テストステロン。
言わずと知れた男性ホルモン。
「男性らしさ」のいわゆる大元。戦闘に備えて筋肉を作り、将来に備えて子どもも作る。いや、子どもを作るための行為を促進するというべきか。
そのため、どちらかというと女性にとっては好ましくないイメージがつきまといます。男の本能ばっかり促進させる獣性ホルモンって感じでしょうか(別に月夜に何かに変身する成分というわけじゃありませんよ)。
とにかく、過剰なテストステロン女の敵。適度な分泌で適度な交際、みたいなイメージがあったわけです、私には。たぶん多くの女性が同じ感じなんじゃないかと思いますが。
ところがそのテストステロンのよくないイメージをガラリと180度ひっくり返す出来事があったのですよ。先日出席した「男性アンチエイジングとメンズヘルス医療セミナー」で教わったのですが、今やテストステロンはビジネスシーンでも大変注目されているんだそうです。
テストステロンが高いトレーダー程高い利益をもたらすという、驚くべき調査の結果がここに出ているのです。
えっ、それならトレーダー選ぶ前にまずテストステロン値はかって貰って、それで一番高い人選んで取引してもらえば大もうけできるんじゃない?! ってゆーか、トレーダーは自分のその日のテストステロン値を頭の上にでもでっかく掲示しておけよ!
と私が思ったところで、登壇の教授からオチが入りました。
「テストステロン値の高いトレーダーは儲けも大きいですが、損失も大きいのです」と。
何だよ、ハイリスクハイリターンかよ、と心の中で毒づく私。
ま、それがテストステロンの一つの特性でもあるそうで。
ちなみにテストステロン、男性ホルモンの一つと言われてますが女性にもあります。このホルモンは骨格を発達させ筋肉を増大させる役目を担っているので、身体を作るために必用なんですよね。胎児の時にテストステロンが大量に分泌される時期があって、この作用で脳がいわば男性化するんだそうです。男女に関わらず、人差し指より薬指が長い人は胎児期にテストステロンいっぱい浴びてるんだそうですよ。
このホルモンの分泌量によって人の行動特性が変わるので、社会活動にも関係してくるんだそうです。
テストステロン値の高い人程高いリーダーシップを持っているんだそうですが、上のデータを見ると何となくその理由も分かりますね。
ちょっと不思議なのは、テストステロンが高い程「むやみに争わない」ってこと。これ、それこそ私が抱いていたイメージの正反対ですから。今まで抱いていたイメージだと、戦って勝ち抜いてこその男だ、テストステロンだ、でしたからね。しかも「力仕事以外の仕事をしたい」って、それじゃせっかくテストステロンが増強してくれる筋肉に申し訳ないと思わないのか、理不尽なことまで考えたりして。もっとも今のビジネス社会でリーダーシップとってる男性は、確かに力仕事とは無縁な方が多そうです。
リーダーにのぼりつめるために最初に必用なのはまず「やる気」ですが、それさえも脳内ホルモンであるドーパミンに関わっているんだそうで。
ドーパミンというと快楽物質だと思ってましたが、まあ人間の行動を決めるにおいての快不快感覚は重要ですから、より快楽を得られる方に動く方が当たり前ですよね。達成感というものはそれはそれは強い快楽ですから、そのためにやる気を出してがんばっちゃうわけですね。そりゃゲームクリアに血道をあげてりゃドーパミンもばんばん分泌されようってもんです。
不思議なことに抹茶の成分がドーパミンを高めるのに非常に有効なそうなんですよ。
教授もおっしゃってたんですが、戦国武将が茶を嗜んだのは戦意を高めるためだったのかもしれません。私なんぞ今までは戦闘を前にして心を静め、無我の境地で出陣するための精神修養かと思ってたもんですが、これも全くの逆だったんですね~~~。男心とテストステロンは意味不明だわ、全く。
さて、ドーパミンが高ければ高い値を示すのが男性ホルモンでした。
人間においてなくてはならない男性ホルモンの働きですが、当然ながら加齢と共に減少します。
しかし今、まだまだ現役世代である40~50代の男性の男性ホルモンがとみに減っているんだそうです。大変じゃん。
テストステロンはストレスで減少するそうですから、仕事や家庭での様々なストレスがピークに達しているのが今の4~50代男性なのかもしれません。
一日の中でも心理的なストレス等によってこれだけ増減するのがテストステロンですからね。
ただこれは一日の終わりに眠りについて、そこで質のよい睡眠をしっかりとることによって回復するんだそうです。大体朝には元通りになっているので、男性特有の「あさだち」なる現象が起こるんだそうで。
これ逆に言うと、「あさだち」のない男性はテストステロンが減ったままってことですよ。疲れがたまっている時とか、ありそうなことですね。
疲労とテストステロン値にも密接な関わりがあります。疲れているとテストステロンも現象する。今の日本の4~50代男性にはストレスと疲労が重くのしかかっているのでしょうか。
最近きかれるようになった言葉に「男性更年期」というのがあります。
これすなわち、テストステロンのの激減(?)に由来するみたい。
特に「男性更年期」と銘打たなくてもテストステロンが少なくなるとろくなことがありません。
これは飽くまで統計ですので、テストステロンの低い人が必ず早死にするわけではありませんが、その可能性は高いということですね。避けられるものなら、避けなければ!
いきなり「死亡」とまではいかなくても、男性が訴える身体の不調には実はテストステロンが低いことに起因するものが多いのです。
男性に必用なのはまず自分の現在のテストステロン値を測ること!
メンズヘルスの基本はテストステロンにあり! です。
仕事を円滑に進め成功するためにもテストステロンは不可欠!
ちょっと自信ないなと思った男性は是非メンズヘルス専門医にご相談を。
心当たりのある奥様は御主人にどうぞその旨進言を。
ちなみに男性ホルモンを活発に分泌させるには副交感神経を高めるといいのです。
御自分でも御家庭でもできる10ヵ条。
7の「無理しておしゃれをしよう」というのは、テストステロンは目立とう精神のホルモンだからだそうで、これ、鳥なんかにある目立って目立って雌に選んで貰ってようやく雄が生殖行動にうつれるっていう、あれの名残でしょうかね~。昔は人間も女が男を選んでたんでしょーかねー。
またテストステロンは評価してもらいたいホルモンでもあるのだそうです。仕事でも何でも、評価してもらえば嬉しい。人間誰だってそうだと思います。女性なんか服とか髪とかちょっと褒めて貰えばそれだけで結構嬉しいですもんね。ここは奥様方が一頑張りして、テストステロンが少なくなってそうな御主人を何かにつけて評価してさしあげればいい所かも。
結構無理がありそうな場合もなきにしもあらずでしょうが、悪いのは少なくなったテストステロン、御主人じゃないのです(やっぱり無理があるわ)。