2月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:5276
ナイス数:60
新版 アメリカ横断TVガイドの感想
1997年から2000年までのアメリカの世相をテレビ番組から浮かび上がらせてくれる本。アメリカの小説を読んでもドラマを見ても、こういう具合には分からない。日本人の著者がアメリカ各地に暮らし100チャンネル以上あるというテレビの番組を見ながら気づき、読み解き、調べていったからこそ書けたものなのだろう。私もかつてTVブロスを愛読していたが、この時期のものはほとんど読んでいない。しかし褒めてるのが「シンプソンズ」とか「サウスパーク」とか「隣のサインフェルド」とか悪趣味とされる作品ばかりなのが流石町山さんだな、と
読了日:02月08日 著者:町山 智浩
底抜け合衆国―アメリカが最もバカだった4年間の感想
2000年から4年までに書かれたもので、これの前に読んだ「アメリカ横断TVガイド」から直接つながる時系列。大統領選を控えてもまだ呑気だったムードが911を境にガラリと変わる。前作では好景気で治安もよく自由を謳歌していたのに、不景気に戦争が重なって世相が一気に荒んでいく。でもここでアメリカについて語られている内容が不思議に今現在の日本の状況と重なる。ボンクラ二世政治家による大企業への利益誘導のみに重きをおいた政策。マスコミは政権にへつらい見捨てられた庶民は不満を差別という形で弱者にぶつけヘイトが横行するのだ
読了日:02月10日 著者:町山 智浩
映画の見方がわかる本―『2001年宇宙の旅』から『未知との遭遇』まで (映画秘宝COLLECTION)の感想
子どもの頃「ニューシネマの傑作」という触れ込みでテレビの洋画劇場で見た作品にはどこがいいのか分からないものが多かった。今世紀に入り歳経た今なら理解できるかと改めて見直したら、全く面白さを感じない映画がほとんどだった。たぶん住んでた国と時代のせいで面白さが自分には分からないのだろうと思っていたが、その理由を本書が逐一説明してくれてたので溜飲が下がった。ニューシネマは少なくともその時代を生き、閉塞感を身をもって感じていなければ評価できないものなのだろう。時代は違うが日本では「エヴァンゲリオン」がそれに近いかも
読了日:02月12日 著者:町山 智浩