『アベンジャーズ』以降のMCUは?今後公開の14作品をコミコン直送レポート!

 

>先日カリフォルニア州サンディエゴで世界最大級のポップカルチャーの祭典、コミコン・インターナショナル:サンディエゴ(SDCC)が開催された。コミコンで最も注目を浴びるのは、“ホールH”と呼ばれる約6500人収容可能の会場で行われる映画やテレビドラマのパネル・プレゼンテーションだ。例年、コミコンのホールH限定で、映画やドラマの最新ティザー映像が公開されたり、出演キャストがサプライズで登場するため、ファンが開場外で徹夜をして待つほどの人気ぶり。

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今年のホールHのプレゼンテーションのなかでも、最も注目を浴びたのは現地時間20日に行われたマーベル・スタジオのパネルだ。こちらのパネルでは、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の「フェイズ4」のラインナップが一挙公開された。プレゼンテーション開始前に客席がざわついたかと思うと、どうやら『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18)や『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)の監督である、ルッソ兄弟が観客席に座っていたようだ。

プレゼンテーションが開始されると、冒頭に”インフィニティ・サーガ”のハイライト映像が上映された。そしてマーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギが登壇。”インフィニティ・サーガ”が完結したと語り、いままでMCU作品の成功を支えてきた製作総指揮のルイス・デスポジート、ビクトリア・アロンソ、スティーヴン・ブルサード、トリン・トランら、重役スタッフ14名をステージに迎えて紹介し、MCUの背景で活躍する人々を讃えた。そしてファイギ氏は、『アベンジャーズ/エンドゲーム』の全世界における興行収入が近日中に歴代1位になると発表。実際に翌日の7月21日に、同作の興収は累計27億9020万ドル(約3007億8000万円)に到達。10年間破られることのなかった『アバター』(09)の興収記録を塗り替え、同作が世界歴代1位へと躍り出た。

コミコンのホールHで発表された「フェイズ4」ラインナップの概要は以下の通りだ。

■ 2020年

■ 『Black Widow(原題)』(2020年5月1日全米公開)

現在ロンドンで撮影真っ只中。ケイト・ショートランド監督とキャストのスカーレット・ヨハンソン、デヴィッド・ハーバー、フローレンス・ピュー、O・T・ファグベンル、レイチェル・ワイズが、コミコンのために深夜便でサンディエゴまで来て、ホールHのステージに登壇。ヨハンソンは「より深く描かれたナターシャという人物像を演じられているの。彼女の“不完全”な面を観客に観てもらえるのが楽しみよ」とコメントした。

■ 「The Falcon and the Winter Soldier(原題)」(Disney+で2020年秋配信)

アンソニー・マッキーがキャプテン・アメリカの盾を手に、セバスチャン・スタンと共に登壇。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)のダニエル・ブリュールが引き続きヘルムート・ジモ役として登場することが明らかになった。

■ 『The Eternals(原題)』(2020年11月6日全米公開)

中国人女性監督クロエ・ジャオがメガホンを握る、超能力と不死身の体を持った”エターナルズ”と邪悪な”ディヴィアンツ”を描いた作品。サルマ・ハエックやアンジェリーナ・ジョリーらキャストが登壇。アンジーは「MCUファミリーに参加できることの重要さと、ファンに最高の作品を届ける責任を理解しているので、トレーニングに励み、いままでの10倍頑張るつもりです」とコメントした。

■ 2021年

■ 『Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings(原題)』(2021年2月12日全米公開)

『ショート・ターム』(13)などで知られるデスティン・ダニエル・クレットンが監督し、『アイアンマン3』(13)やマーベル・ワンショットの1作品「王は俺だ」(14)にも登場したアイアンマンの強敵、マンダリンが登場する作品。マンダリン役に香港の俳優トニー・レオンが抜擢されているほか、アジア系米国人女優のオークワフィナや、中国系カナダ人俳優のシム・リューの出演が決定していると明かされた。シム・リューはこの日のプレゼンテーションの4日前に出演が正式に決定したばかりで、この日コミコンのステージでファンに挨拶できていることが信じがたい、と語った。

■ 「WandaVision(原題)」(Disney+で2021年春配信)

『エンドゲーム』後の世界が描かれるオリジナル・シリーズ。エリザベス・オルセン、ポール・ベタニーが出演。『キャプテン・マーベル』に登場したマリア・ランボーの娘、モニカ・ランボーの成長後の配役として、テヨナ・パリスが抜擢された。ファイギはこの番組を「奇妙ですばらしい作品」と表現している。

■ 「Loki(原題)」(Disney+で2021年春配信)

トム・ヒドルストン主演のオリジナル・シリーズ。ファイギは「『エンドゲーム』でどさくさに紛れて四次元キューブを手に逃亡したロキのその後を描く」と語った。

■ 『Doctor Strange in the Multiverse of Madness(原題)』(2021年5月7日全米公開)

前作『ドクター・ストレンジ』(16)に続きスコット・デリクソンが監督、ベネディクト・カンバーバッチが主演し、エリザベス・オルセンも出演する。デリクソン監督は、本作はゴシックやホラーの要素が加えられて、「MCU初の怖い映画になる」と発表した。ファイギは本作を「PG-13だが絶対気に入るはずだ」と説明。また、会場の観客は前日の7月19日に43歳の誕生日を迎えたカンバーバッチに対し、バースデーソングを歌ってお祝いをした。

■ 「What If…?(原題)」(Disney+で2021年夏配信)

MCUの“もしもこんな展開になっていたら”を描くオリジナル・アニメ・シリーズ。月からマルチバースを監視する“ウォッチャー”役の声優に、俳優のジェフリー・ライトが抜擢された。本作にはマイケル・B・ジョーダンやトム・ヒドルストン、ナタリー・ポートマンといったMCUではお馴染みのキャストが、声の出演をする予定 。

■ 「Hawkeye(原題)」(Disney+で2021年秋配信)

主演のジェレミー・レナーが会場の客席側から登場し、会場は大盛り上がり。レナーは「超能力を持たないながらも、スーパーヒーローとして活躍するホークアイを演じられることに意義を感じている」とコメント。ファイギは「(本作では)“ローニン”としてのホークアイを描く」と付け加えた。

■ 『Thor: Love and Thunder(原題)』(2021年11月5日全米公開)

マイティ・ソー」シリーズの4作目となる、オリジナル映画。『マイティ・ソー バトルロイヤル』(17)のタイカ・ワイティティが引き続き監督を務める。ワイティティと共にクリス・ヘムズワースとテッサ・トンプソンが登壇し、ワイティティ監督が「本作には女性のソーが初めて登場します。その役を演じられるのは、そう、この人だけ」と言ってジェーン役のナタリー・ポートマンをステージ上に招いた。

『Thor: Love and Thunder(原題)』の発表の終わりに、コミコンのホールH限定、MCUフェイズ4のキャップ帽子が観客全員に配られ、帽子をかぶった観客を背景にキャストと製作スタッフの記念写真撮影が行われた。

プレゼンテーションの最後にファイギは、『ブラックパンサー2』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3』、『キャプテン・マーベル2』も製作予定だと加えた。さらには「今日は『ファンタスティック・フォー』やミュータント(X-MEN)の話をする時間すらなかったよ」とコメントし、客席からは大きな歓声が上がった。そして最後の最後にファイギは、「いまだ噂にもなっていない発表があります」と言い、俳優のマハーシャラ・アリをステージに招き、アリ主演のリブート版の映画『Blade(原題)』の製作が予定されている事を発表した。

いままで様々な予測や噂は立っていたものの、マーベル・スタジオはこの日までフェイズ4の製作予定を公開していなかった。この日のパネルは、徹夜して並んだファンも満足する盛りだくさんの内容となった。ファンはパネル終了後も興奮冷めやらず、会場は終始熱気に包まれていた。

そして参加した観客には、帽子だけでなくホールH限定のマーベル「インフィニティ・ストーン・トレーデイング・カード」がお土産として配布され、ファンならずとも大満足のパネルは、無事終了した。(Movie Walker・LA在住/小池かおる)