ツイッター見てると次々に課題を出されるのよね、『RRR』を見る際の。 先日どなたかのイラストで赤い制服のラーマが総督官邸でスコットに会う際、彼の背後で再建中の街灯がずっとフラフラしてるというのを見て確認しに行ったらまさにその通りだったんですが、たぶんそれ、演出上の意図です。
街灯立て直すのにやたら時間がかかってるのは確かですが、途中その一部がラーマのヘルメットと平行になるシーンがあるので構図上の側面もあると思います。でもその街灯、ビームの鞭打ちを命じられて茫然としているラーマの後ろでずっと傾いたままなんですよ。それは彼の心が傾いている象徴ですよね?
街灯は「火」を灯すものだから、ラーマ自身の象徴なんですよ。その時は日中だから当然街灯に火はない。ラーマの心からも「火」は失われています(親友を裏切った心の痛手から立ち直ってない)。だから単なる鉄の塊として彼の頭上にのしかかる。アームがラーマのヘルメットと平行になってる辺りね。
その後、スコットの言葉に「イエッサー」と答えつつも心は千々に乱れるラーマの後ろで街灯のポールは何故か傾いたまま静止するのですよ。職人さん三人がかりで何やってるんだって話ですけど、その傾いたポールがラーマの心がゆらいでる=まっすぐに立ってないって象徴なんでしょう。
監督を信頼するってそういうことで、「何か理由があるはず」と探しにいくと大抵答えがみつかるんですよね。 まあ、こちらの勝手な思い込みという可能性もありますが。でもラージャマウリ監督の場合は信頼性が高いので、たぶんそういうことなんじゃないかと思います。