元日からおしらせしてきた劇場版「ダウントン・アビー」、公開日がいよいよ明日と迫りました。
時代は1927年、というからファッションはアール・デコ真っ盛り。
「グレート・ギャツビー」が発表されたのが1925年で、映画もその時代を背景にしていたので、パーティー等では大体同じような形のドレスを着用していたと思います。
また「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」が1926年の話とされているので、当時の庶民と魔法使いの服装がこの映画で分かりますね。ただしこの二作は主な舞台がアメリカなんですが。
ファッションだモードだといえばやはりパリが一番だったのでしょうが、仕立てではイギリスも負けてなかったのかロンドンで縫った服をNYまで船便で送る等という話も「ダウントン・アビー」には出てきます。
1927年は第一次大戦後の復興がすすみ、そして1929年に大恐慌が起こるなんて誰も思ってもみない、古き良き時代だったのでしょう。
イギリスではまだ女性には制限選挙権しかありませんが、翌28年には完全平等が実施されることになっています。それもあってか、女性陣の意気軒昂な様はいつもの「ダウントン・アビー」以上です。
だからまあ、お貴族様達のお召し物がそれは派手。
アール・デコですからドレスの形はシンプルでもヘッドドレスとロングネックレスでばっちり飾れますからね。目の保養です。
ところでこの中の濃い青のドレス、これとほぼ同じ形のものを去年の美術展で私は見ています。
白いドレスはツーピースですが、ワンピースもあります。
この「デルフォス」というシリーズはシルクのマイクロプリーツで、流れ落ちるような優美なラインの美しさで長く人気を誇ったそうです。
現在は生産されていないそうですが、まだドレスはしっかり残っているのですよ。
だから映画で着用されているドレスも当時の物をそのまま使っているのかもしれません。着る方は美術館物だから随分神経使ったでしょうね。女優業も大変……。
アール・デコの時代でも肌を出さないドレスをまとっているご婦人方もたくさんいて、彼女達を彩るのは各種レース!
それはもうてんこ盛りといっていい程にレースで飾られたドレスが登場しますが、それが似合う方がお召しというのがまたたまらないですよね。
ハリー・ポッターファンならご存じ、マクゴナガル先生とアンブリッジ先生の対決が本作でもあるんですが、彼女達の衣装合戦も見物ですよ。まあ~、どうやったらこんなに過剰な装飾のあるドレスを可愛らしく、かつ各人に似合うように、あわせられるんでしょうね!
パーティーシーンで目をひくのは大きなエメラルドをごろんごろんと使ったアクセサリーですが、あれは「カルティエ展」で見たような……。壮麗な食器は「リヒテンシュタイン展」と、いろんな美術展行ってて良かったとしみじみ思った「ダウントン・アビー」でした。
ちなみに王様はジョージ5世。
「英国王のスピーチで」コリン・ファースが演じたジョージ6世の父君にあたります♪