鈴木亮平、清水富美加、ムロツヨシ…『HK/変態仮面』出演はNHK朝ドラの登竜門?(クランクイン!) - Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160503-00042909-crankinn-movi #Yahooニュース


映画『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』(以下『変態仮面』)が公開間近だが、その出演者の顔ぶれは豪華そのもの。ところが2013年公開のPART1では今ほどではなかった。メンツはほとんど変わっていないのに…。なぜなら、彼らは概ねPART1に出演以降、大ブレイクしているからだ。特に注目したいのが、主要メンバーである鈴木亮平、清水富美加、ムロツヨシらの朝ドラ(NHK連続テレビ小説)進出。これは単なる偶然なのか?

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 NHKと『変態仮面』。一見、水と油のように思えるが、実はNHK Eテレで不定期に放送されている新感覚の哲学トークバラエティー『哲子の部屋』で“変態”というテーマの回(13年8月放送)に、教材として同作が登場している。しかも、ヒロイン役を務めた清水が同番組のレギュラー出演者として名を連ね、「本当の自分って何?」という議題で真面目に討論されているのだ。ここからして「あ、NHKも注目している作品なんだ」「スルーされてなかったんだ」と、ちょっとした驚きを覚えてしまう。

 そして、主要メンバーが続々と朝ドラ出演。鈴木は『花子とアン』(14年上半期)で吉高由里子演じる村岡花子と二人三脚で生きる夫・英治役という重要なポジションを任され、清水は『まれ』(15年上半期)で土屋太鳳演じるまれにライバル心を持つ親友・蔵本一子を等身大の演技で好演。さらにムロは『ごちそうさん』(13年下半期)でアメリカ帰りの気難しい天才建築家・竹元勇三を熱演している(同時期、同局のコント番組『LIFE!~人生に捧げるコント~』にもレギュラー決定)。

 『哲子の部屋』からのこの流れ。『変態仮面』は多くのNHK関係者の目に触れ、少なからず関心を寄せていたことは確かだが、ここまで揃うと、「あれ?もしかして朝ドラの登竜門?」と拡大解釈したくなる。“変態”にかなり深く関与した3人に全くデメリットはなく、パンティーを被った鈴木に関しては、そこから映画『TOKYO TRIBE』(14)『俺物語』(15)、そして2016年12月公開予定の『海賊とよばれた男』とまさに破竹の勢いだ。

 先日、インタビューに答えてくれた『変態仮面』川崎岳プロデューサーに俳優陣の快進撃について聞いてみると、まず、「民放テレビでさえ映像を流すことに抵抗を覚えた作品なのに、『哲子の部屋』からオファーがきた時は、NHKさん凄いな!て思いましたね」と述懐。「ただ、『変態仮面』だけがブレイクのきかっけだとは思いません。本作を手掛けた福田(雄一)監督の演出力もありますが、たまたま“これから”という俳優さんが揃っただけだと思います」と謙遜する。

 さらに、「全身全霊を注いでキャラクターを作り上げた鈴木くんの誠実さ、引き受け手のないヒロイン役に体当たりで挑んでくれた清水さんの心根の美しさ、そしてムロさんの唯一無二の存在感。たぶんNHKさんは、そういう要の部分を真摯に観てくださっていたんだろうと思います」と俳優陣の底力を要因に挙げた。

 奇しくも、『まれ』で朝ドラ経験済みの柳楽優弥は『変態仮面』に逆輸入、PART1でテレビレポーターという端役で登場した高畑充希は、現在放送中の『とと姉ちゃん』でヒロインに。主要メンバーの一人・安田顕は、高視聴率ドラマ『下町ロケット』でその名を全国に轟かせ、映画『亀岡拓次』では主演俳優に大出世。『変態仮面』には、俳優の成長に関わる“何か”があるようだ。(文:坂田正樹)