第58話:野中保育園創立70周年 初心に還って(創立1953~2022)

—(その2)『私の大地保育』塩川豊子著(大地教育研究所1988発行)—

 

 

 

大地保育と表現教育(第25回発表会 園長 塩川豊子のお話)

 

 

 

《 子どもは芸術家 》

 

子どもたちは芸術家です。

 

いつでも、どこでも創作劇を苦もなく作り出します。

 

すじがきは次から次へと発展し

 

そこに1枚の布があれば、

 

そこに1ケ個の空き缶があれば、

 

それをかぶり、それを持ち、

 

大人の空きょなことばなぞ、

 

聞こえるはずはありません。

 

ただひたすら劇は続きます。

 

今日は年少さん、今日は年中さん。

 

これでは毎日毎日発表会をしなければまに合いません。

 

そして毎日毎日話は変わるので、

 

どうやってブロやを書こうかと、

 

芸術家でない大人は悩みます。・・・(押入れにもぐったりして)

 

作詞作曲はなんでもありません、

 

ことばはそのまま歌になるからです。

 

大人にできないことを、

 

どうして子どもをできるのでしょう。

 

子どもの力を信じることのできない大人のみが、

 

教えようとするのでしょう。

 

どろんこの中からこそ歌が育ち、詩が生まれます。

 

人まねお遊戯会から脱皮を目指して・・・・・・数年経ちました。

 

一生懸命の毎日です。

 

 

 

(発表会 1976年12月11日〜12日 園長塩川豊子)

 

 

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大中里保育園(現:大中里こども園 社会福祉法人柿ノ木会 幼保連携型認定こども園)は、同法人『大地保育』の野中保育園の姉妹園として2006(平成18)年に開園、初代園長塩川寿平(2006〜2012)・2代園長塩川恵美子(2013〜2019)・ 3代園長京極桃子(2020〜)と歴史を積み重ねております。

 

保育理念は大自然から学び自由でのびのびとした保育の創始者塩川寿介・塩川豊子夫妻の保育哲学《大地保育》を大切に継承して、日々質の高い保育に取り組んでいます。    

 

以下のスナップ写真は、 2021(令和3)年12月4日に行われた大中里こども園の発表会の写真です。

 

 

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【大中里こども園 令和3年度 京極桃子園長のお話】

(写真:京極桃子園長)

 

 

 

「はっぴょうかい」その言葉を聞いただけで子どもたちの目が輝きます。劇ごっこ

の楽しさを知っているからでしょう。舞台に立ち、お家の方に見てもらうことも頭に

浮かぶのでしょう。大中里こども園では生活発表会といって、普段の園での日常生活

の中で行われているわらべうたや表現遊びの中から、またそこから話を膨らませて発

表会をしています。

 

 

 

 

 

 わらべうたは0歳児の時から大好きな大人の優しい声で歌ってもらい、心地よかっ

たり楽しかったり身近にあります。わらべうたを歌うと泣き止むのはそのためでしょ

うか。年齢が上がるとわらべうたを自分たちで歌って遊ぶようになります。そこには

ルールがあり、友達関係もあります。

 


 

 劇ごっこは子どもの遊びを見ているとその断片があちこちにあるように思います。

笑って、歌って、踊って、泣いて、怒って・・・走って、ジャンプして・・・どれも日常の

子どもの姿。いろんな表現をしています。幼児になると物語の中に入って空想が広

がっていきます。

 

 

 

 しかし、昨年今年と新型コロナウィルス感染症と言う今まで経験したことのない病

気の広まりから、行動の制限がありマスクをすることが当たり前になりました。マス

クをして話しかけたり笑っても、それが自分に向いているのかわからないことがあり

ます。表情豊かに表現豊かに育てる子育てにはどうなのだろうと思ったりしていま

す。

 

 

 

 そんな毎日ですがコロナ感染対策をしながら、園にいる間はなるべく子どもらしい

生活をさせてあげたいと言う願を私たちは持ち、子どもたちの創造性や発想や想像力

を大切にしながらその年齢に応じた働きかけや見守りをし、共に楽しみに感動を感じ

て過ごそうと思って過ごしてきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《 0歳児 ひかりぐみ・・・親子のわらべうた=「イチリ」「ももや」》
 

 

 

《 1歳児 ほしぐみ・・・親子のわらべうた=「上から下から」》