マイナンバー制で脱税は抑止されるか | お金のメモ

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2023/12/3

マイナンバーは脱税の摘発を目的としているか

マイナンバー制度は、社会保険や社会保障関連のみならず、源泉徴収を始めとする納税状況の情報を記録する事で知られています。

その為、一部においては脱税の摘発がより強くなるという噂が囁かれている点は否定できない事実です。

ですが、ここで注意したい点はマイナンバー導入の目的です。

マイナンバーの目的は社会保障関連の事務的手続きの円滑化や、簡素化を主たる目的としています。

公正公平な社会の実現という文言も盛り込まれていますが、こちらは不正の摘発というより、制度の公平な利用を目的としていると解釈すべきであり、決して脱税の摘発を目的としているわけではないと解釈すべきです。

もちろん、昨今の政府関係者の発言等を参照する限り、マイナンバーの実施により脱税の摘発が行われる可能性がないとは言えませんが、実際に巷を騒がせているほどの変化がすぐに起きるとは考え難いと思われます。

脱税に迫る二つのポイント

マイナンバー制度のうち、現在決定されている運用方法の中で脱税に大きく影響しそうな点は銀行口座との関連付けと、扶養家族のナンバー記載事項にあります。

前者の銀行口座との紐付けは平成31年の義務化を予定した制度ですが、金融資産の出納が番号一つで把握する事が可能となりますから、税務署としては当然現在よりも遥かに容易に徴税する事が可能となります。素人志向

また、扶養家族の管理もナンバー記載で処理する事により二重登録や実際に扶養関係にあるとは言えない親族を扶養に入れたりといった行為は行いにくくなると言えます。

ですが、前者について言えば少なくとも当面の間は、関連付けが義務化されているわけではありませんから強制力を有しているわけではありませんし、後者の扶養家族の問題についても、逆に不正利用や名義貸しといった悪質な行為も予測されますから、直ちに徴税に大きな効果を挙げると断言する事はできません。

未だ実施された制度ではありませんから、実際に運用してみない限りどのようになるか断言できる人はいないでしょう。

結局は国の運用次第

結論として、マイナンバーによって直ちに脱税に効果を挙げるとは言えない状況です。

これまで述べた通り、マイナンバーは脱税摘発を目的としてはいませんし、徴税に必要な手間が省かれる程度だと言えます。

既に類似制度の運用を実施している他国を観察する限り、不正利用や名義貸しなど別の問題が発生する事はほぼ確実です。

現在の制度においても、国が採算を度外視して本気で調べようと思えば摘発できるのが脱税ですし、最終的に国や実施機関がどの程度本腰を入れてくるかという、人の問題に集約されると言えます。


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