日本テレビ系にて、現在放送中のドラマ『愛してたって、秘密はある。』は、父親を殺害したという秘密を抱えた主人公・奥森黎(福士蒼汰)が、恋人との結婚を目前にして、秘密を知る何者かに追い詰められていく自問自答ラブミステリー。

 

そんな緊張感のある物語の中で、唯一ドラマを和ませてくれる超単純な若手刑事・井上大吾役を演じているのが俳優の佐伯大地。役柄同様に、笑顔がチャーミングで愛されキャラである佐伯に、撮影現場でのこと、6年ぶりの共演となった福士蒼汰の印象、そして今後の目標について話を聞いてきた。

 

 

■福士蒼汰は「僕にないものを持っている」

 

ーー佐伯さんは、シリアスなドラマを和ませてくれるようなキャラクター・井上大吾役を演じていらっしゃいますが、ご自身では井上刑事をどういった人物だと捉えて演じていますか?

 

佐伯:刑事という仕事に憧れを持ち、純粋に楽しんでいるんだろうなと思って演じています。出世することを目指して真面目に、一生懸命に捜査に取り組んでいて、事件が起きると「事件っすか!」と少し喜んだ感じで。まぁ、少しずれていることが多いんですけど(笑)。

僕自身も久しぶりの連続ドラマで、現場にいくことがとても楽しみだったので、井上刑事の気持ちとリンクする部分がありました。

 

 

ーー佐伯さん自身が井上刑事と似ているところがあったのですね。

 

佐伯:おバカなことをやって、突っ込まれるというところも似ているなって思います。演じていても「あれ?いつももこんな感じだな」と違和感がなかったですね(笑)。

 

 

ーーあまり役作りの必要がなさそうですが(笑)、意識していることはありますか?

 

佐伯:役作りとしては、ドラマの本筋みたいな部分をあまり考えないようにしています。この人が犯人なんじゃないか?とか。僕たちもまだ結末を知らないので、楽屋ではみんなで犯人を予想したりしていたんですよ。鈴木保奈美さんも、3~4話の撮影をしているときに「私、怪しすぎない?こんなに怪しいことある?」とご自身で言っていたり(笑)。

 

 

ーーその中で、佐伯さんはあえて犯人を詮索せずにいると。

 

佐伯:僕はそこでも笑って、「誰なんすかね?」という感じです(笑)。井上刑事は「お前には分からないよな~」って言われるようなキャラクターなので、普段からそういった雰囲気を心がけていますね。

 

(c)日本テレビ

 

ーーそのおかげもあってか、井上刑事の登場シーンはシリアスなドラマの中で唯一、クスッと笑える安心できるシーンに仕上がっていますね。

 

佐伯:最初に顔合わせをしたときに、監督にも刑事のシーンは、真相を突き詰めていく一ノ瀬刑事(矢柴俊博)と、おバカで真っ直ぐな井上刑事の凸凹コンビで、ドラマ全体の箸休めのような役割を担ってほしいと言われたんです。視聴者の方からも「ほっこりする」「癒しになる」って言っていただけているみたいなので、ありがたいなって思います。

 

 

ーー一ノ瀬刑事役の矢柴さんとは、2人の空気感をだすために話し合ったりしましたか?

 

佐伯:撮影初日に矢柴さんが「飲みに行こうよ」と誘ってくださって、2人で焼き鳥を食べました。いまも本番前には、僕が矢柴さんの楽屋にお邪魔して、「ここはこうしよう」と話し合ったりしています。

 

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ーー仲良しなのですね。佐伯さんも意見を言ったりするのですか?

 

佐伯:僕も何パターンか考えていき、僕からも提案するようにしています。でも、最近は先輩方が作ってくださる自然な流れに乗ってやらせてもらう方が自然に見えるのかなと思って、身を委ねてしまっています。本筋を作ってくださるのは一ノ瀬刑事なので、そこに振り回されるイメージというか。

 

 

ーー話を重ねるごとに、井上刑事としての立ち位置が分かってきたということでしょうか?

 

そうですね。実際に矢柴さんや福士くん(福士蒼汰)、鈴木保奈美さんとお芝居をさせていただくことで、キャラクターへの理解が深まってきて、どんどん演じることが楽しくなってきています。1話の台本にはなかった「ツッコミを入れる」といったト書きが2話、3話の台本から書かれていたのは、特に嬉しかったです。

 

(c)日本テレビ

 

ーー主演の福士蒼汰さんとは、2度目の共演ですね。

 

佐伯:『美咲ナンバーワン!!』(2011年)というドラマ以来、6年ぶりの共演です。学園ものだったので、周りはみんなわりとガツガツしていたんですけど(笑)、福士くんはその中でも物静かというか。僕は大人しい子に話しかけてしまうタイプなので、当時からけっこう話していました。

 

 

ーー本作で、再共演をしてみていかがでしたか?

 

佐伯:飛ぶ鳥を落とす勢いで売れてしまったので、僕のことなんて覚えてないよなぁと思っていたんです。でも、きちんと覚えていてくれて…今も、昔と変わらず、真面目で誠実な方なんです。1つ1つの仕事に真摯に向き合っているからこそ今の福士くんがあるんだろうなと改めて思いました。僕に足りてないものをたくさん持っている方なので、このタイミングで福士くんとまた共演できて、良かったなと思います。

 

 

■あの時、舞台を経験していなかったら…

 

ーー久しぶりのドラマ出演を通して、新たな課題は見えてきましたか?

 

佐伯:たくさんあります。今回は、昔からお世話になっているプロデューサーさんだったので、成長したところを見せなきゃ!というプレッシャーもあって、現場に入るときからめちゃくちゃ緊張してしまいました。でも、それは本当にダメなことなんですよね…。矢柴さんにも言われたんですけど、緊張していたり、意識している段階だと、それは面白くみえないし、可愛らしくも見えないし、魅力が出ない。力を出すためには、とにかく慣れるしかないよって。

 

 

ーーそのために心がけていることはありますか?

 

佐伯:準備は念入りにするようにしています。出演する1シーンのためにどれだけやれるか、ということが大事だなと思っていて。もうちょっと詳しく描かれたとしたら、このシーンの前にはどんなことがあるのかな?とか、セリフの前後にはどういうことを言っているのかな?とか。背景を想像して、想像して…膨らませたうえで、演じるようにしています。

 

 

ーーご自身で放送を見て、反省したりも?

 

佐伯:めっちゃします(笑)!この前も、本当にダメだなって思いながら見ていました…。

 

 

ーー井上刑事の笑顔はリラックスしているようにも見えますが、佐伯さん的にはダメなのですか(笑)?

 

佐伯:全然ダメですよ。マネージャーさんにも言われますし(笑)。(横のマネージャーを見ながら)

だけど、その中からも、前よりも良くなっている部分や、上手くなったなという部分を探して、拾って、なんでそう見えるようになったか?と考えるようにしています。昔はダメだな~とばかり思っていたんですけど、自分の良いところや慣れてきたところも見てあげないと、前には進めないのかなって。う~ん…なんでこんなに難しいのってくらい難しいです、お芝居って。

 

 

ーーやっぱり舞台と映像だと違いますか?

 

佐伯:全く違いますね。舞台は自分の感情の幅を広げる、持っているものを増やす場所で、映像はそれを自由に引き出せるようにする場所なのかなって思います。僕の場合は。

 

 

ーーどういうことでしょう?

 

佐伯:舞台は、2時間ずーっと続けて演じるじゃないですか。お芝居ではあるんですけど、始まる前と、終わったあとでは、リアルタイムで2時間という時間が過ぎているので、そこにリアリティが生まれやすいというか…。特に僕は、そこで汗水垂らして、叫んで…という方が感情も入りやすいんです。でも、映像だと撮影する順番がバラバラなのが当たり前なので、感情の引き出し方が難しいですね。

 

 

ーー舞台は舞台で、間違えたら取り返しがつかない!というプレッシャーがあるように感じますが…。

 

佐伯:舞台はその逆なような気がします。映像は噛んでしまったらNGになりますけど、舞台はいくら噛んでも物語はどんどん進む。もちろんミスをしてはいけないけど、誰かがミスをしてしまったことによって、他の人がアドリブでカバーしたり…結果的にもっと良いものになったりもするんです。それは舞台の面白いところだなと思いますね。

 

 

ーーなるほど。それぞれに難しさや面白さがあるのですね。ちなみに、佐伯さんが舞台を始めたのは何がきっかけだったのでしょう?

 

佐伯:もうこの仕事をやめようかなと思っていた時期があったんです。でも、マネージャーさんに「決まっている仕事は全部やり遂げてからやめなさい」と言われて、その時に決まっていたのが舞台のお仕事だったんです。

 

 

ーー舞台を経験してみて、何かが変わりましたか?

 

佐伯:その時の演出家の方に指導を受けて、お芝居って楽しいんだなって改めて思えました。熱血で、怒鳴り散らすような、いわゆる演出家のイメージ通りの方だったんですけど、"芝居をしているな"という感覚を持たせていただいて。今まで何をしていたんだろう…と奮い立たせていただきました。

 

 

ーー舞台との出会いは大きかったのですね。

 

佐伯:そうですね。あの時に、舞台をやらせていただいて本当に良かったなと思います。

 

 

■いまの目標は「たくさんの人に知ってもらうこと」

 

 

ーー役者としての、いまの目標を教えてください。

 

佐伯:朝ドラや大河ドラマに出たいですね。いろいろな作品でいろいろな役を経験したいですし、加えて今は、自分をたくさんの人に知っていただいて、認めてもらいたいなというものも大きくて。

 

 

ーー朝ドラや大河ドラマは老若男女、本当に多くの人が見る作品ですもんね。

 

佐伯:老若男女に愛されるような普通の人を演じたいなって思います。

 

 

ーーまさに今回の井上刑事も、愛されキャラですしね(笑)。

 

佐伯:そうなんですよ(笑)。最近、注目しているのは竹内涼真くんです。爽やかで、好青年ですし、絶対愛せずにはいられないじゃないですか。僕は竹内涼真くんの80分の1くらいの爽やかさしか持っていないんですけど…(笑)。

 

 

ーーでは、最後にドラマのタイトル『愛してたって、秘密はある。』にかけて、佐伯さんの秘密を1つ教えてください。

 

佐伯:(しばらく悩んで…)寝ているときに喋ります(笑)。

 

 

ーーどんなことを…(笑)?

 

佐伯:怖い夢をみたときに「そこそこ!そこにいる!」って言ってたり。疲れているときは、自分の寝言で起きることもあるくらい!けっこう寝ながら喋るタイプです(笑)。

 

Photography=Mayuko Yamaguchi
Interview=Ameba

 

 

『愛してたって、秘密はある。』は日本テレビ系にて毎週日曜よる10:30〜放送中。

 

 

 

■佐伯大地オフィシャルブログ

 

 

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