第83話:残暑お見舞い申し上げます

—大地なる稲穂の中の保育園—

 

               

残暑お見舞い申し上げます。  

 

秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行 (古今集)

 

大地なる稲穂の中の保育園 じゅっぺちゃん

 

塩川本家の田んぼが父と母の手によって、

昭和28年(1953年)に保育園になりました。

昭和21年に満州から引き揚げてきて家族揃って百姓になり。

稲穂がなびきお米を収穫していた田んぼは、

お米に代わって乳幼児さんたちが巣立ちました。

 

今年は法人柿ノ木会「野中こども園創立70年目」

「大中里こども園創立17年目」です。

創立以来、野中こども園と大中里こども園を合わせて

約4,000名の園児が元気に育ちました。

大自然の中で「遊び と 生活」を通して自由にのびのび育てる大地保育。

そんな大地保育を私は誇りに思います。

 

初代理事長塩川豊子の著書『私の大地保育』は

社会福祉法人柿ノ木会の保育原理です。

 

《  大地保育とは、太陽・水・どろんこ・草・木・兎・犬・猫・鶏・山羊・豚などの動物や、

花畑・野菜畑などの自然環境と関わる体験学習を重視し、

大地を土台に展開される自由保育(=子ども主体の保育)の総称です。

塩川豊子(1915〜1999)は、

1953年に開園した野中保育園(静岡県富士宮市野中)の

保育実践を理論化して、

 

『汲みつくすことのできない宝庫である大自然に挑む中で、

子どもたちが育てられていく保育』と定義しました。

 

同地方の農村文化の豊かさとモラルの高さ、

第一次産業の重要さと,

親の後ろ姿を見て育つ大切さを保育に取り入れました。

 

理論的には「受容と精神解放の理論(ASニイル)」と,

「体験学習の理論(Johnデユーイ)」を基礎に、

のびのびとした『遊びと生活』の保育環境を保障しました。

 

大地に向かって自発的に挑戦する大地保育を通して、

自ら主体的に個性と能力を引き出していく、

「子育ち保育(=子ども自らの育ち)」と,

「子育て保育(大人が責任を持つ子育て)」です。

 

デジタル化社会におけるITC教育やAI教育の基礎となる、

保育・幼児教育で将来一層重要となる基礎的体験学習は、

『遊び と生活 による 大地保育』です。 》

 

父塩川寿介と母豊子と共に私たちが築き上げた

大地保育が末永く栄えることを強く祈願し。

 

一句 詠いました 『大地なる稲穂の中の保育園』 じゅっぺちゃん

 

じゅっぺちゃんの保育の心: 

 

自由は放縦では無い! 自由は責任を伴う!

子どもを大切にすると言う事は人間としてであって、

乳幼児時代の人格である発達過程を最重視し、

私たちの“大地保育”は大人も一緒に童心人となって、

《子どもの独立国を創造する》ということではないかと思います。


* いつでも

** どこでも 

*** いつまでも 

 

 ◎ 子ども心を忘れずに!!!