第76話:質を高める芸術化する生活を!
―「個性尊重」「十人十色」の承認社会を創ろう―
『芸術化する生活』がなぜ良いのか説明します。
言い換えるならば、
『物事を芸術化すること』がなぜ良いのかです。
さらに言い換えるならば、
『あなたの仕事を芸術にまで昇華する研鑽』が、
なぜあなたの生き方の質を高め、精神保健に良く、
結果としてあなたを幸せにするのかお話しします。
①1例目を挙げると自由画です。
芸術は1人称ですから「個性が尊重」されます。
出来栄えは「十人十色」で良いのです。
すべての人の自由画は承認されるわけです。
一人ひとりが自己実現します。
一人ひとりの承認欲求が満たされます。
その結果、情緒は安定します。
従って、
情緒安定の源『ハッピー』が生まれるです。
人は感情の動物です。
だから何より『情緒安定=ハッピー』が精神保健に役立つのです。
② 2例目を挙げると陶芸です。
個性的で良いのです。
誰の作品も どんな作品も 受容されます。
オンリーワンの世界です。
数学や徒歩競争では1番2番が決まります。
ナンバーワンの世界です。
「勝ち組」と「負け組」が必ず出ます。
能力主義の実社会は相対評価です。
今日のお金社会では「人の価値は給料の格差」で決まります。
芸術だけが個性的で良いので心の平安が確保されます。
『芸術化する生活』を実現して幸福になりましょう。
芸術は絶対評価だから誰でも幸福になれるのです。
幸福になるということは、
『魂に響く美しさの質=芸術化』を考えることなのです。
③ ところで質を考えるってどういうことでしょう。
生活の質って何でしょうか?
教育の質って何でしょうか?
保育の質って何でしょうか?
夫婦の質って何でしょうか?
家族の質って何でしょうか?
会社の質って何でしょうか?
地域社会の質って何でしょうか?
国家の質って何でしょうか?
答えは、
それぞれを「芸術作品」にまで高める努力をすることです。
それぞれに「魂に響く美しさの質」が育っているか?
ということです。
④私は俳句をやってます。
なぜか? わかりますか。
俳句は「個性」で詠みます。
俳句は「十人十色」で良いのです。
大切な質は「真理を詠む」ことです。
自分を喜ばせる「真理を詠む」ことです。
同時に、
人を喜ばせる「真理を詠む」ことです。
俳句は人の生き方の「真理を詠むもの」と私は思っています。
退任特別最終講義のむすびにあたって、
『じゅっぺちゃんの俳句“春の若葉と端午”を詠む』
をご披露いたしましょう。
子らはしゃぐ若葉若葉の宮参り
孫これぬコロナの庭に初蝶々
あの頃の夢なつかしく春の風
お茶ですよ恋した頃の柿若葉
湯に遊ぶ端午の節句老いてなお
(俳句について参考までに、「第69話:俳句」を読んでいただけると幸いです。)
⑤退任特別最終講義の様子
【写真1】を見てください。
最終の学びを共にした学生さんたちに、
『何事にも! 魂に響く美しい真実を求めて学び続けてください』
と別れのご挨拶をしている じゅっぺちゃんです。
【写真2】を見てください。
今は本校の看護教師をしている懐かしい教え子さんから
謝辞をいただいている じゅっぺちゃんです。
【写真3】を見てください。
退任特別最終講義を終えて、
たった今まで受講してくださっていた皆さんと
じゅっぺちゃんと 最後の記念写真です。
【写真4・5】を見てください。
通算すると教員生活52年間。
富士市立看護専門学校の創立初年度より29年間を終えて。
自宅玄関前でほっとしているじゅっぺちゃんです。
感無量で見ている《いただいた花束》です。
【写真6~13】を見てください。
じゅっぺちゃんの原点。放送大学の教科書に使われたフイルムです。
30代半ばのじゅっぺちゃんをご覧ください。
退任特別最終講義では45分間放映。
主な場面を取り出しましたのでごゆっくりご覧ください。
《解説》
〇恩師平井信義先生は医学博士で小児精神医学・児童学の大家です。
お茶の水大学教授から移って、大妻女子大学教授のころです。
平井先生からは哲学と自由教育の真理を学びました。
〇大地保育の創始者で野中保育園園長の塩川豊子は、
私の母であり、同時に保育・幼児教育の師匠です。
私はこの頃、
淑徳大学助教授で塩川豊子の大地保育の理論と実践を、
学問として普遍化・理論化する事を使命としていました。
〇日本保育学会において50年間継続して、
保育環境論①~㊿を研究発表し、今日に至っています。
〇研究成果としての主な著書
・単著:大地保育環境論(フレーベル館)《こども環境学会 論文賞受賞》
・単著:名のない遊び(フレーベル館)電子書籍も有り。
・単著:どろんこ保育(フレーベル館)電子書籍も有り。
・共著:コーナーのないコーナーの保育(フレーベル館)電子書籍も有り。
・共著:子どもと親がゆきたくなる園(すばる舎)電子書籍も有り。
・共著:子どもを伸ばす保育環境(第一法規)
等があります。