まちの中には バレンタイン・チョコが 山のように あふれていて
若い人も そうじゃないひとも みんな おしゃれな箱の
美味しそうなチョコを 真剣な まなざしで えらんでいる
だけど ボクの家では 毎年 ちょっと ちがうんだ
バレンタインの前の日に 生まれたボクの おいわいをしてくれる
ボクはなんだか タイミングわるい日に 生まれてきちゃったみたいで
ごめんなさい な 気分に ちょっとだけ なるけど
朝いちばんに いつもどおり ねぼけた顔の ママくんが
にこにこ しながら ハッピーバースデーの歌を
あいかわらず へたくそに ハミングしているのを きいていると
ふきだしそうになって そんな気分は すっとんでしまう
何歳になっても 誕生日って うっひょーのてんこもりの日だ
ボクの好物のにおいが 家の中のすみずみまで 満ちている
そわそわ そわそわ の ボク
おちついてなんか いられない わくわく わくわく の ボク
「 NEOが3歳になる前の お正月には
こんな日をむかえられるなんて これっぽっちも思えなかったね 」
むかしのことを 思い出して ママくんが なつかしそうにいう
「 誤診だと わかるまでの 1ヶ月間くらい 真っ暗な毎日だったよね
NEOは元気いっぱいなんだけど 再々検査まで することになって」
結果 ボクは シロで
「くろなのに シロだって!」 と ママくんは 泣きそうな 笑いそうな
世にも おかしな顔つきで つまんないこと 言い放ったよね
だけど あの 誤診は ものすごく ありがたかった
それは ボクも ボクの家族も おもっているんだ
あれから ボクの家族は とくにママくんは すごく やさしくなった
たくさん あそんでくれるようになって ウマウマも多くなった気がする
あの 誤診が なかったら ボクたちは こんなにも
仲良くは なれていなかったかもしれない
これからも 毎年 バレンタイン・チョコで まちの中が
にぎやかに いろどられるころ ボクは ひとつ としをかさねていく
どうか これからも ずっとずっと
ボクの未来が こうばしい 日々で ありますように!
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