第214話  じゅっぺじいじい今季の俳句

―夏休み・大地・遊び・自由・社会を詠う―

 

 

トンボ追い児らは飛び跳ね青い空 

「句意」

住宅街から離れた自宅の野中あたりにはまだ小川があり、

ヤゴが住み、シオカラトンボやギンヤンマが悠々と舞います。

子どもたちがトンボ採りの網を持って狂ったように、

元気に飛び跳ねますが簡単にはトンボは網に入ってくれません。

青い空の下で飽きることなくトンボを追い続ける

夏休みの子らの姿を詠いました。

追伸: 

草むらや水たまりの多い野中には蚊がたくさんいます。

トンボの好物は蚊で、トンボと蚊は空中戦をしています。

子どもたちが一生懸命追いかけているトンボは、

トンボで、お食事中で忙しいのです。

簡単に捕まるわけにはいきませんネ!

 

 

わら帽子二人汗して草むしる 

「句意」

今年は特に暑い夏です。

異常ですね。

暑いので外に出たくはありませんが、

キュウリ5本も ナス5本 ゴウヤ5本は雑草に埋もれてしまいます。

一人は草取り嫌だから。

二人で雑草に太陽に立ち向かいます。

雑草が伸びるのは 早いこと 早いこと 待ってくれません。

わら帽子をかぶって暑いのは覚悟して妻と草取りします。

 

 

目をさらに流しそうめん箸走る 

「句意」

地域の夏祭りで流しそうめんをしました。

お父さんたちは早朝から山に竹を取りに行きました。

子どもたちに孟宗竹を割くところから見せてくれて。

その孟宗竹を割いて水路を作ってくれました。

ついに流しそうめんの水路が完成しました。

ずっと見ていた子どもたちは待ちきれません。

お母さんたちがそうめんを1番上の水路から流します。

目を皿にして待っていた子どもたちは一斉に箸を走らせます。

美味しくて 楽しい流しそうめんでした。

 

 

へび投げたあれは冗談夏休み 

「句意」

私たちの時代には夏休みには子どもたちで群れて遊びました。

男の子も女の子も近所の子は仲良く群れて遊ぶのです。

小学校6年生の時、群れ中に好きな女の子がいました。

好きだと言えないからへびを投げました。

あの頃、ヤマカガシは毒蛇ではないということでした。

最近、毒蛇に指定されました。

あの頃は、そんなことは少しも知りません。

あそこにも ここにも 出てくる 馴染みのヘビでしたから。

捕まえてヘビの頭をしっかり捕まえて首に巻いたり。

嚙まれないくらいの速さで尻尾を持ってグルグル回しました。

じゅっぺじいじはへびは平気でしたから捕まえて、

好きな子に冗談ぽくその子に当たらないように投げました。

6年生ともなれば ウララ ウララ と恋の芽生える夏休みです。

特に女の子のほうが グラ グラ とオマセです。

思いを知っててか「バーカ!」とニヤッと笑ってくれました。

その後、たまにですが手を繋ぐこともありました。

12 歳の時のですから、それから実に73年の歳月が流れました。

それでも「バーカ!」という声と。

「ニヤッと送ってくれた笑顔」は。

脳裏のスクリーンに鮮やかに映し出されます。

 

 

一振りで白球消えたり炎天下

「句意」

高等学校野球の地区予選が始まりました。

炎天下の試合です。

カァーン一振りホームランです。

白球はどこかに消えてしまいました。

実景の句です。

一瞬のスピード感を詠いました。

 

 

暑い夏それぞれの国ウクライナ 

「句意」

ロシアの一方的な侵略に始まるウクライナ戦争も長引いて。

支援疲れと言ってそれぞれの国の足並みが乱れてきています。

プーチンの武力による侵略は許されない。

プーチンの核を使うと脅しは許されない。

この原理原則は 変わらない 譲れない 普遍です。

だから結論は「ロシアに勝たせてはいけない」です。

この句はロシアに対抗するそれぞれの国の足並みの乱れを

心配している俳句です。