ひとことで「口と足で描く」とは言いますが、実際にかかる労力と時間は膨大なものです。
体幹といっていわゆる胴体、上半身も動かない方はこうやって車椅子に身を預けたまま、口にくわえた筆をキャンバスに近づけて、絵の具を筆先につけた分だけおいていくわけです。
この方は指先が少しだけ動くので、その指で電動車椅子を操作して少しずつ御自分の位置を変えながら制作していらっしゃいました。
使う絵の具は前もって補助の方に出して貰い、順番に並べておいてもらうんだそうです。二人三脚&ホイールで制作をすすめるんですね。
丹念に丹念にひとつずつ色をおいていきます。
後ろにかかっている日本画の鶏、あれも口と足で描かれたものなんですよ。
体験コーナーがあったので私もチャレンジしてみました。
使いたいペンを選び……
シリコン製のチューブを一つとり(ホースを切ったんじゃないのよ)
先程のペンをさしこみ固定します。
このチューブ部分を歯でがっちり噛んで絵を描くのですが……
はい、書いてあるとおり、超絶難しいのですよ、これが。
思うポイントに筆先をおくことはまあできるのですが、その先、線をひくのがめっちゃ困難なんですね。何事もやってみなけりゃ分からないっていいますが、全くです。
この絵画展「口と足で描いた絵」 @東京交通会館 B1ゴールドサロンにて本日まで開催中! 機会のある方は是非ご覧下さい!