この記事の続きです。
今日は、以前の私が漠然と抱いていた不安
・医療機関でうつと診断されたら、たくさんの薬を飲まなければいけないの?
について。
結論から言うと、
ぜーんぜん、そんなことはありません。
もちろん、「たくさん」の定義は人によって異なりますが、
基本的に医師と相談しながら、自分で服用の量を決められます。
私ははじめ、医師に10~15mgの服薬を勧められました。
でも、脳の神経系のための薬は初めてで、何となく怖さがあったし、副作用の不安もありました。
それを医師に伝えると、じゃあ5mgからトライしてみるのは?と言われ、
それならあまり抵抗なくできそうだったので、そうすることにしました。
(確か私が服用しているSSRIのエスシタロプラムは、成人の平均使用量が10~15mgくらいだそうです。)
服薬を始めたその日、おそらく数時間後には、もう
「あれ、なんだか気分がラクになった」
と感じられました。
うつになると、気分が低いところで停滞します。
私にとっては、その、体の底にずーっと流れているみじめさ、悲しさ、重さが、少し軽くなった、という感覚でした。
久しぶりの軽やかな感覚。
新鮮でした。
私にとっては、「あまりみじめに感じない」だけで、それはものすごーく貴重なことで、それだけでとってもラクで、生活の質がぐんとアップします。
なので、2・3週間して、医師に「10mg試してみる?」と聞かれたときには、
大きなリスクなしに、更にラクになるなら、素晴らしい!
と思い、試してみることにしました。
するとやはり、気分が更に少しラクになりました。
アルメニア人のお友達と、お気に入りのインド料理へ。彼女も心理学と教育の専門家。そしてADHDの当事者です。診断、投薬治療、日常生活の感覚が普通の人とどのように違うかなど、興味深いお話をたくさんしました♡
そして10mgの服用を始めて1か月たったころ、また、医師に
「15mg試してみる?」
と聞かれました。
うーん・・・。
これは少し、躊躇しました。
・平均摂取量の中でも、やや多めの量?
・私、体は大きい方ではないのに(とくに北欧では、かなり小柄)、そんなに必要?
などの疑問が頭の中をグルグルしたので、
それを全て、医師に聞いてみました。
そしたら、うつになった時は、この位の量を、半年から1年くらい服用するのは基本的だとのこと。
まあそういうことなら、大丈夫そうだから、「試しに」15mg飲んでみようかなーと思い、15mgを試してみることに。
このとき、10から15mgに増やした時は、それほど変化を感じませんでしたが、
「精神科医の進める治療をしてみる」という実験精神で、そのまま15mgを飲み続けて見ました。
そして数か月後、初めて抗うつ薬を飲み始めてから、半年経ったころ、精神科で経過観察の診察がありました。
その時に、数多くの改善されたことを伝え、同時に、まだ疲れやすいことも伝えました。
(医師によると、改善点の多くは、薬だけの効果ではなく、カウンセリングの効果が大きい、とのことでした。)
すると、また、20mgに増やしてみないか?
と言われました。
これもまた、結構迷いました。
・そんなに服薬して、薬を止めるのにうんと時間がかかったり、苦労したりしない?
という疑問と不安が。
その不安を医師に話すと、
止める時は、量を少しずつ減らしながら―例えば、2.5mgずつ減らしながら、減らすたびに2~3か月は経過を見て、大丈夫そうだったら、また減らす・・・としていく。
その時、別に、たくさん飲んでいる方が、止める時に辛くなるということは無い
(もちろん、ゆっくり徐々にやめるので、時間は少しかかるかもしれないけれど)とのことでした。
そして「20mg飲んでみて、変化が無かったら自己判断ですぐに15mgに戻して良いよ」とも言ってくれました。
そんなことを説明しながら、医師の方からも
「気が進まないなら、増やさなくてもいいよ?」
と言ってくれたのですが、
「変化が無かったらすぐに15mgに戻して良い」という言葉に安心したこと。
そして、自分にとって未知なる境地への好奇心もあったので、20mgを「実験」してみることにしました。
実際、20mgを数日飲んでみると、明らかにまた少し気分が軽くなった感覚がありました。
なので、しばらくそのまま、20mgを飲んでみることにしました。
この「実験」のマインドセットが大切だなあと、うつの治療でも、ブログを書くことでも、実感しています。
「実験」だと捉えると、試すことも、止めることも、行動が軽くなって、色々と挑戦できるからです。
「やってみて、なんか違うと思ったら、止めれば良い。」
そのくらいの心構えでいると、今までよりも容易にチャレンジし、自分の世界が広がります♡
もう一つ、すごく大切なのは、
全ての疑問や迷いを医師に伝えること。
そこを、遠慮しない。
そこに、勇気を出す。
医師は私の見方だ、ということを、信頼する。
日本のお医者さんは、もしかしたらもっとトップダウン系で、
「○○出すから飲んでね!」
というような人がいるかもしれません。
でも、インフォームドコンセントは患者の権利。
医者もそれは、十分わかっています。
特に精神医療では、患者の気持ちにセンシティブになれる医師が多いのではないでしょうか。
だから、不安や疑問があったら、とりあえず全て医師に伝えてみると良いと思います。
いざ診察となると、頭が真っ白になっちゃう、という場合は、
事前に疑問や不安をメモして、持っていくと良いでしょう。
いかがでしょうか?
何か少しでも、お役に立てたら幸いです。
感じたこと、思ったことなどありましたら、ぜひコメント欄でお聞かせください♡
次回以降も
・強い薬を飲まなければいけない?
・長期間、薬を飲み続けなければいけない?
・太ったり、便秘になるって、本当?
・ある意味、感情がマヒされると聞いたけど、そうしたらトラウマ(過去の感情的な傷)を癒すプロセスは続けられない?
などの疑問に答えていきます!