11月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1408
ナイス数:24
葬られた勲章(上) (講談社文庫)の感想
冒頭、リーチャーはNYの地下鉄に乗っている。人に聞いたという体で蘊蓄も披露する。そう、本書では地下鉄が第二の主人公なのだ。本作では全編にわたりNYの道路や駅や交通事情が詳しく描写される。本書が上梓された09年の数年後に旅行でNYを訪れた経験があったおかげで多少なりとも雰囲気がつかめて助かった。地下鉄は80年代には犯罪の巣窟と言われていたのでびびっていたが、現地の友人に乗り方とメトロカードの買い方を教わってから利用してみたら、これが大変便利なのだ! 車両も本書に描写されてる通りだったのを思い出して肯いたり。
読了日:11月05日 著者:リー・チャイルド
葬られた勲章(下) (講談社文庫)の感想
本書を読んでいると、自分はなんと騙されやすいのだろうと思えてくる。もっともらしく筋が通っている話なら裏付けがなくても簡単に信じてしまうようだ。リーチャーはそうではない。だから長生きできて長く続くシリーズの主人公やってられるんだなと納得。彼を「ご老体」呼ばわりした奴らは当然の報いを受ける。携帯電話を持たない最後の一人と言いつつ、いざ所有すると難なく使いこなすのがまた凄い。ところで本書はスマホが普通になる前の10年以上前の話である。今や時代がすっかり変わった事に驚くが、それでも何でも傑作である事に変わりはない
読了日:11月04日 著者:リー・チャイルド
すぐわかる画家別西洋絵画の見かた 改訂版の感想
とても分かりやすい西洋絵画の入門書。中学の美術の教科書で見た画家とその作品が網羅されてる感じ。要点が整理されていてカラーなので大変分かりやすい。ルネサンスから現代美術までの美術史も概観がつかめる。美術館めぐりを始める前に基礎知識としてこれらを頭にいれておきたかった。今までバラバラに拾い集めてきた知識がこの本一冊に全部まとまってるじゃ~ん! って感じ。各画家とも代表作しか紹介されてないが、絵画の多くは日本で公開された事があるのが凄いなと思った。海外で見た作品もあるが、日本は絵画を見るチャンスに恵まれている。
読了日:11月05日 著者:岡部 昌幸
すぐわかる作家別アール・ヌーヴォーの美術 改訂版の感想
私の読んだ改訂版第一刷では156pのクライスラービルと157pのエンパイアステートビルの写真が入れ替わっているようである。少なくともwikipediaを調べたところでは写真が逆だ。アールデコ様式の美しいデザインの方がクライスラービルである。それはさておき、アール・ヌーヴォーからアール・デコがこれ一冊で分かるすぐれた本だった。絵画やガラス工芸に留まらず建築、家具・インテリア、金属工芸・陶磁器からファッションに至るまで網羅されてるのがいい。仏語のアール・ヌーヴォーが独語ではユーゲントシュティール。覚えとこっと
読了日:11月12日 著者:岡部 昌幸
名画で読み解く イギリス王家12の物語 (光文社新書)の感想
キングス&クイーンズ展にこの本からの抜き書きが展示してあったので全体が知りたくなって読んでみた。様々な媒体で飛び飛びに学んできた英国王室の話が簡略ながら一本にまとまって満足。中にさりげなく書かれていた「王女の貴賤婚で生まれた子に王位継承権はない」という文章で抱えていた謎が一つ解けた。正式な王子として女王と結婚し皇太子まで設けたのに、自分の実の父親が別の王様だったと知った主人公が我が子に継承権がないと愕然とする話。自分が実際には婚外子だとしたら、女王は貴賤婚した事になり、二人の子は王位に就けないからなのだ。
読了日:11月18日 著者:中野 京子
新書740魚で始まる世界史 (平凡社新書)の感想
幼い頃得た「欧米人は肉食」の印象で、遙か昔(多分マンモス狩ってた頃)からずっとそうなんだと思い込んでいたのだが、実はそれはここ2世紀程度の事に過ぎずそれ以前は魚も大量に食べていたと本書で初めて知った。キリスト教の断食とのかかわりや、ニシンやタラの漁が国際情勢に影響を与えた話など興味深い。食品加工としては北海道出身の私は棒鱈や身欠きニシンを思い出す。欧米の昔の本や映像上に出てくるパイと日本の菓子のパイの違いがようやく分かった。パイの器にウナギ等を入れ溶かしバターをかけて蓋をし空気を遮断する保存技術だったとは
読了日:11月20日 著者:越智 敏之
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