1月の読書メーター
読んだ本の数:17
読んだページ数:6510
ナイス数:98

 


夜より暗き闇(上) (講談社文庫)夜より暗き闇(上) (講談社文庫)感想
上下巻とも作中で重要な役目を果たす絵画がカバーとなっている、大変親切な作りの本。見るべき絵は全部で四点あるが、PC検索で見ることができる。良い時代になったものだ。ボッシュの世界には相変わらず神も仏もいないようだが、代わりに他の作品の登場人物であるマッケイレブとマカヴォイがやって来る。こういうタイプの作品は子どもの頃アニメでよく見た。「マジンガーZ対デビルマン」とか、そういうやつ。本書はどのシリーズに含めるかでその後の展開への読者の「読み」が変わってきそうだ。まさかと思いつつもこの作者ならやりかねない、と。
読了日:01月20日 著者:マイクル・コナリー


夜より暗き闇(下) (講談社文庫)夜より暗き闇(下) (講談社文庫)感想
ボッシュシリーズが主人公そのままでドラマ化されたのは比較的最近だそうだが、プロットはあちらこちらでパクられてるい違いない。こんな面白い筋立て、ほっとくわけがないもんね。コナリー作品はどれも映画のようだが、本作は特に顕著だと思う。下巻で上巻の話がくるっとひっくり返された時の興奮といったら! ところで今回、随分読みやすいなと思ったら、ボッシュにつきまとう嫌な上司&警察内部での政治的駆け引きがなかったからだった。そういうねばねばしたものから解き放たれ、自由に動き回るボッシュはいい。読んでて久々にスカッとした。
読了日:01月20日 著者:マイクル・コナリー

 


シティ・オブ・ボーンズ (Hayakawa novels)シティ・オブ・ボーンズ (Hayakawa novels)感想
読んでいると時たま「あれ、おかしいな? 前の記述と辻褄会ってないよな?」と感じる部分に出くわすのだが、続きが気になるあまり疑問を置き去りにして先に進んでしまうことがある。すると実はその部分こそが重要だったと後から気づかされるのだ。このヒントのさりげないもぐりこませかたはクリスティに似ているが、彼女が「さりげなさ」を装って文章にに隠すのに対し、コナリーは「そんな疑問うっちゃって先を読みたい!」という読者の欲望に訴える点で違うと思う。文中ドラマ「クローザーズ」への言及があるが、本書の構成は「キャッスル」に近い
読了日:01月20日 著者:マイクル コナリー

 


チェイシング・リリー (ハヤカワ・ミステリ文庫)チェイシング・リリー (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
主人公が若い。といっても34歳だがボッシュ達に比べれば青二才だ。そのせいか取る行動がいちいち無分別なのである。私も若かった頃はそういう主人公の無鉄砲さにわくわくハラハラドキドキしていたはずなのだが…。トシをとるというのは分別臭くなって物事がつまらなくなる事なのだと悲しくなった。それはさておき、この主人公は天才設定のワリにはアホである。ヤバイ状況に進んで身を投じては自分の首を絞める行為を重ねているので、サスペンスを感じるより先に馬鹿だこいつとしか思えない。間抜けすぎる主人公に困ったが、終盤は面白くなって納得
読了日:01月21日 著者:マイクル コナリー