人の体液と海水のミネラル構成比率はとても近い。
それは昔からよく聞く話ですが・・・

 


 

人の内臓には、土壌と同じ環境があるそうです。

 

土壌の豊かな微生物生態系があれば、植物は元気に育つ事ができる。
同様に人も動物も、この微生物のおかげで健康に生きていく事ができている。



 

この微生物生態系は、人や動物、昆虫のお腹の中にもある。


ある講演会 「種子と食をめぐる世界と日本」 で聞いたお話です。


微生物が豊かな土の中では、植物は自分の根から炭水化物を出して微生物を引き寄せ、
その微生物が「菌根菌糸」を構成して、植物の根が養分(ミネラル)を吸収する事を助ける。
そして、悪玉菌から根を守ってくれてもいます。
この「菌根菌糸」のおかげで土は水を保つ事ができ、また、大雨でも流されない。

 


 

「種子と食をめぐる世界と日本」資料より。

 

有機肥料は、そのままでは植物の根は吸収できないので、
微生物に分解してもらう必要があります。

化学肥料は、根が楽に養分を吸収する事ができてしまうので、
微生物の助けを必要としなくなる。
「菌根菌糸」に守られる環境がなくなり、根は次第に弱り、病気になりやすくなる。

人のお腹の中も、善玉菌が健康を守ってくれている事は知られていますよね。

腸内の食物を餌にして善玉菌が代謝して出してくれる物質は、

人自身では作り出せない、でも人が生きて行くのに必要な物質。
腸は、免疫機能の要となる臓器とも言われています。

私達も植物も、微生物と共生してこそ健康に生きられる。


ところが、人は戦争をし、爆弾を作り、
その製造過程で必要な窒素化合物は、戦争終結と共に不要になった。
困った化学メーカーが目を付けたのが農業。
植物が育つのに必要な窒素を、化学肥料に用いた。

 



でも、化学肥料は「菌根菌糸」が作られないようにしてしまい、
農薬や除草剤は、土壌内の微生物を殺します。
微生物生態系は崩れ植物も弱まり、病原菌や害虫が増える為に農薬を使用する。

更に、土も流亡しやすくなるという悪循環。



ちなみに、地球上の微生物のほとんどは土壌に存在し、
地球上の微生物全ての重さ(合計)は、
地球上の人類の重さ(合計)の2000倍を超えるそうです。
~「地球に生きるあなたの使命」より~


自然を破壊する人類の罪は、それよりもずっとずっと重そうだけど。

 

 

太古の地球から存在していた微生物。



まだ地球は岩石ばかりで土が存在しなかった頃、
微生物が岩石を分解し、土に変えていったそうです。
長い長い年月をかけて土を作っていった。
そして長い長い年月をかけて、植物と微生物が織りなす土壌環境を作って行った。

それと同じ環境が、私達のお腹の中にもある。
~参照 「土と内臓」~


私達の体液は海で溢れ、内臓は大地の如く体を支えている。
まるで地球そのものが体の中にあるみたい。

なんか感動・・・。


講演会は、種子問題と遺伝子組換えについて主に語られていましたが、
オープニングは微生物のお話でした。
土壌環境を壊す事は、まさしく私達自身を壊す事なのだと。



種子問題と遺伝子組換えについては、次回に書きたいと思います。