愛猫クリちゃんがくれた大切な宝物を、あなたにも…… | 死に対して自由な心を求めた僕と彼女と妹の物語『フライザイン』の世界

死に対して自由な心を求めた僕と彼女と妹の物語『フライザイン』の世界

世界150の哲学、思想をもとに基礎知識ゼロでも分かる読みやすい物語にしました。あなたの感想お待ちしています。



私の最初の「死別体験」は小学生のときでした。


家族で花火をしていたところ、暗闇からニャーニャー聞こえる。

現れたのが、やせっぽっちで、ちっちゃな猫。

ところが兄と私は、いつか見たテレビの影響か、

当時、猫はすべて「化け猫」だと思いこんでいたので、かなりビビッていました(笑)


普通なら、子供が親に「飼おうよ、飼おうよ、かわいそうだよ」

というところですが、我が家は逆で、

猛反対する子供を振り切って、母が「飼います」と宣言。

その夜は、化け猫が隣の部屋にいるとビクビクして

眠れなかったものです。


ところが一夜あけると、化け猫疑惑が晴れ(笑)

すぐに愛くるしい猫ちゃんのとりこになってしまったのです!


名前は母が「クリーンからとって『クリ』」と名付け、

一家の一員になりました。


特に私になつき、私の膝の上が指定席。

そのまま寝てしまったクリを起こしたくなくて、

動けずに困ったことが何度もありました。


布団にもモゾモゾ入ってきて、冬は暖房いらず。

ちょっと舌を出して寝るクセがあり、正月には

おとそを一滴、舌の上に落としてからかったものです。


ある冬のこと、風邪をこじらせ、動物病院に入院することになりました。

クリちゃんがいない数日間、家はシンとしていました。


3日ほどして学校から帰ってみると、母が膝にクリを抱いて撫でています。

「あっ! クリ、帰ってきたんだ!」

と、カバンを放り出して近寄ると、

母はハンカチで目元をぬぐい


「クリね、死んで帰ってきたの」

と言ったのです。

その時、私の世界は真っ二つになりました。




庭に埋めることになり、クリを抱きかかえたとき、

姿も毛並も、ほとんど変わっていないのに、

まったく変わり果ててしまったことが

妙にズシリと重い、その感触で痛切に知らされたのです。


それはそのまま「死」の重さを感じた瞬間でもありました。


【無常を観ずるは 菩提心の一なり】

(むじょうをかんずるは ぼだいしんの はじめなり)


「無常」とは、常が無く、続かないこと。

中でも「無常だなぁ」としみじみ感じるのは、死。


我が身の無常をまじめに観つめたその時、

「菩提の心」が起きる。


「菩提の心」とは、

「本当の幸福を求めようという心」。


日頃、盤石と思っていた幸せも、意外にもろいもの。

石によってヒビ入るガラスのように、

思わぬ問題により、ガラスの幸福にヒビが入ります。


まして隕石のような『死』がぶつかってきたら……!


「その時でも崩れない幸福ってあるのだろうか?」

「もし、ないのなら、何のための人生か」

「最後、すべて儚く砕け散るものを集めているだけなのか」

「この死の恐怖を何とかしたい」

「願わくは死んで悔いなき人生を歩みたい」


このように、

『死』を通して人生観、幸福観は向きを変え、

正しい方向へ、偉大なる一歩を、踏み出すのです。


クリが、そのことを最初に教えてくれたのでした。


 (在りし日の、クリちゃん)

クリちゃん3


クリちゃん1


クリちゃん2


クリちゃん4


「菩提心」にまさる宝なし

クリがくれた宝が、今、『フライザイン』という物語になりました。


 余命一カ月を告げられた愛する人のために
 「死に対して自由な心」を探す哲学少女と
 妹の自殺未遂をきっかけとして
 「どうせ死ぬのになぜ生きる」
 という大問題の答えを探し始めた青年の物語

です。

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では、数秒後、物語の中でお会いいたしましょう(^^)/