去年の最高の読書体験はなんといってもハリー・ボッシュとの出会いでした。

 

ボッシュを知ったのは「リンカーン弁護士」シリーズのキャラとして読んだのが最初だったので、同時代にあたる作品から読み始めたのですが、シリーズの途中からだとこれまでの経緯が分からず、どんどんさかのぼることに……。

 

それと同時にその後も気になるので先にも読み進み、結局最新作を読み終えてからボッシュ初登場の作品である「ナイトホークス」を読んだのですが、私はどうしてこの第一作が世に出た時にこの本を読まなかったのかと反省することしきり。

 

まあ何故かというとね、同名の「ナイトホークス」という映画がありましてね、シルベスター・スタローンとルトガー・ハウアーが出ててこれはこれでなかなか面白かったんですが、それと混同してたんですよ。確か原作かノベライズが出てたのを読んだような気もしてて……。

 

だもんで、今回マイクル・コナリーの「ナイトホークス」読んだ時は衝撃でしたね! なんだこれ、全然違うじゃん! と。

 

そして映画と混同していたせいでいつまでも「もう読まなくていいや」と思っていた自分をひたすら「ばかばかばか」と責めたのでした。

 

だって、これ、私の好みにドンピシャだったんですもん。

 

こういう、ワンマンアーミーの孤独に戦う男の姿が私の心をとらえるのですわ、ハリー・ボッシュ、かっこいい♪

 

ただ「ナイトホークス」に始まるハリー・ボッシュシリーズ、開始が90年代ですから、その頃の作品を読むとやっぱり今との時代の差を感じます。当時のアクション映画や刑事物に出てくる男性主人公らしく、かなり暴力的で悪ふざけが好き。ただボッシュのいいところは差別的ではないし、下品なジョークも口にしないし、時代に合わせて自分が変わらなければいけない部分はちゃんとそうする点なのです。

 

先にそういう部分を読んでいるので、若い(といっても中年)のまだまだとんがったボッシュの姿を見ても安心していられるのはいいかもしれない。

 

しかしこれからボッシュを読む方は、是非是非是非とも第一作から順を追って読んで下さい。一作目からずっとボッシュの過去はつながって、一人の人間を形成していきますから。

 

今年の目標は図書館にある限りのマイクル・コナリーを読むことですね。キング程ではないけれど、結構多作なのでがんばりがいがあるというものです。