いつもの散歩の とちゅうで
ボクは たびたび
「トイ・プードルの 大きいほう ですか」
と きかれる
「いえいえ」 と こたえる ママくん
すると
「あー ふつうの トイ・プードルが
おおっき~く なったのかな」
と きかれる
「いえいえ」 と 笑いながら こたえる ママくん
「なんていう 犬しゅ なんですか」
と やっと きいてくれる
「コッカー・スパニエル って いいます」
と ママくん
「あー ディズニー映画 わんわん物語 に 出ていた
アメリカン・コッカーですね」
と まだ ちょっと不思議そうだけど ニコニコ しながらいう
それから
「だけど かなり 大きくないですか」
と また きいてくる
この 大きい という言葉は
ボクの時間を ピタリと 止める
心臓に かなり わるいのだ
ボクの 心の中のことなど
これっぽっちも 案じていそうにない
ママくんが のんきな声で いう
「あのアメリカンコッカー じゃなくて イングリッシュのほう・・」
「あ、そっかー そういえば むかし
うちの近所で 同じわんちゃん 飼ってた
そうそう イングリッシュ・コッカー ですよね」
あー 納得! という表情で
ボクの頭をナデナデして ふっきれた笑顔で去っていく
いちばん最初に それ 気づいてくれ と思うボク
かわいい トイ・プードルと まちがわれるのは
大歓迎 なんだけど
大っきい! と つくのは こまるのだ
大きいって つまり ボクにいう場合だけど
ほんとは ぽっちゃり って 言いたいけど
えんりょして いるんだよね
先週の日曜日 ボクは 6才になった
「今日は とくべつ だからね」 と
真っ赤にうれたイチゴや ふわふわのパン
それから いい匂いのチーズ をもらえた
そのせいか マンホールなんかを よけるとき
キレが わるくなった 気がしている
だけどね
太っちゃったって ママくんたちに 気づかれるのは
ボクにとって とんでもなく まずいことに なるんだ
これから
散歩道で 会う みなさま
ボクを 見かけたら
「最近 やせました?」 とか
「気のせいか 小さくなった気がしますね」 とか
言って もらえません・・・ よね
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