改めて、
ハチミツについて知っておきたい!
そんな折から、
かねてから読みたかった、
崎谷博征医師と、
代替医療師vanillaさんこと、
有馬ようこ先生の共著
『自然治癒はハチミツから』を読了した。
ハチミツについての「事典」とでも言えるような、フルクトースの生化学の論文が多く、科学的エビデンス満載の書。細胞環境デザイン学の内容が中心の「ファスティングマイスター1級」と、スポーツ分子栄養を学んでいる私にしても(ついていけただろうか…?)と思ってしまうような、ハイレベルの専門的な記述が続く。
こういったエビデンス中心に書かれた内容は、私にとっては非常に嬉しい。
生化学のことなどの、難しいのは苦手な人は第1章と第5章を読み、他の章は見出しを見て、興味のあるところから読み進めていくのがいいと思う。
ハチミツって甘いので体に悪くて太るのでは?
と思ってる方や
健康目的で、
ハチミツ買うなら高価なマヌカハニー!
と思っていた過去の私のような方は、
本書を読むと、
それらが誤解であることや、
なぜ誤解であるのかをうかがい知ることができる。
ハチミツが、パンなどに塗る、単なる嗜好品になってしまっている傾向がまだまだあるが、「メディシナル・ハニー、治療目的のハチミツ」と呼ばれ、様々な病態の治療物質として古来より使用されてきた。
古代ギリシャでは、疲労にハチミツ水を用いていた。
ヒポクラテスは発熱に対してハニー水や、ハニー・ビネガーを用いていて、頭髪の脱毛、傷の処置、便秘、咳などの風邪症状、目の病気、皮膚予防や傷跡の処置にもハチミツを使用していた。
ヒポクラテスは拙著『人生が好転するファスティング』でも紹介したように、「ファスティングは体の中の100人の名医を目覚めさせる」といった言葉など、食に関する多くの言葉を残している。2500年も前の、まさにスーパードクターだ。
さて、ハチミツは現代医学では主として、創傷治癒に使用されているが、癌、糖尿病、感染症、認知症、アレルギー疾患、自己免疫疾患など様々な慢性病に高い効果を持っていることが証明されている。
しかしながら、現代のマーケットに出回っているハチミツは、食品の中で3番目に混ぜ物が多い食品になっている。コーンシロップ、小麦やイモのでんぷんから作った糖を混ぜ込んでいる。ぶどう糖果糖液糖や、砂糖水を働きバチに与えているところもある。
そのように作られた、大量生産されたものがいつしか、ハチミツといえばこういうもの、になってしまった。
加えたシロップよりも、さらに問題なのは農薬の残留。
農薬の中でも、今、世界中で最も使用量の多いものはグリホサート。
ハチミツが汚染され、ハチミツ以外でも農作物や汚染された食品や飲料水を通じて、グリホサートは蓄積してしまうし、人体には発がん作用などの影響も与える。
グリホサートは農薬「ラウンドアップ」の有効成分で、ラウンドアップは、1970年にアメリカ企業のモンサントが開発した除草剤(農薬の一種)。遺伝子組み換え作物の種子とセットで売られているものとして知られている。
毛髪検査では、
体内に蓄積される農薬も検出。
ハチミツ選びのポイント7項目
1.蜂蜜に人工的に餌を与えていないこと
2.非加熱であること(Cold extracted )
3.抗生剤を使用していないこと
※オーストラリアやニュージーランド、ロシアには寄生ダニがいない
4.花粉が入っているかどうかがはっきりしていること
5.採蜜源の環境や土壌が汚染されていないこと
6.蜂蜜の濾過のプロセスができるだけ自然であること
7.プラスチック容器に入っていないこと
とにかく、
ハチミツについて興味深い記述が多く、
専門家ならではの内容であった。
難解な箇所は、何回でも読み直していきたい。