私たちの腸内（主に大腸）には、たくさんの細菌が住んでいて、
１００種類以上、数にして約１００兆個ともいわれています。
その多様な腸内細菌が種類ごとにまとまって、腸の壁にビッシリ。
それが、まるで様々な植物が群生しているようだから、
フローラ（お花畑）と呼ばれてる。うまい例えですよね。＾＾
お花畑と言えば、平和に満ちた愛あふれる世界をイメージしちゃうのだけど、
善玉菌の「愛」 が多いお花畑こそが、「健全な腸内フローラ」 なんですね。
健全なお花畑の微生物たちの割合は、
善玉菌 「２」 悪玉菌 「１」 日和見菌 「７」
善玉菌と呼ばれる菌が悪玉菌より多いと、
悪玉菌が悪さをするのを抑えてくれて、私たちも健康でいられる。
これらの菌たちは、実は 「腸の粘液」 が好物らしい。
お花畑のイメージを崩すようでなんですが、
大腸の壁は、常に粘液に覆われ、内容物（つまり◯んこ）が通過しやすくなってる。
この粘液は、科学的には 「炭水化物」 らしいのだけど、この粘液には、
細菌が大腸の壁に付着するのを防ぐ抗菌物質が含まれているそうです。
ところが、この抗菌物質で死なない細菌たちがいて、
腸が出す粘液を餌にして住み着いている。
でも、この細菌達の中には、タダ食いしない良い子達がいる。
内容物（◯んこ）に含まれる多糖類（植物繊維とか）を分解して、
人が健康を維持していくのに必要な物質を造ってくれている。
人の免疫系は、それをちゃんと理解し、良い子！と住むのを許可してる。
互いに両思いの共生関係。
でも、この共生関係が何らかの理由で崩れた時、
人の体調も崩れ、病原菌に侵されやすくなってしまう。
そこで、※抗生物質とかの薬に頼らざるを得なくなる事もあって・・・
「お花畑」 が枯れてしまう。
その枯れた地に、病原性細菌が増殖する事があるそうです。
そうなると、腸は下痢を起こして病原菌を体外に出そうとする。
中には、たちの悪い病原菌もいて、命に関わる程の激しい下痢を引き起こす事もある。
ところで、「糞便微生物移植」 というのがあるそうです。
これは、『健全な腸内フローラを持つ人の◯んこ』 を、肛門から注入するというもの。
（もちろん、◯んこそのものを、そのまま注入するわけじゃないと思うけど）
１９５８年、ある軍病院で初めて施された 「糞便微生物移植」 では、
致命的な下痢にかかった４人の患者に 『それ』 を肛門から注入し、
４人共急速に回復したそうです。（まあ、４人だけではなんとも・・ですが）
ところが！
２０１３年、この 「糞便微生物移植」 は、実際的に効果があるという研究結果が出たそうです。
４３名の患者の治癒率はなんと９４％！
通常の治療を受けた人の治癒率３１％を大きく上回る結果が！
すごい！！
なんて感動的な、微生物と人の共生関係でしょう！！
やはり、最後に愛は勝つ！！
そんなわけで、近年、
腸内フローラを健全にする為の 「糞便微生物移植」 という技術は、
研究が進み更に進化しているらしく、
「フリーズドライした◯んこ」 を経口カプセルに詰めて摂取する。
という事が普及するかも？らしいです。
～ 「土と内臓」 より～
・ ・ ・ ・ ・ 。
いくら愛に満ちていても、
「他人さまの◯んこ」 ですからねえ・・・。
（繰り返し言いたいですが、「そのもの」 ではないはず。）
緊急事態ならともかく、できれば日常から 「良い食物」 で、
お腹の微生物たちと仲良く愛を育んでいきたいものです。＾＾
「良い食物」 とは、
農薬など化学物質を含まないもの、発酵食品、玄米、全粒粉、
野菜など食物繊維を多く含むもの。（でも、食物繊維も摂り過ぎちゃダメみたいです）
ちなみに、女性の体についてですが、「膣」。
ここにも、微生物たちによる 「お花畑」 が存在するらしいです。
だから、中をあまり洗浄しすぎちゃ、良い子達の愛まで流されちゃうから、程々に。＾＾
最後に、興味深い事に、この共生関係は、
土の中の微生物と植物の「根」にもあります。
植物の根は、炭水化物を分泌して、共生してくれる菌を呼び寄せる。
その菌達は、植物の根を菌根菌糸というもので覆って、病原菌から根を守ってる。
そして、植物が生きていくのに必要な物質を提供してる。
でも、農薬や除草剤は、微生物にとっては抗生物質と同じで、
たちまち、土は枯れて（微生物が死んで）しまうんです。
健全な良い土だからこそ、植物も丈夫に元気に生きられる。
健全な良い土とは 「悪い子もいるけど、良い子達が元気に活躍してる」 土。
悪い子も良い子も全てなぎ払われた死んだ土ではありません。
それは、私たち人や動物のお腹の 「お花畑」 も同じなんですね。
とても分かりやすく面白く解説してる記事があるので読んでみてね＾＾
やはり、◯んこネタなんだけど。＾＾；
ブログ内の関連記事 （こちらも合わせて読んでみてね。＾＾）
※抗生物質は決して悪いものではありません。
これのおかげで、感染症の致死率がグッと減ったのも事実。問題は使い方。
使い過ぎは、耐性菌を生み出す悪循環。
そして、共生関係で体に良い効果をもたらしてくれる菌まで殺してしまっては、
逆に体に不調をきたします。
こんなデータがあります。（土と内臓より）
１９００年、感染症による死亡の割合は５３％、慢性疾患によるものは３６％。
抗生物質の登場後、
２０１１年は、感染症による死亡の割合は３％に劇的に減った。
でも、慢性疾患による死亡率は８８％と爆発的に増えた。
この慢性疾患の原因は、
「体に良い共生関係にある微生物が激減」 した為と言われています。