みなさんこんにちは!久々にレビューのお時間ですよ!!今日レビューするのは"GRAVITY DAZE2    重力的眩暈完結編:上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収斂した選択"です。…長いわ!

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タイトルに何処と無く漂うシュタゲ臭。ちなみに私のタイトルの方には特に意味はありません。
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クリアまでサブクエやチャレンジをかなりやり込んで30〜40時間という所でしょうか。多分50はかかってないです。

タイトルの2というところからわかっていただけると思いますが、前作GRAVITY DAZE(以下GD)からガッツリ続き物。2からプレイするのはオススメ出来ません。今回は1から2への進化の過程を追っていきたいと思います。前作未プレイの方はこちらの…ってとこまで書いて気付きました。私GDのレビューまだ書いてないですね。プラチナトロフィーまで取ってるのですっかり書いた気になってましたテヘペロテヘペロ。

若干自分の海馬だか大脳皮質だかが心配になって来たのはさておき、どうせですからGD未プレイの方にも伝わるように、このシリーズの良さを交えてお話出来ればいいなって。

↑上記公式トレイラーと同程度の微量のネタバレを含みます。トコトンまっさらな状態でプレイしたいこだわり派の方はご注意ください

<オンリーワンの"重力操作">
多分GDについてレビューや感想を書いている人の8割くらいはここから書き始めているでしょう。私も例に倣ってそこに触れて行く形で始めましょうか。

GDの主人公は僕らの重力使いキトゥン。彼女は相棒の黒猫ダスティと共に重力を自由に操れる能力の持ち主。つまり自分の望む方向に落ちる事が出来るんですよ。空に落ちる変態さんなんですね。イェアアアア!↑
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主人公キトゥンちゃん。相棒のリキッド黒猫ダスティ。可愛い。デフォ衣装は改めて見てみるとかなり露出度高め。だがプレイしているとエロいという感想は殆ど出てこない(個人差があります)ただただひたすら可愛い。

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かなりアホの娘寄りで、割と直情径行型。嬉しい事があれば全身で喜び、納得できない事があれば心の底から憤る。ゲーム開始時は「新参者」「余所者」という立ち位置である事と併せて、プレイヤーがスムーズに物語にとっつけるように配慮されているのだろう。要するに可愛い。このゲームのサイドミッションをプレイするモチベの8割は彼女のリアクションが見たいというものでFA。
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ほぼ縦横無尽に駆け巡る事ができる為、GD世界は見た目の何倍も"広い"。これが何よりのオリジナリティでしょう。攻めますねぇ!

高さも面の違いもキトゥンには一切通用しない為、文字通り見える所=行ける所(3次元で)の図式が成立しなければならず、それを実現した開発の気合いには正直ドン引きするレベル。突き詰めればゲーム側に規定された平面の連続である事が多い他のゲームとは根本的に造りが異なっています。デバッグとか超大変だったろうなぁ…オマケにオープンワールドだもんなぁ…

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奇しくもキトゥン本人がゲーム中で述べているのだが、実際は飛んでいるというより"落ちている"の方が正しい。当然落下先に平面が存在していた場合はそこが"地面"となる。壁だろうが天井だろうが屋上だろうが関係なし。
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文字通りあらゆる方向に行けるため、マジで地面がどっちかわからなくなる事が割とよくある。そして長時間プレイしているとたまに酔う。これが…重力的眩暈…?キトゥンさんの三半規管の強靭さは古今東西のゲームキャラの中でもトップクラスなのでは…?
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以前、ミラーズエッジ・カタリスト(前編)のレビューでちょっと触れたのですが、オープンワールドにおいて移動手段は無視できない要素だと思うんです。以下引用。

しかし、徒歩とファストトラベルだけで満たされる時代もまたとっくの昔に終わりました。ファストトラベルは広い世界を手軽に移動できる素晴らしいシステムですが、同時にプレイ時間が増えるほど世界を狭くする危険性もある諸刃の剣です。魅力的なオープンワールドを沢山経験したプレイヤーは新しく出るゲームに新たな移動手段を求めるようになり、ゲームメーカーはそれに呼応するようにオリジナリティ溢れるシステムを次々と世に送り出してきました。

GTA5だったらバイクや車などの現実に存在している乗り物を多数用意してありますし(ちなみに個人的なお気に入りは自転車でした)、ジャストコーズ3ならグラップリングフックとパラシュートスーツにウィングスーツを新たに装備したリコが所狭しと暴れ回っていました。バットマンアーカムナイトではグラップリングとグライドという従来の移動方法に新たにバッドモービルが追加。地上での高速移動と従来の空中機動をシームレスにリンクできるシステムを採用しました。

かように、最早オープンワールドゲーにとって、作り上げられた世界を移動する手段というのは単純な移動方法の枠に収まらず、ゲームの根幹を成す要素になりつつあるのです。〜

この点において重力による移動というのはかなりクールなアンサーですね。かっこよさ、快適さ、実用性全てにおいてマジでベリークール。キャラとの兼ね合いも良く、ストーリー全体の流れと噛み合う。つよい。

また単純に飛ぶだけでなく、重力スライドを使って地面を含む平面を素早く滑る事も出来ます。
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前作に比べ、ブレーキが無くなった代わりに異様に小回りが効く様になった重力スライド。発動時は地面を削っている様な音が聞こえる為、おそらく自身の斜め下に重力を発生させる事により力学的な傾斜を作り出しているんじゃないかなぁ。ちなみに滑っている面と連続している違う面に接するとその面に移行して滑り続ける。かっこいい。
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ワールド全てがシームレスに繋がっている為観光がてら気ままに飛んでいってもいいですし、ワープが出来るマンホールも数カ所に置いてあるので、少し遠いな?という所にはそれを使ってファストトラベルしてもいい。
この重力操作を駆使した移動周りに関しては100点を上げたい。とても良い出来です。


<二つのチューンを活用した重力アクションの拡張>
と、ここまでべた褒めしてきた重力移動ですが基本的に前作をそのまま引き継いであります。2ならではの進化といえばやはりチューンの存在でしょう。

チューンは一言で言うならば変身アイテムキトゥンの能力特性がマルっと変わってしまう驚きのスーパー変身アイテム。もちろんそれに伴い操作感もガラリと変わります。

プレイ前にチューンの存在自体は知っていたのですが、一部アクションが入れ替わる程度かなと勝手に思っていました。大間違いでした。むしろ変わらない所を見つける方が難しいレベルです。


例えばルーナチューンならこんな感じ。フワッフワです。ルーナ(ラテン語で月らしいです)の名前に相応しいフワッフワぶり1/6も伝わらなかったんやな…って。
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例えばルーナチューンを装備した時には体にかかる重力自体が小さくなるので、全ての挙動が変化する。これが面白いんですよ。

新アクションとして×ボタン長押しで垂直に飛び上がり、スティックを入れながら×ボタンを押すとスーパーな水平飛びを見せてはくれるのですが、ぶっちゃけ上に行くだけ、横に飛ぶだけなら今までの能力で十分ですしね。そこにキトゥン自身の重さの変化が加わるからこそクールに動けるんすよ。

ロックマンばりの連続壁蹴りでどデカイビルを駆け上がり、屋上から向かいのビルに水平ダイブ!みたいな事も余裕で出来ちゃいます。どうも垂直跳びは近くの足場への吸い付き判定があるらしく、少々の誤差なら補正してくれる有能ぶりです。水平ダイブも床からだけでなく、壁からも発動出来ますからね。恐らく初期案から調整を繰り返し今の形になったのではないかなと。細かいとこまで行き届いてる。

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また、もう一つのチューンであるユピトールチューン入手後は、アンチューン(要するにノーマル)⇔ルーナ(重力減少)⇔ユピトール(重力増加)を自由に切り替えていけます。連続ワープキック垂直跳び重力波動キックコンボとかカッコいいアレが出来ちゃう。

ただしチューン装備はタッチパッドでの切り替えになってますから、変更したい時は一度右のボタン群か左のスティック群から手を離さなければならないのでチューンチェンジの際には若干のタイムラグを感じます。

これはちょっと惜しいですね。
大半の移動回り(重力発生・滞空、重力方向変換、重力操作終了、重力スライド、回避等々)はR1R2L2L1右スティック左スティック×ボタン、すなわち同時に操作できるボタン配置でスムーズにコントロール出来る様になってるので、チューン切り替えがそこに乗っかれないのは惜しい。実に惜しい。

まぁ既にボタンがうまってるから仕方ないと言えばその通りなんですけど。アプデでモーションセンサーでも切り替えられる様になんないかなぁ。上にガッとあげたらルーナ、バッと下げたらユピトール、ササッと振ったらアンチューンって感じで……

<特色あるエリア>
そんなユニークな移動方法と共にやはりここにも触れておかねばなりません。観光したくなる程バリュエーション豊かな島々もGDの大きな特徴です。特に2において更にエリア毎の特色を強く感じるようになりました。そしてそのエリアがシームレスに繋がってるんですよ。すごくね?

オープンワールドにありがちなのが、どこまで行っても似たような景色という構成。ずっと荒地、ずっと砂漠、ずっと密林etc…まぁ理由はわからんでもないんですわ。気候一つとっても、例えば砂漠エリアから一歩踏み出した途端、唐突に雪がシャンシャンシャンシャン降り出したら誰だって違和感を覚えます。となると、中間に当たる気候を挟んだりエリア毎に区切ったりしないといけなくなって来るんでしょうが、これがまたオープンワールドと相性が良いとはとても思えない。

膨大な広さのエリアを作るのはそれだけでコストがかかる事なのに、そこに加えてバリュエーションを持たせるとなれば更に時間や費用は嵩むでしょう。製作者はマップの味気なさに気付きつつも、他との兼ね合いで止むを得ず切り捨ててきたのでは?まぁ単なる推測なんですが。

GDはそこのところ上手くやってるなと感じます。浮遊している島々を複数配置する形でワールドを構成してある為、ちょっとした移動で景色がガラッと変わっても違和感を覚えない。コスパとバリュエーションと広さを兼ね備えたグレートなアイデアです。つよい。
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<オンライン要素を蘇生したトレジャーハンティングとフォトレビュー>
そんな多様なマップ構成がキラリと光るこのゲーム、とにかく写真、スクショを撮りたくなる。そしてその撮りたい心理、見て回りたい心理を上手く利用した仕掛けが導入されています。

前作まではオンライン要素と言えばタイムアタックやスコアアタックなどの単純な競争に留まっていたので、必然的にマジのガチ勢以外はそこまでオンラインの恩恵を受けることがなく、私みたいな一般ピーポーにとってはあってもなくても一緒でしたね正直。

そんな感じでやや間口の狭かったオンライン要素を見事に拡張したのが新しく追加されたオンライン要素のトレジャーハンティングとフォトレビューです。

トレジャーハンティングはそのままお宝探し。(おそらく)ランダムに配置される宝箱を他のプレイヤーが残した一枚の写真を手掛かりに探すという中々洒落たもの。

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見つかる時はサラッと見つかるのに、見つからない時は30分飛び回っても影すら捉えられない不思議な宝箱。金装飾の施された真っ赤なリンゴのオリジナル宝箱は個人的にRPGっぽくて好きです。ちなみにキトゥンちゃんは蹴りで開けます。

余談ですが、写真を撮る際に個人的に心掛けているのは、宝箱だけではなく
・宝箱の高さを示す情報
・宝箱の位置から見える特徴あるランドマーク(看板や目立つ建物の一部や飛行物)
を写真にどうにか盛り込む事。受け取る側としてはキトゥンがどアップで写っていたり、壁と床しか写ってないと頭を抱えたくなりますからね(割とよくある)
キトゥンちゃん可愛いから自撮りさせたくなるのはわかる、わかるけども。その写真ほぼノーヒントだから。。
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ハンティングを開始すると該当するエリアに自動的に飛ばされてお宝探し開始。写真から読み取れる情報を元にあっちゃこっちゃ探し回って見つけるだけ。バリュエーションに富んだマップと自由過ぎる移動手段を上手く活かしたサクっと遊べるちょっとしたお楽しみ要素ですね。

…と書くとエラく簡単そうに見えますが、どうしても見つけられずに右往左往している事も少なくなかったり…
一応宝箱の近くに行けばピコンピコンと距離に応じたビーコン音が聞こえますが、相当迫らないと鳴らない上に前述の通り三次元空間全てが探索対象なので中々見つからない事もママあります。開始地点の周辺にあるのはわかっているんですが、ひとえに周辺と言いましてもね…

プレイヤーの写真の写し方と出現エリアによってガラッと難易度が変わるので、一要素として完成されているとはまだまだ言い難いですが、その不安定さを含めてもなお良要素。作品の方向性とキリッと噛み合ってます。報酬のジェム(能力アップに使う消費アイテム)やタリスマン(能力を変化させるアクセサリー)やダスティトークン(一定数集めるとジェスチャーやコスチュームが貰える)も別にプレイに必須というわけではないですし、強制される事なく自分のペースで進められるつくりになっています。

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トレジャーハンティングの報酬の他、採掘場やサブイベントクリアなどでも手に入れられるタリスマン。いわゆるお守りである。後々合成やリサイクルも可能になります。

その性能は非常に幅広く、ステータス上昇系から特定アビリティの強化まで選り取り見取り。サブイベントの固定報酬以外は、予め定められた複数の効果からランダムに選ばれてスロットが埋められていく形で性能が決まっていると思われる。要するにランダムドロップ、ランダム性能。某炭鉱夫を思い出しますね…まぁオマケ程度ですからそこまで拘る必要は…スコアタorTAガチ勢は厳選したりするんでしょうかもしかして…地獄かよ…
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フォトレビューも右に倣い本当にまんまそのままフォトレビュー。撮った写真をゲーム上で共有する事が出来て、評価したりされたりするとダスティトークンが貰える。シェアはフレンドと野良のどちらかを好きに選べます。

フォトレビューの利点はトレハンと違ってあれこれ探し回る必要がなく、適当に撮影して適当に評価すればいいという身軽さ。面白いおっさんが居たり、綺麗な空が広がってたりしたらとりあえず撮ればいい。自撮りも出来るよ!

私自身は思い付いた写真はガンガンアップロードしているのですが、何故だか他人の写真に遭遇する機会が少ないイメージ。ランダムに表示されてるからなのか、フレンド間で共有してるからなのか、そもそもシェアしてないからなのか。真相は闇の中である。


<総評:どこまでも広がる重力的世界>
という事で、クールな重力移動と素敵なエリア構成を軸にオンライン要素までレビューしてみました。如何でしたでしょうか?

ここまで良い点ばかりをピックアップして挙げてきましたが、当然ながらGDは完璧なゲームではありません。やっぱり公平なレビューを書く上でそこを隠すのは良く無いでしょう。

・一部ミッションは調整の甘さが目に付く
…色々あるけど一番はユピトールが手に入るダンジョン、テメェの事だよ!なんで新しいチューンを手に入れたばっかりの操作に慣れていない段階で、あんなに狭っ苦しい通路だらけのダンジョンを上下左右に進まなきゃならんのじゃ!!タダでさえコントロールし辛くなる特性のチューンなのに!!!耐性弱めの人だったらゲロ吐くぞアレは!!!!壁際にカメラめり込みすぎなんだよ!!!!!そもそも狭い屋内なんて最もユピトールの使用に向かない環境じゃんかよ…なんでチュートリアルがそこなの…

・声掛け怠い
クエストで何度かやらされる街の人への声掛け、あれはただひたすら怠い。特にヒントも無く、ただそこら辺を歩いている人に□ボタンを連打するだけの簡単な作業に正直それ要らなくない?とやる度に思わされます。
せめて上から眺めれば早目に探せるとかあればまだマシなんでしょうが、私の見る限り本当にただただランダム。工夫の余地もなく、無駄に沢山の人に声かけさせられるあの時間は無意味さが凝縮して詰め込んであります。

・何故だかやたらに押されているステルス任務 is fuckin'
システムとの相性自体は悪くないと思うが調整不足なミッションがチラホラ。

・そもそも戦闘の調整が
キックは敵に近付かなければならないリスクの割に威力がしょっぱい。一定距離以上の助走飛行でアーマーくらい付けてくれても良かったのでは?視界外から攻撃されると避けられないし、結果、行動が単調に陥りやすいです。基本重力グラブ安定。正直戦闘は最初から最後まで微妙…根本的に動き回る敵との相性が良くないんですよねシステム的に。

と、前作から進化はしているものの、やはり細かい問題は尽きません。

しかし、それでもやはり私は言いたい。グラビティデイズは良いゲームだと。欠点や詰めの甘さを補って余りある魅力が詰まってると。ミッションの合間にふと意味もなく彷徨いてみたくなる。目的地に行くのに回り道をしたくなる。これがどれほど凄いことか。

今回でキトゥンの物語はお終いとの事ですが、GDにはまだまだ沢山の可能性が眠っています。例えばもし時間の変化がリアルタイムで表現できる様になればなお一層世界の美しさが際立つ様になるでしょうし、その美しくなった世界をVRで体験出来ればええなぁと。本当にPSVR向きのゲームですよ。ゲロ吐いてもやりたい。ソニーさんはさっさと出荷して、どうぞ(懇願)。

魅力的な主人公、個性豊かなサブキャラ、広すぎる程のオープンワールド、そして何より唯一無二の重力操作。これだけ沢山の動機が存在しているんだから、後はプレイするだけ。そうですね?

半ば強引に購入を勧めてみたところで今回のレビューは締めさせていただきます。ここまで読んで下さってありがとうございました。次回もお楽しみに〜