感情って、みんな、波があります。

一般的には、女性の方が、男性よりも波が大きいですが

個人によって、まちまちです。

 

私はそんな感情の波が、割と大きい方。

それでも、今は以前より、大分穏やかな波になりましたおすましスワン

 

が、昨日、久々に感情が結構下降していたら、

それを垣間見た身近な人に

「それはうつ病のせいなのか?」

と聞かれました。

 

・・・うさぎ

たしかに、私にとっては当たり前のことですが、

うつやトラウマの経験がない人には

こういう感情の波って、よくわからないのかもしれませんキョロキョロ

 

または、今、うつやトラウマの真っただ中にいる人も、

自分の気持ちの下降のカラクリが良くわからずに

出口の見えない

溺れるような息苦しさに

苦しんでいるかもしれません泣くうさぎ

 

 

なので、「その大きめ感情の波は、うつ病のためか?」

という質問に対し、私が昨日、回答&説明したことを、ここでシェアすることにしました。

 

身近にトラウマやうつを抱えた人がいて、彼らの感情の波に戸惑うときや、

自分の心で起こっていることを、よりよく理解したいときに

参考になれば幸いです。

 

※ただ、ここでは分かりやすいように簡略化して説明していることと、

一つの例(私のケース)に基づいた考察で、個人によって異なることをご了承ください。

 

ハートハートハート

 

まず背景として、

私はPTSDが適切に対処されなかったために

長期化して複雑化した、

複雑性PTSDというものを抱えています。

 

それに加え、うつ病の診断もされています。

 

この二つとのお付き合いは結構長く、ざっと20~30年くらい。

うつ病は、出たり引っ込んだりのオン&オフで、

PTSDの方は、気づかなかったけれども、ずっとあったようです。

 

そして、この二つ(トラウマ≒PTSDや複雑性PTSDと、うつ病)は、別のものです。

 

確かに私の場合は、複雑性PTSDがうつ病を引き起こした部分も大きいのですが、

・トラウマや(複雑性)PTSDを持たずにうつ病になる場合もありますし、

・逆に、トラウマや(複雑性)PTSDがあっても、うつ病にならない場合もあります。

 

で、気分の抑揚について、ものすごーく単純化して言うと

・うつ病は気分の抑揚が減る(低いところで停滞する)もやもや

・(複雑性)PTSDは、気分が下がったときに、その下げ幅を大きくする波

 

という感じです。

 

うつ病の気分の低さは、私の場合

・みじめな気分

・息苦しさ

・重苦しさ

・停滞・フリーズしていて、前に進めない

 

というような感覚です。

 

重く沈んだまま、動けない。動く余力もない。

モノクロとか、グレーの世界、

そんな感じ。

 

うつ病の負の気分は、医師に処方された薬(SSRI)を服用し始めてから、かなり軽減しました。

 

 

一方、複雑性PTSDの気分への影響は

 

気持ちの波が下降すると、過去の出来事や、納得できなかったことなどが思い出され、それらの記憶やものごとにまつわる辛い感情が、落ち込みを深く・強くするというものです。

 

私の場合は、

・悲しみ

・くやしさ

・怒り

・やるせなさ

・胸がキューっと締め付けられる

・胸の奥がズーンと痛む

・絶望感

 

などの感覚です。

 

こういった複雑性PTSDに起因する負の感覚は、

うつ病の負の気分の、グレーや白黒のイメージとは違い、もう、ビビッドカラー。

うつ病の、静的なかんじとは打って変わり、とても動的。

 

すごく強い負の感情が、ドラゴンの吹く火のごとく、嵐のごとく、吹き荒れる感じ花火龍波

 

ハートハートハート

 

つまり、誰にでもある感情の波に、トラウマや(複雑性)PTSDが加わると

 

自然な感情の波が、下降に入る

下降した感情から連想される、過去の解決されていない記憶が出てくる

それらの記憶にまつわる負の感情が、さらに湧く

 

というスパイラルを描きながら、自然な感情の波の下降が、深く深くなるのです。

 

・・・なので、身近な人には、昨日まで、もしくはさっきまでハッピーだった私が

急にものすごく悲しくなっていたりするので、

びっくりするみたいです。

 

(Tatiana Vizir)

 

で、そんなときに

大切な人がそんな風になっていたら辛いし、

または自分自身がそうなっていたら、やっぱり辛いしで

 

「負の感情や、感情の波の下降を、とにかく収めたい」

 

と思ってしまうのが人の気持ち。

 

感情の波を収めることが第一優先になって、

・「何がキッカケで感情の波が下降し始めたんだろう?」とか、

・「どうしたらまた、感情の波が上向くのだろう?」

といったことに気を取られてしまいがちです。

 

でも、ハッキリ言って、それは止めた方がいいです。

 

だって、「負の感情や、感情の波の下降」は、

単なる「外にあらわれているもの」で、

心の問題の根本原因ではありません。

 

ハートハートハート

 

「波を引き起こしている根本原因」は、感情が下降した「キッカケ」とは違います。

 

キッカケは、日常生活の、些細なことかもしれません。

 

私だったら

・本を読んでいて、自分の自己批判的な性質に気づき、なぜそうなったのかを考えて、育った環境に目が向いた

・いやな夢を見て、感情的に未解決のことが思い起こされた

・子供が遊んでいるのを見て、過去の出来事を思い出した

 

など。

これらの「きっかけ」は、本当にタダのキッカケにすぎず、ほんとーーーに、どーーーでも良いんです。

 

・本を読むのをやめて

・魔法の薬で夢を見なくなって

・子供が遊んでいるのを見ないようにして

 

そうしたら、その「キッカケ」はなくなって、

その特定のキッカケ経由で、気分の下降が加速することはなくなるかもしれません。

 

・・・でも、ほんっとに、イミないでしょ?!

ぜんっぜん、問題解決になりません。

どうせ心のわだかまりがある限り、色々なルートでそれが浮上してくるのだもの。

 

 

「どうしたら感情の波がまた上向きになってくれるんだろう」

ということを試行錯誤するのも、同じことです。

 

人間は生き物。

波があるのが、基本です。

そもそも、光も音も波で、水分も波打つもので、

そういった波の性質が、生命という現象をも可能にしているのです。

そんな、人間であること、命あるものに基本的な現象に抗うことに、無駄なエネルギーを費やさないでください。

 

ハートハートハート

 

感情の波や、その下降を収めることは対症療法にしかすぎず、本質的な解決にはなりません。

 

対症療法を続けるだけでは

問題の根本は見過ごされたまま。

時間が経つほど苦しむ時間が延び、

複雑化したり、悪化することも多々あります。

 

また、相手の表面的なことだけに目を向け、それだけを何とかしようとしていたら、

「表面だけ収まっていれば、問題の本質、私の心の底の苦しみは、どうでも良いの?」

「あなたの心の平穏のためだけに、私の表面的な気分を変えようとしていない?」

と不信感が募り、信頼関係も崩れてしまいます。

 

それは、対相手でも、対自分でも、同じこと。

 

そういう、その場しのぎの表面的なことに惑わされず、

もっと心の奥の、根本的なことがらに目を向けてください。

 

それが、相手に対しても、自分に対しても、愛

(Anna Konstantinova)

 

心が荒れたり、気持ちが下降したら、それは

「未解決の心の問題が浮上してくるチャンスなのだ」

ということを、理解してください。

 

そんなときにこそ、

いつもは掴みどころのない、心の影の部分も

前面に出てきて、

上層部に浮上して

 

掴みやすく

見やすく

捉えやすくなるのです。

 

だからそんな時には、感情の波は、波打つままにさせてあげて、

その波を引き起こしている、根本の、

心の中の未解決な物事に

目を向けてください。

 

※「心の応急処置」シリーズは、「根本に目を向ける方法」の一端を説明しています。

⇒ 心の失くしもの ①

⇒ 心の失くしもの ②心の応急処置1

⇒ 心の失くしもの ③心の応急処置2

⇒ 心の失くしもの ④心の応急処置3

⇒ 心の失くしもの ⑤心の応急処置4

 

ハートハートハート

 

さて、うつ病とトラウマや(複雑性)PTSDのネガティブ感情の違い、

理解していただけたでしょうか?

 

そして、その痛む心が自分の心であっても、誰か、あなたの大切な人のものであっても、

表面的なその場しのぎに終始せず、

愛と強さを持って、根本を見つめることをしてください。

 

それができたら、日本も、世界も、もっとハッピーになると思うなあ♡地球虹