昨日「ヘイトフル・エイト」見てきたんですけど、ジェニファー・ジェイソン・リーの扱われ方がそれはそれはむごくて凄惨で血みどろなんですよ。でもこれだけやってもオスカーとれなかった訳じゃないですか。だったらオスカーとったレオの「レヴェナント」における境遇って一体どれだけ無残なんでしょ。


この血みどろぶりったら、「ゾンビ・スクール」を軽くしのいでいたわ。大人と子どもじゃ体に入ってる血の量が違うにしても、登場(出血可能)人物(ゾンビ含む)数では「ゾンビ・スクール」の方がずっと多いのに。


でも「ヘイトフル・エイト」で最も悲惨な境遇だったのは、雪の中を素っ裸(靴とかんじきはつけてたけど)で歩かされた人だよな。あのシーンが特撮じゃないのなら、あの人こそオスカーにノミネートされるべきだわ(誰だか知らんけど)。同じ雪のシーンでもJJリーとレオは上着着てたもん。まだマシよ。


撮影のためにひどい目にあった、もとい、過酷な状況に耐え抜いた、というのがノミネートや受賞条件の裏設定に絶対にあるよね、オスカー。その中には「一糸まとわぬ姿をさらす」というのもたぶんある。シーツとか、そういう身を覆う物が何もない、本当の素っ裸。人間の尊厳をはぎ取られた状態。


ヴィゴ・モーテンセンが「イースタン・プロミス」でオスカーノミネートされたのはまさにそういう状態(素っ裸で身を覆う物がない)で、尚かつナイフ持った相手との壮絶な格闘シーンを演じたからだと思うのだけど、でもあれは浴場施設内だったから少なくとも凍えるほど寒くはなかったと思うのよね。


「ヘイトフル・エイト」に出てきた素っ裸の男を見て、ほんと「イースタン・プロミス」のヴィゴレベルにすっぽんぽんで(靴とかんじきのみ着用)、しかもそれが雪の中。雪が肌に直接触れてる訳じゃないけど、でも気温はどうみても零度以下。北海道出身の私はそれ見た瞬間に凍死しそうになったわ、自分が


あれはホント、マジであんな撮影したら人が死ぬ。私なんか2秒で死ぬ。極寒を知ってる者には見ているだけで心臓に悪い恐怖場面。「ヘイトフル・エイト」で最も総毛立ったのはだからこのシーン。彼が名のある役者であのシーンが特撮じゃないなら、絶対オスカーノミネートにふさわしいシーンだったわよ。



「ヘイトフル・エイト」はエンニオ・モリコーネがオスカーに輝いた作品なので、音符のひとつひとつを慈しむように聴いて参りましたが、いや、最高でしたね♪ カート・ラッセルもいるし♪ クレジットでちらっと見かけたんですが、「遊星からの物体X」からも音楽が使われていたのでしょうか?



まあ、おもしろかどうかはともかく、どこまでもひたすらタランティーノな作品でしたよ。女傑のジェニファー・ジェイソン・リーに乾杯!