ベランダで
うとうと うとうと うとうと
目が覚めたら ドアが閉まっている
忘れたんだ ボクのこと
うちの中に入りたいな・・・
チーズのおやつ 食べたい
水も がぶがぶ 飲みたい
こっぴどく 叱られて
部屋から 出られなかったときよりも
忘れられるのは もっと ずっとずっと ショボンだよ
忘れられるのは いないってことと おなじでしょ
ぽかぽか陽気の のどかな春の日
だけど まだ水は冷たい
オレンジのボールが 川に・・・
するするっと滑って ポトっと落ちた
早く 早く助けなくっちゃ
いつも ボクと遊んでくれる 大好きな ともだち
手も足も胸も 冷たい
キュッとかたくなる 冷たさだけど
もうすぐ あとひといきだから
そこで 待っててね
かならず ボクが助けてあげるから
車に乗って 知らないどこかへ
行くのが 好き
はじめて 出合う風景
はじめて 出会う仲間たち
窓から 空を見上げると ひこうき雲
窓から 地面をのぞきこむと デコボコ道
車から 降りたら 思いきり走りまわる
心もからだも自由になれる ボクの週末
アスファルトの端っこに
いい匂い かすかに悲しい匂い
クンクン クンクン していたら
やわらかい風が吹いて たんぽぽが 笑った
クンクン クンクン してみたら
春の土の匂いがして ボクの気持ちも笑った
ここが ボクの散歩道
たいせつなひとが 星になった
会いに行かなかったこと
ぐるぐる ぐるぐる
ぐるぐる ぐるぐる
身体中をかけめぐる
いつかボクが星になったら
まっさきに あやまろう
星になるまでは
ぐるぐる ぐるぐる
胸の奥にそっと置いたまま 笑って生きて行こう
ぜったい わるくない
洗たくしたシャツが 風に吹かれて
スルリと地面に落ちた
それから
また風に はこばれて
ボクの足元に 来たんだ
だから ボクはわるくない
風も わるくない
シャツも わるくない
だれも わるくない