8月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2004
ナイス数:29
ウィリアム・モリス - クラシカルで美しいパターンとデザイン-の感想
とりあえずこれ一冊あればモリスの作品と生涯についての大まかな所は知れると思う。本のサイズが大きいので壁紙やテキスタイルのデザインも大きくて見やすいのがありがたい。本書として紹介されている写真の表紙と実際の本の表紙では色の見え方が随分違う。本書の中の図版も他の本の図版とは色が違っている。写真によるものか、それとも印刷のインクによるものか……。実際のモリス作品と比べて確かめたいが、本物ならそれもインクや染料が褪色していたりするのだろう。当時の製法そのままに再現したものがたぶん一番当時の本物に近いのだろうな。
読了日:08月15日 著者:海野 弘
ウィリアム・モリスのマルクス主義 アーツ&クラフツ運動の源流 (平凡社新書)の感想
私はモリスのデザインは好きだが思想には興味ないことがよく分かった。彼の装丁した本は美しいが、著作の内容とは別物である。それでも紹介されている文章の中には共感できるものもあった。「ほとんどすべての近代の経済学者(歴史を研究する者は少ないし、決して芸術は研究しない)は、目の前に何が進行しているかを判断するだけで、労働は一般的に嫌いなものとして前提される(以下略)」の部分は今も全く変わっていないだろう。「ものづくり」等と言葉のみ称揚し携わる人々に報いていないのは、経済学者にとっての「人」は労働力でしかないからだ
読了日:08月25日 著者:大内 秀明