督(71)も、徹底した秘密主義を貫いた。80年公開の「エピソード5/帝国の逆襲」ではラストシーンで、ダース・ベイダーがルークに「私がお前の父だ」という衝撃の事実を明かすが、このせりふはルーク役のマーク・ハミル(64)らごく限られた人しか知らず、ほとんどの出演者が公開後に知り仰天したというエピソードがあるほど。

 映画館でどんな謎が明かされるのか。楽しみでならない。