2月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:5276
ナイス数:60


アガサ・クリスティーと14の毒薬アガサ・クリスティーと14の毒薬感想
原文が悪文なのか訳が下手なのか、ともかく大層読みづらい。時たま挟まれる作者が意図したであろう皮肉なユーモアも本書には全然反映されてないと思う。薬学の専門的な記述が多いためだろうが、飽きる。後半は慣れて大分読みやすくなったが。さて、タイトルのクリスティーは導入に過ぎず本書の主眼は毒薬にある。各「毒」が如何にして人を死に至らしめるかの詳細。基本は「毒」の持つ化学物質が人体の活動を担う物質と入れ替わる事により、その化学反応が停止or昂進するため不都合が起きて最悪生命を維持できなくなると。生きるって化学反応なのね

 

三幕の殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)三幕の殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
「アガサ・クリスティーと14の毒薬」の中に本作は英国の初版と米国で出版されたものでは犯人が違うとの記述があったので、いい機会だから読み直してみようかと。私が最初に読んだのは米国版の「三幕の悲劇」の方だったのでそちらの印象が強い。その後本書が出版された時に読んだのかどうか……違う部分だけ探して拾い読みしたような気もするがいずれにしてもうろ覚え。そこで英版オリジナルと言われる本書をまず読む事に。え~っと、こんな終わり方だったっけ?締めくくりがポワロの自惚れというよりギャグだろう、これ。最後に笑うのは探偵なのだ
読了日:02月25日 著者:アガサ クリスティー


三幕の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)三幕の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)感想
2003年の出版なので訳語や訳文が現代的になっている。また田村隆一訳よりも読んでいて意味がとりやすい。本書を訳した長野きよみは「アガサ・クリスティーと14の毒薬」の役者でもあるのだが、小説の方が向いているようだ。しかしイギリス流のユーモアを本文どおりに日本語にしているみたいで、本来はくすりと笑うはずであるべき文章が味気ないものになっている感がある。ところで原作が上梓されたのは1934年だがその時点で「ひどいインフルエンザにかかり、その後遺症で味覚と嗅覚がかなり鈍く」なったという記述が。もしやコロナだった?
読了日:02月25日 著者:アガサ クリスティー


三幕の悲劇 (創元推理文庫 105-15)三幕の悲劇 (創元推理文庫 105-15)感想
小学生の時に読んだのがこの版(カバーは違う)。二冊読んだ英版の結末があまりに呆気ないので面食らっていたが、こちら米版はそれなりに盛り上がる展開になっていたのだった。小学生には断然こちらの方が面白かったはずだが、今読むと英版も味があるなあと思う。米版はさすがにちょっと取って付けた感あるしね。クリスティがこの作品で書きたかったのはトリックや意外な犯人じゃなくて「女性の気持ち」なのかもしれない。ヒロインのエッグだけでなくその母や脇役の女性達の思いまで細やかに描出しているから。夫を選び間違うと不幸になるとの忠告。
読了日:02月28日 著者:アガサ・クリスティ

 

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