“彼氏みLINE”も話題の佐藤健、30代の余裕が織りなす“胸キュン”キャラを満喫

 

>俳優・佐藤健が演じる、少女漫画原作のドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)のドSな医師が話題になっている。これまでも『るろうに剣心』シリーズや『BECK』、『バクマン。』など、多くの人気コミックの実写映画化作品で主要キャラを演じたイケメン俳優だが、意外に超ベタな“胸キュン”恋愛ドラマへの出演は少ない。さらに2016年にはじまった『佐藤健LINE』が、ドラマの話題とともに再び「彼氏みが強い」とSNSをざわつかせているのだ。30代の色気を武器に、まさかの“胸キュン”を演じて若い世代の女性までも虜にする、佐藤健の“魔王”な魅力とは?

【写真】ドS医師にSNSざわつく! 佐藤健の白衣姿に全女性が胸キュン

■“はじこい”に続くヒットの予感? 佐藤健のドS医師にSNSがメロメロ

 『恋はつづくよ~』は、一生懸命だけどおっちょこちょいな新米ナース・佐倉七瀬(上白石萌音)が、通称“魔王”、ドSなツンデレドクター・天堂浬(佐藤健)を“勇者”のごとくまっすぐに想い続ける……という恋愛ドラマ。上白石演じる佐倉は、かつての王道恋愛ドラマ『スチュワーデス物語』(TBS系)の「ドジでノロマなカメ」こと堀ちえみの姿を彷彿させる。一方、佐藤は佐藤で、(ためてから)「バカ!」と上白石を罵倒したり、なぜかちょいちょい目を細めて見つめる的な“ツン”を見せながら、胸キュンセリフをつぶやいたり、「優しくギュッ」、「頭ポンポン」、「酔いつぶれた主人公をおんぶで送る」、「おでこtoおでこで検温」などの“デレ”を織り交ぜていく。
 少女漫画の“定番”を詰め込んだ、見ているこっちが恥ずかしくなるようなコテコテの物語だが、初回視聴率9.9%から第2話10.5%、第3話10.2%と、2週続けて10%を超える安定した数字を見せているのだ。

 最近のドラマは刑事ものや医療系が全盛で恋愛ものは少なめだが、SNSで話題→ジワジワと一部の女性がドハマリしていく…というパターンでいうと、昨年のTBSドラマ、深田恭子主演で横浜流星の出世作ともなった『初めて恋をした日に読む話』、通称「はじこい」に続くヒットとなる予感がある。

 ドラマの公式HPでも、「“勇者”と“魔王”の黄金カップル誕生!?」、「思わず応援したくなる胸キュン♡ラブストーリーが始まる!!」と煽っているが、まさにその通りになっているのは、初回放送で作品名とともにトレンド入りした「佐藤健」の功績が大きいだろう。「ハマリ役キター!!」、「佐藤健のカッコ良さを再認識!」、「佐藤健のタートルネックになりたい」等々、SNSでは佐藤の魅力を再確認する女性たちの声が飛び交ったのだ。

 

■確固たる地位を築いたからこそ 満を持しての“胸キュン”に違和感がない

 

 30代の色気を放ちはじめた佐藤健への“胸キュン期待値”は、ドラマの回を追うごとに高まっていきそうである。

 いやはや、ここにきて“胸キュンキャラ”を最大限に満喫しているかのような佐藤健。過去にも映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』やドラマ『メイちゃんの執事』(フジテレビ系)など、恋愛ものがなかったわけではないが、これほどわかりやすく、まんまの“胸キュン”は初と言っていいだろう。こうした女性ファンを舞い上がらせる胸キュン役は、本来、若手俳優が人気を獲得するための近道だ。しかし、佐藤はそこには飛びつかず、ゆっくりと王道を歩みながら演技力を磨いてきた。だからこそ、いきなりな胸キュンキャラでも余裕を持って演じることができ、過剰演技に見えるかのような演技、といった芸当までやってのけてしまう。


 さらに佐藤は「電話」もくれるという。ドラマ放映の前後に佐藤がアプリを通じて電話をかけ、通話は希望者全員が可能だが、抽選で選ばれたラッキーな人は直接本人と話ができるという。通話は、番宣的なお仕事の電話ではなく、ゆるい感じでまるで本当の彼氏のようだとか。通話→ドラマ→通話と、2時間たっぷり“胸キュン健”を堪能できるというからものすごい。

 佐藤健LINEは、句読点や絵文字のないそっけない文面が逆に親密感を醸し出し、「本物の彼氏のよう」、さらには「彼氏感とかじゃない、これは彼氏」とまで断言するユーザーも多く、メッセージに返信するなどして、疑似“自慢の彼氏”を楽しむ女性であふれているようだ。しかし、返信してももちろんスルー(AI自動返信などはなし)。むしろ駆け引き上手な彼(佐藤)に“おあずけ”を食らうこと自体が、胸キュン要素のひとつになるという倒錯した世界になっているのだ。

 今回、内容がドラマとの親和性が高いため、『恋はつづくよ~』の天堂キャラに重ねて、「ドラマ見た後にたけるLINE見る幸せ」をかみしめている人が多いという。今やフォロワーは100万人を超え、公式アカウントランキング(全ジャンル)の個人名では唯一トップ10入りを果たし、有名人部門では当然のように1位を獲得している。

 そんな盤石かつ順調なキャリアを積んできた佐藤も30代、今回“満を持して”胸キュンキャラに挑戦してファンを驚喜させたが、佐藤健の公式LINEがさらにそれに輪をかけた。LINEのアカウント自体は2016年、LINE初の連載小説『世界から猫が消えたなら』の映画公開を記念して開設されたが、「お知らせ」的な番宣メッセージではなく、「なにしとる?」「夜あけといてね」「俺、今ハマグリ食べてる」など、自然体のメッセージが当時から「彼氏みが強い」として話題になっていた。

”「彼氏感とかじゃない、これは彼氏」佐藤健LINE■彼氏み強すぎる“


 加えて佐藤は、ビジュアル性の高さは言うまでもないが、『るろうに剣心』、『BECK』、『バクマン』、『亜人』、『ROOKIES』、『ブラッディ・マンディ』など、原作漫画ファンの厳しい批評が待ち受けている実写化において、彼らを納得させる演技力を見せ、むしろ異例ともいえる高評価を受けた。コケると急に安っぽく見られがちな“実写化俳優”だが、佐藤はそのイメージをいい意味でアップさせて定着させたのである。

 実際、特撮ものは若手俳優の登竜門である反面、本人の人気が出た後は“黒歴史”とまではいわないが、あえて触れないようにするという不文律がなきにしもあらずだった。しかし佐藤は、「仮面ライダーは、ほぼゼロからすべてを教えていただいた僕の原点」と臆することなく断言し、今では“特撮出身”は隠したい過去ではないどころか、“優良ブランド”にさえなったのだ。そういう意味では、佐藤は“特撮ブランド”を作り上げた功労者のひとりといってもいいだろう。

 胸キュン系コミックの実写ドラマ化といえば、これまでターゲットに近い10代や20代の若手俳優が演じることが多く、最近では山崎賢人あたりが代表格だろう。しかし、佐藤は若手のうちから“イケメン”を武器にせず、出世作『仮面ライダー電王』(テレビ朝日系)で5役を演じ分けて見せたように、むしろ演技力の高さで定評があった。