オッペンハイマー(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

オッペンハイマー(ネタバレ)

オッペンハイマー

 
 
原題:Oppenheimer
2023/アメリカ 上映時間180分

監督・製作・脚本:クリストファー・ノーラン

製作:エマ・トーマス、チャールズ・ローベン

製作総指揮:J・デビッド・ワーゴ、ジェームズ・ウッズ、トーマス・ヘイスリップ

原作:カイ・バード、マーティン・J・シャーウィン

撮影:ホイテ・バン・ホイテマ

美術:ルース・デ・ヨンク

衣装:エレン・マイロニック

編集:ジェニファー・レイム

音楽:ルドウィグ・ゴランソン

視覚効果監修:アンドリュー・ジャクソン

出演:キリアン・マーフィ、エミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr、フローレンス・ピュー、ジョシュ・ハートネット、ケイシー・アフレック、ラミ・マレック、ケネス・ブラナー、ディラン・アーノルド、デビッド・クラムホルツ、マシュー・モディーン、ジェファーソン・ホール、ベニー・サフディ、デビッド・ダストマルチャン、トム・コンティ、グスタフ・スカルスガルド、マイケル・アンガラノ、デイン・デハーン、オールデン・エアエンライク、ジェイソン・クラーク、ゲイリー・オールドマン

パンフレット:★★★★(1200円/大変助かる用語解説に充実したコラムとインタビュー。本作が好きな人にはオススメだけど、ちょっと高い…)

(あらすじ)
第2次世界大戦中、才能にあふれた物理学者のロバート・オッペンハイマーは、核開発を急ぐ米政府のマンハッタン計画において、原爆開発プロジェクトの委員長に任命される。しかし、実験で原爆の威力を目の当たりにし、さらにはそれが実戦で投下され、恐るべき大量破壊兵器を生み出したことに衝撃を受けたオッペンハイマーは、戦後、さらなる威力をもった水素爆弾の開発に反対するようになるが……。(以上、映画.comより)


予告編はこんな感じ↓

 

 

 

80点

 

 

このブログは「映画レビュー」というよりは「自分の備忘録」なので、驚くほどどうでも良いことから書きますと。「オッペンハイマー」という言葉を耳にしてから、「そんなギャグ、なかったっけ?(・ε・)」という疑問がなんとなく頭を離れなくて。確か「オッペンハイマー、オッペンハイマー」って芸人さんが連呼するような感じ。とはいえ、妻に聞いても、「はぁ?川 ゚д゚) ナニイッテンノ?」って反応だし、熱心に突き止めたいワケじゃないし、でもやっぱり気になるなぁ…なんてアンニュイなムードで過ごしていた春の日の朝、「あさイチ」に大沢あかねさんが出演されているのを見て、記憶がよみがえりました。「ベッケンバウアー」じゃねぇか!Σ(゚д゚;)
 

 

4月10日に放送された「あさイチ」だったのです。

 

こんな記事がありました。ベッケンバウアー、今年亡くなってたんですな…。

 

 

閑話休題。本作につきましては、クリストファー・ノーラン監督作は「メメント」以降はほぼ劇場で観ているし、敬愛する宇多丸師匠も「アトロク・ブック・クラブ」の「宇多丸分室」で褒めていたし、「ポニーキャニオン映画部」「アカデミー賞振り返り座談会」に出演させていただいた時にあんこさんも絶賛されていたし、何よりもアカデミー賞を受賞しまくったしと、観る理由まみれでしてね(微笑)面白みのないデザインのムビチケを買って、私なりに楽しみにしていたのです。で、劇場公開された3月29日(金)、CINEMA Chupki TABATA「アリラン・ラプソディ」を観てから川崎に移動して、109シネマズ川崎のIMAXで鑑賞いたしました。暗澹たる気持ちになりましたよ… (´Д`;) ウーン

 

 

109シネマズはフードが充実しているので、つい散財しちゃいました…。

 

 

なんとなく、私が出演させていただいた「ポニーキャニオン映画部」のリンクを貼っておきますね。良い思い出ッ!

 

 

まず、あらすじを超雑に書きますと。「オッペンハイマーったら物理学が大好きなので、研究者となって愛人とセックスしながらも率先して原爆を作ったりしてみたものの、アメリカが日本に落としてみたら恐ろしいことになったので、核兵器に反対するようになったら、ルイス・ストローズに仕掛けられた赤狩りでつるし上げられて大変だったけど、最終的には名誉が回復されました (・∀・)」ってな感じ。それをオッペンハイマー視点はカラー、彼を憎むストローズ視点はモノクロで表現しつつ、時系列をシャッフルしてふっくら焚き上げていて。最後は、アインシュタインと「(大気に引火はしなかったけど、核兵器が世界中に拡散されることになったから)世界は破壊されちゃったね… (´・ω・)(・ω・`) ネー」なんて話した時のことが映り(この直後、ストローズはアインシュタインにシカトされ、「オッペンハイマーが私の悪口を言ったせいだ!ヽ(`Д´)ノ」と勘違いする)、世界中で核兵器が発射されるビジョンが描かれて、映画は終わってた気がします(うろ覚え)

 

 

映画はこんな感じで始まり、こんな感じで終わります。

 

 

さすがはノーラン監督作ですよ、本作についてのしっかりした考察やらレビューやらはネット中に溢れているので、適当にチェックしてみてくださいな(手抜き)。私的に感想をザックリ書いておくと、Twitterの裏アカでつぶやいた通り、今まで培ったスキルや人脈をすべて注ぎ込んで「獲りにきた」という印象(アカデミー賞というよりも「映画監督として一段上の評価」を)。特に感心したのが時系列のいじり方&見せ方で、正直、あれがなかったら「スペクタル感はあるけど、なかなか退屈な伝記映画」になってたのでは。というか、何よりも最後に「核兵器の恐怖」を思いっきり打ち出したかったから、ああいう作りにしたんでしょうなー。そりゃあ映像も迫力があったけど、その手法と編集に感心しましたよ。

 

 

なんとなくノーラン監督のインタビュー動画を貼っておきますね。

 

 

 

ちなみに、結構グッと来たのは、キリアン・マーフィが主演だったこと。なんて言うんですかね、今までいろいろなノーラン作品に出ててたから、「ミューズとまではいかないけど、気が合うんでしょうな」ぐらいに思ってましたが、とうとう主演とは… (ノω・、) ヨカッタネー 実際、オッペンハイマーとしての演技は本当に素晴らしかったし、パンフのインタビューでもうれしそうで良かった。つーか、本作は有名な役者さんたちがチョイ役で出まくってるのを全然知らなかったので、結構ビックリしましたねぇ。

 

ただ、ちょっと乗れなかった部分を書くと、広島と長崎に原爆を落とした後の被害状況は描いてほしかったです。前に何かで「オッペンハイマーが直接目撃してないシーンは描かれていない」みたいな話を聞いた気がするんですが、映画を観たら別に「直接目撃してないシーン」でも普通に描かれてたし、そもそも原爆については「記録映像を見るシーン」があるんだし、別に主題はブレないでしょうよ。スパイク・リー監督だったら、エンドクレジットとかで流したんじゃないかなぁ。まぁ、オッペンハイマーが消し炭状態になった子どもを踏んでしまうシーンはおぞましくて見事だったけれども。

 

というのは、アメリカ人って直接的な被害描写を見ないと核兵器の恐ろしさがわからないんじゃないかと。所詮は「大きい爆弾」程度の認識しか残らないんじゃないかと思うのです。本作で恐ろしかったのが、「原爆投下を喜ぶスタッフたちのシーン」でしてね。あの感激する人たちの表情を見て、もし私が「当時のアメリカの一般市民」だったら、「日本が攻めてきた→我が国が開発した破壊力のある爆弾のおかげで戦争が終わった」という、あまりに甘美で強烈な「正義のストーリー」に絶対乗っちゃうし、乗り続けちゃうんだろうなと。その認識を変えるのは不可能に近い気がして、鑑賞後は暗澹たる気持ちになったんですが、それから宇多丸師匠が「宇多丸分室」で勧めていた「なぜ原爆が悪ではないのか アメリカの核意識」を読んだら、放射能の被害を隠すアメリカの酷さが凄まじすぎて(そもそも実験場から立ち退かされた先住民とかもいたワケだし)さらにゲッソリした気持ちになった次第。

 

 

というわけで、「宇多丸分室」の第8回「映画「オッペンハイマー」に備えて読んでおきたい参考図書」を聴いてみてッ!

 

 

何はともあれ、本作を観て、自分が「ノーラン監督作に何を求めているか」がよーくわかりました。そりゃあ「オッペンハイマー」は良い映画だし、「アカデミー賞受賞、おめでとう」とは思うけれど、私は基本的に彼の「え、なにそれ!? Σ(゚д゚;)」って思わされる作品の方が全然好きというか。「なにその夢の世界!?」とか「なにその宇宙観!?」とか「なにその回文!?」とか、私にはまったく想像もつかない発想&それを映像化する手腕に惹かれているのです。次回作はなんと「プリズナーNo.6」のリメイクだそうですが超期待しております!ヘ(゚∀゚*)ノ タノシミ!
 

 

なんとなく「インターステラー」のTARSを貼っておきますね。これを実写でやるってすごいですな。

 

 

おしまい。

 

 

 

 

原作のノンフィクション。読んだ方が良いんでしょうけど、長いし…。

 

 

デジタル版のサントラでございます。

 

 

5月に発売される本作のアートブック。

 

 

近作のノーラン監督作で一番好きなのは、これですかね。私の感想はこんな感じ。

 

 

宇多丸師匠がオススメしてたので読んでみた本。とてもタメになりました。