あきのかぜに なるには


   どれくらい はやく はしればいいの?


   そう きいたのに


   きみから かえってきたのは とんちんかんなへんじ 



   あきは ほかのことは かんがえないで


   おいしいものとか


   きれいなものとか


   かぜとか はっぱの においとか 


   ゆっくり ゆっくり あじわうのがいいよ


   たっぷり  あきのしっぽまで まるごとね

 


   きみのことばが のうてんきすぎて 


   ボクは おもわず わらいだしてしまった


   だって  おいしいものを たっぷり あじわうって


   わるいけど ボクは さかだちしても できちゃうよ 


   ほらね



   自信まんまんな ボクの耳に


   きみは ボソボソっと はなして 西のそらにきえていったね




   しあわせの たねの  かりんっていう


   はじける音が きこえるまで


   あきの色やかたちや やさしいあじを かみしめてみてね


   そしたら


   きみは だれかの あきのかぜに なれるかもしれない





 

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