教育小説「大地保育ものがたり(第10話)」
2020年9月19日
『よくある質問②『どろんこ保育って何ですか?(その2)』
— どろんこ保育の定義を教えてください —
【第10話に至る経過説明】
質問者の愛知県瀬戸市の認定子ども園副園長さんに、2020年7月22日に(第9話)のブログで、
『どろんこ保育て何ですか?(その1)』を、お話して以来、教授の近況報告(新聞寄稿・家庭菜園、等)が間に入り、
2カ月ほどの経過ののちの(第10話)となりました。
本当にお待たせいたしました。
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教授:
「第9話では、教授の中学生のころの大地との出合いを、父と母の百姓を手伝いながら大地との出会いについて書きました。
この大地を愛する農民の父と母と共にした百姓体験の中で、教授は雷に打たれたような「衝撃的な一体感」で、『土の神』を肉体とハートに焼き付けたのです。
そして、教授の人生は『土の神』に導かれて歩むこととなったのです。
でなければ教授の魂の著書、『どろんこ保育(フレーベル館)』・・・・・
・・・・・子どもも大人も大地に抱かれて育てられる『大地保育』は、生まれることはなかったでしょう。
この「衝撃的な一体感」こそが教授の大地保育の起源だったのです。
では、どろんこ保育の定義を始めます。
【どろんこ保育 Dronko Hoiku, Learning by Muddy-doing 】の定義
どろんこ保育とは、一般的には、素材の「どろ」と「水」を混ぜて遊ぶ、どろんこ遊びのすべてを言います。
典型的な遊びとしては、どろで作る「どろ団子」や、「どろケーキ」などの遊びで、今も昔も見られる普遍的な遊びを言います。
狭義的には、開園1953年から始まる野中保育園(静岡県富士宮市、現:野中こども園)の抑圧からの精神の開放を目的とした保育です。
農家だった保育園の田んぼのどろんこに、全身で入る教育的・治療的保育実践です。
8つの禁止と抑圧
①汚い
②危ない
③みっともない
④やかまし
⑤散らかっている
⑥早く
⑦へたねぇ
⑧何の役にも立たない
からの精神的開放や感情表出の
保育方法論として評価されてきました。
その基本となった理論は、フィンガーペインティングの精神開放の治療教育です。
一般的にみられる遊びとしては、
「雨が降った後の水たまりでピチャピチャと跳び跳ねて遊ぶ子どもたちの姿」
は、いつの時代にも見られる普遍的などろんこ遊びです。
無我夢中になって全身どろんこになってしまうと、「どろんこ怪獣」にも変身するので、
子どもの変身願望や、空想の世界に遊ぶことができ、不思議な・愉快な・魅力的な遊びになるのです。
最広義的には、土と関わる保育の総称で、
(1)花壇作りや、野菜畑の土いじり、
(2)粘土の造形遊び、
(3)陶芸などの焼き物作り、
(4)そして、自然保護環境教育です。
以上、最広義的には(1)~(4)のすべてがどろんこ保育に含まれます。
どろんこ保育の主な四つの理論と評価は、
(1)
つるつる ぬるぬる ぴちゃぴちゃで「気持がよい」のです。
(2)
全身どろどろになって「汚れてみたい」願望が満たされるのです。
(3)
他人に評価されない、点数で採点されない、「気楽さ(きらくさ)」があるのです。
(4)
欲求不満などの「カタルシス効果(抑圧の浄化作用)」があるのです。
以上、塩川寿平のどろんこ保育の定義です。
https://ameblo.jp/juhei79/entry-12612916013.html