「ごはん大好き!」 ~ NEO ~




     ようこそ、ようこそ。

     目の前の 美しくておおきな山が 

     ボクに あいさつしてくれる声が 聞こえた気がした 


     雲ひとつない とびっきりの晴れの日 

     空気は ぴりりとして 心地よいつめたさで

     まわりは ぜんぶ 秋だった



     1年前のいまごろ

     ママくんの むかしむかしからの ともだちが住む

     やまなしけんに ボクは はじめて行ったんだ


     笛吹市に住んでいる ママくんのともだち

     りんく さんと 河口湖で 待ち合わせ

     ふんわりやさしくて きれいな りんくさん

     ボクの大好きな タイプで うひょひょ~い!!!


     ママくんと りんくさんは 

     おしゃべりしたり おいしいごはんを食べたり

     いつまでも いつまでも たのしそうに笑ってた


     
     ボクは さいしょに びっくりした 大きな山を
     
     見上げて  ひとつ  しつもんしてみた

     「お山さんを こうして 見てるだけで

     ボクが やさしい気持ちになるのは なぜですか」


     ボクは お山さんの へんじを 長い間

     しんぼう強く 待ってみたけれど

     し-んとしたままで へんじは なにも なかった



     ボクのうちの ベランダのオリーブくんや


     散歩のとちゅうの公園で あそんでいても


     もちろん ボクは ごきげんに なるけどね



     こうして おおきな自然に つつまれていると


     からだの中の すこし ずれていた どこかが


     頭のなかの もやもやしていた なにかが


     いつのまにか 正しく おさまった かんじがするんだ


     あるべきところに こそっとおさまった 心やすい かんじがね  

      

    

     そろそろ帰るからねー というママくんの声が聞こえてきた



     ボクは もう帰らなきゃいけないみたいだ


     へんじのない お山さんに 


     また来るからねと あいさつした



     なんども ここに来て 耳をすましていれば


     いつか お山さんの声が ボクのココロに とどくにちがいない





     帰りの車のなかで ボクは  はっとした


     へんじは もう ボクのココロに しっかり とどいていたんだ


     だから


     しぜんに やさしい気持ちに なれたんだ






     


     
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