うつやトラウマ、グリーフなど、
深刻な心の不調から回復するために利用できるツールには、様々なものがあります。
自分に合う色々なツールを
見つけ、
組み合わせ、
それぞれのツールを適切に、かつ自分に合う使い方をして
自分なりの、いわば「心の回復のためのシステム」のようなものを構築することは、長期的な治療・回復戦略において、大切なことです。
今日は、私の、そのシステム(のようなもの)を例に、それぞれのツールの使い方を解説しながら、「心の回復のためのシステム作り」の一例を紹介します。
こちらが私のシステムを図解したもの。
見辛いですね。ごめんなさい
緑のハートマーク♡が、私。
その左にあるのが、
●行政や職場から得られるサポート
です。私の場合は、うつ病のための療養休暇や、療養手当をもらっています。
私の右側のトップにいるのは
●精神科医
で、精神疾患専門の医師として、
・心の病の診断
・薬の処方
・カウンセリングの推薦
などを行います。
服薬のプラン、カウンセリングの種類や必要な回数の相談などをし、私は精神科医を、治療全体の監督者(スーパーバイザー)、治療プロセス全体のコンサルとしてとらえています。
私の場合、精神科医と会うのは、数か月に一回くらいの頻度です。
そして、精神科医の下に描いたのは
●カウンセラー。
カウンセラーは精神科医よりも頻繁に、より長い時間会い、実際の心理療法を行う人です。
日本の場合、そのタスクも精神科医に任せる、というやり方も可能です。
が、精神科医は一回の診療時間が短いので、じっくり・しっかりした心理療法を受けることは困難になるかもしれません。理想的には、臨床心理士などの資格を持ったカウンセラーを、精神科医と併用するのがおすすめです。
※プロからアマチュアまで、市場にはあらゆるタイプのカウンセラーがいますが、心の病に関しては、しっかりとした資格を持つカウンセラーを選んでください。
カウンセリングでは、心理療法を行うほか、自分でできるテクニック(呼吸法やノートの方法など)を教えてくれたり、本を推薦してくれたりもします。
精神科医やカウンセラーと、治療の主人公である「私」は対等な関係性。
決して、彼らが言う事、全てに従わなくてはいけない訳ではありません。
疑問点は聞いたり、勧められたことが自分の状況に合わなければ、それを説明して他の方法を提案してもらったりと、
私は彼らを、「心を回復させるプロセスにおける、強力なコンサル・専門家として利用する」というスタンスでいます。
行政・職場、精神科医、カウンセラー。こういった心強いパートナーとチームになる一方、
日々の生活では、下記のようなツールを使い、心の理解や回復を進めます。
●心を落ち着けるテクニック
呼吸法、タッピング、フォーカシングなど、カウンセラーに教えてもらったり、本やネットで見つけて学んだものがあります。
心がザワザワした時に、これらのツールを使います。
●本
心理学者による、科学的な根拠に基づいて書かれた本なら安心です。
トラウマ、グリーフ、セルフ・コンパッション、非暴力コミュニケーション(NVC)など、色々な本を読み、日常で実践することで、だんだんと「健やかな心のための理解や習慣」が身に付きました。
●インターネット
しっかり信頼できる情報を選べば、インターネットは情報の宝庫。私は、心理学者や精神科医のYouTubeチャンネルやインタビュー動画を良く見ます。
●友人や家族
時々話を聞いてもらったり、関係性の中から気づきがあったり。
身近な人間関係も、回復の過程において、大切なサポートになり得ます。
●ノート・ジャーナリング
過去の出来事、自分の気持ち。そういったものを、ただ頭の中に思い浮かべるのではなく、実際に紙に「書き出す」こと。
それは、自分の気持ちをより良く知ったり、考えを整理することに役立ちます。
心理学系のウェブサイトでは、ノートを書く(ジャーナリングする)時に有効な書き方・一連の質問などを紹介しているものもあり、それに従って書いてみたこともありました。結構よかったです。
この他にも、心の回復のためのツールやテクニックは、いくつもあることと思います。
自分に合うものを見つけ、やり易いものから試し、最終的に複数のツールを持っておくと、助けになります。
私はこれらのツールの話もカウンセラーにして、時々フィードバックをもらっています。
そして、すごくシンプルだけれど、心の病にとっての超重要事項が、
睡眠・食事・運動。
これ、
心が疲れるとできなくなる→もっと疲弊する
という、負のスパイラルを起こしがちです。
心が深刻な不調をきたしている時は
これらの生活の基本さえもが崩れてしまうのは、しょうがないこと。
自分を責めずに、精神科医やカウンセラーのサポートを得ながら、できるだけ生活の基本を大切にしてください♡
心の病に陥った時、初めは
一体どうしていいかわからない!
と、途方に暮れる思いだと思います。
この記事で説明した例のように、
・自分が使えるツールを見つけ、
・それらの使い方を整理してみてください。
すると、自分なりの「回復のためのシステム」が見えてきます。
そうすると、大きな図をとらえることができて、安心するし、
大きな図をとらえたた上での、行き当たりばったりではない、日々の行動ができます。
もし、何から始めたらいいかわからない!
という場合はご相談に乗りますので、
プロフィール欄を見てご連絡ください。