「311」

毎年、あの日を振り返る日

になりました。それはきっと10年前

日本に暮らしていた人にとってとても

大きな意識を変えるキッカケになった

大切な1日。



きっと多くの方が命の尊さや

人生をどう生きるかに深く向き合う

ようになられたのではないかと

思います。私は当時、田園調布の

花屋さんに勤めていました。とても

天気の良い春らしい1日でした。



14時46分

私は、切り花のストックを取りに

お花の倉庫に1人で入ってました。

あの揺れを忘れることはできません。

壊れてドアが開かなくなったら大変

なので、花束を胸に抱えしゃがんで、

ドアを少しだけ開けて揺れが

おさまるまで待ちました。

しゃがんでいるときに、まるで波の上の

板に乗っているような感覚を足の裏は

感じていました。ちゃぽちゃぽ聞こえ

そうな不思議な感覚でした。

揺れは、通勤特急以上のもので、

夢か現実かと思うくらいに凄い

体験でした。







揺れがおさまってから直ぐに店内に

入ると誰もいなくて、お客様もスタッフ

も皆が外に出ていました。




店内はグチャグチャです。

2階の花瓶や鉢物が沢山破損しました。

私1人、ストッカー(お花の倉庫)に

いたのがちょっぴり恥ずかしかったので

すが、よーく考えると、この辺りで1番

安全な場所はストッカーでした。

電信柱や壁が倒れてきても、

怪我をすることはない。

そのとき、

あぁ私は守っていただいてるんだぁ~

と感謝の気持ちでいっぱいになり、

誰かのお役にたてる私で

いたいと強く思いました。



その日は余震もあり、早めに仕事を

上がるように指示があり、田園調布

から自宅まで一時間半歩きました。

電車もバスもダメだからたくさんの人

黙々と歩いていたので、気持ちをしっ

かりと持ち歩くことが出来ました。

当時は、ベリーダンスのレッスンに

週2回通っていたので、歩ける自信が

あったのも自分を支えることに繋がり

ました。身体を作っておくって、

大事なことなんだなぁと

考えさせられた1日でした。




そのあと、物流が滞り、

パンやお米、トイレットペーパー

などの、生活に必要なものが手に入り

にくくなり、パン屋さんで喧嘩を見かけ

こともあります。不便なときってその

人の生き方(本音)がみえますね。



譲り合う心の温かさから

自分の身内だけよければという

寂しさを感じる出来事まで

心が痛くなるような時間もありました





そんな「311」で、

全国から東京の大田花市場には

日本の花が集まりにくくなり、海外の

花が確か日本のお花より並んでいた気が

ます。でも、全然販売するには足らな

て。直ぐに売り切れてしまいます。

福島や岩手、宮城県など沢山の方が

亡くなられて、お供えのお花も

足りなくて、送りたくても贈れない。

花キューピットにしても、お花が

手に入るかわからないから受けれま

せんと断られることもあり、配送も

届けられないことが多くて、



そのとき、

「お花にしか出来ないことがあるんだ



他のものでも、お線香でも、

替えが利かない。

最後の日に思いを伝えるのは

お花だから出来ることなんだと。



花屋でわりと長くお仕事してきました

が、こんな強い明確なお花の存在の

大切さに気づくことが出来たのは、

「311」という特殊な出来事が

起きたからであり、私はより

植物に感謝しながら、生きていきたい

と思うようになりました。





3月、1年の中でもお花が集まる

季節に起きてしまったあの日。

春だったからこそ、植物が強いショック

を受けた私たちの心を癒してくれました

自然は私達をいろんなカタチで支えて

くれています。道行く雑草でさえ

愛しく思えてきます照れクローバー




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