激安ツアーを見つけたのに、クリックしてもボタンが反応せず茫然とする私。

 

いつまでたっても次の画面が開かない。

これじゃ購入できないじゃん、ツアー行けないじゃん、オーランドの映画見られないじゃん!と 一気に頭に血が上る。

 

どこがおかしいと前ページに戻ってみる。

 

すると……んんん? 先刻までは空席ありだったはずのそのツアーが満員御礼(?)で全席売り切れになっているではないか!

 

あ……ひょっとして私が入力にかまけている間にタッチの差で他の人に最後の空席まで買われちゃった??? 

 

なんといっても激安である。行楽シーズンだし、HISの一斉送信バーゲンメールだ、目端の利く他人が私より早く動いていたとしても不思議はない。これぞ激安ツアーの落とし穴。

私はまんまと陥穽にはまり込んでしまったのだった。

 

全く、こんなところで顔も知らないライバルに蹴落とされるとは思わなかったわよ……。

 

心の中の捨て台詞もそこそこに、気を取り直して私は再びHISのサイトで格安ツアー探しに没頭する。これがね、調べたコトある人はご存じだと思いますが、まあ、めちゃ、数が多いのよ! 条件をある程度定めたって、一から順に追っていったら日が暮れるってもの。

 

ざっと調べたところ、値段は全般的に北京の方がお高いので、行き先は上海に絞った。それでも候補はたくさんある。催行日自体が限定されている場合もあるので、まずはそれをチェックせねばならない。私が行きたい日は9月30日からできれば一週間以内、長くても2週間以内だ。

 

運良くその期間にツアー催行日があっても、これが日によって価格設定が違うので、これもカレンダーを見てその日の値段を調べる必用がある。安いと思えば日程が合わず、この日ならバッチリと思えば値段が高いという、そういうシーソーのような条件の中で自分にベストなものを選ぶ、これに時間がかかるのよね。しかしネット上にはまだ見ぬ旅のライバルばうようよしているのかもしれず。悠長に選んでいる暇はない。

 

念のために最前の激安ツアーについて電話でも問い合わせてみたが、該当ツアーは電話でも店舗でも売り切れとのこと。

 

しゃーない、新規蒔き直しだ。

同じ検索結果からではなく、別の観点からツアーを調べ直してみよう。そうでなければ堂々巡りになってしまう……。

 

目を血走らせること再び30分~1時間。

二泊三日ではなく、三泊四日でワリと良さそうなのが見つかった。

昼羽田出発、夕方前に上海着、帰りは上海朝出発の昼羽田着。

朝食二回つきで、44800円。金曜出発便アリ。

 

うん、これなら到着した日も結構有効に使えるし、次の日から丸二日間あるから映画見るには充分じゃない? 最終日は帰るだけになるけど、上海は映画以外他に対して用ないし、問題ないよね?この日は早朝に空港に着いてないといけないけど、オプションで一人4000円でHISの空港までの送迎車があるから、申し込めばいいよね? ホテルの朝食は出ないけど機内食あるし、6日の金曜出発だからスケジュール的にも丁度いいのでは……。

 

等と相談(というか一方的に話)して、申し込もうとサイトを見ると、さっきまでは空席ありだったはずの6日がもう埋まっていた……。

 

またしても顔も知らぬライバルに出し抜かれてしまった私。

 

余分にお金を支払ってのホテルチェンジ、飛行機チェンジで行けないこともないが、そうすると49800円とかそれ以上になり、全然割安感がなくなってしまう……。いくらオーランドのためとはいえ、ケチな私にさすがにそれはキツイ。

 

だが私にはもう一つの道が残されていた。

同じ条件で、五日、木曜出発にはまだ空席が残っていたのだ。

 

「ゴメン、六日満席になったから五日で申し込む。行けるよね?」

「えっ?! あっ……ああ……」

 

生返事を耳にした瞬間、すでに記入を終えクリックするだけになっていた購入手続きのボタンをぽち!

 

――ところがこれがまたもや、全くもって反応しないのだ……。

 

 

 

 

まだ続く