うちには、6羽のインコたちがいます。
どの子も皆んな愛してるけど、「特別な子」 っていませんか?

うちの場合は、ナナイロメキシコインコのナツ君でした。



もちろん、どの子も皆んな愛してるし大事なんだけど、
ナツは特別な思い入れのある子だったんです。


約15年前、ナツは、私の不注意で迷子にしてしまい、
2週間のサバイバルを経て、奇跡的に戻った子でした。

この頃、私は実母の介護で忙しく、精一杯やってるのに辛く当たられ、

夫との関係も上手くいってなく辛い日々を送っていて、
そのうえ、愛鳥が迷子。

神様、あんまりです・・・と泣きました。


警察に届け、ロストした付近で毎週末、
迷子チラシの張り紙活動とポスティング。
付近のペットショップや動物病院にもチラシを郵送し、
毎日、祈る思いで過ごしていました。

ナツを失う辛さに比べたら、
今、自分が抱えている問題(介護とか)など、どうって事ない!
どんな問題でも頑張って乗り越えるから、
どうか神様、ナツが無事に戻ってきますように・・・と祈っていました。


今頃、ナツはどんな思いでいるだろう?
最悪は・・・と胸が締め付けられるような日々を過ごし、
奇跡的に、ナツは帰ってきました。

迷子になって2週間後に保護され、警察に届けられていました。
警察の手違いで、保護されてから私が迎えに行くまで1週間程かかり、
我が家に戻ったのは迷子になってから3週間後でした。


2週間も、どうやって過ごしてたんだろう?
何を食べていたんだろう?

戻ってきたナツは頭に怪我をしていて、ガリガリで、
羽はボロボロでした。

でも、帰ってきてくれました。


ナツが帰ってきた時、夫が言いました。

「今やから言えるけど、正直もうアカンと思ってた。」

アカン、無駄やと思っていても、
私のポスティング・張り紙活動に毎週、夫は黙って付き合ってくれました。



それから、4年後、

ナツは呼吸器疾患で、あっけなく旅立ちました。

病院にちゃんと連れて行って、薬も投与していたけど、
通院後2週間で突然死んでしまった。

ナツは、人で言えば気管支炎みたいな症状でした。
声が出なくなり、フツフツ、グチュグチュという呼吸音をしていた。
それ以外には、ナツは元気そうにしていたけど。

動物病院の先生は 「風邪ですね」 と飲み薬をくれただけ。
「大丈夫ですよ。飲み薬で様子を見ましょう」
私も、先生の言葉を信じて軽く見ていた。

ナツが死んだ後で 「コンパニオンバードの病気百科」 を購入。
それで知ったのだけど、鳥の場合、声が出ないのは緊急レベル。
痰が気管に詰まって突然窒息死する危険があると。
早急に、ネブライザー(薬剤吸引)で治療する必要があると。

また、声の異変は甲状腺腫による場合もあるので、
甲状腺の問題か、呼吸器の問題かを見極める必要もあると。

ナツの時、私にこの知識があったなら、
獣医師選びを適切にできて、ナツを助ける事ができたはず・・・。


迷子から奇跡的に戻ってきてくれた子の命を
私の不甲斐なさで失ってしまったのです。

鳥飼い歴25年。これまでに別れはいくつもありましたが、
これはこたえました。

自分を責め続け、毎日のように泣いて、
立ち直るまでに3年はかかりました。

最初の1年は、正直病んでいて、すがる思いで某鳥コミュニティに参加。

グチグチネチネチとナツの死の事を悔やむ私に、
どう言葉をかけていいものかと悩みながらも寄り添ってくれた鳥友さんたち。
皆んなのおかげで、私は少しずつ立ち直って行く事ができました。
その鳥友さんたちとは今も繋がっています。


ナツの死から2年後、コガネメキシコインコのグーちゃんが、
ナツと同じ症状になりました。

この頃には、私もかなり勉強していたので、病院選びにも拘りました。
尚かつ、診てくれた先生にも意見を言いまくりました。

「薬で様子見してる間にも危険な状態になるかもなので、
すぐネブライザー治療して下さい。
原因菌も、真菌である可能性もあるので、薬には抗真菌剤を併用
して下さい。」

「甲状腺の問題かもしれないので、呼吸器の問題なのか甲状腺なのか、
検査して調べて下さい」

この2つを初診でお願いしました。

素人が、専門家にここまで言うのは勇気がいりますが、
ナツを亡くした時の辛さに比べたら、先生に怒鳴られる事なんか
ちっとも怖くなかった。(この時の先生は、黙って聞いてくれていました)

レントゲンでは確認が難しいので、CTで確認。
鳴管(気管支)に病変が確認できました。
検査結果を待たずに、ネブライザー治療を開始してもらっていて正解。

毎日、治療に通い、グーちゃんは声が出るようになり、今も元気です。


・・・このように、ナツは、私に色んな事を教えてくれました。

「鳥飼歴の長さにあぐらをかき、不勉強だった飼い主を戒めてくれた。」

「相手が専門家であろうと、意見は臆せず言わなアカン事。」

「迷子の場合、警察は割とアバウトだから、こっちから問い合わせを積極的にせなアカン事。」

そして、

「冷めていたと思っていた家族の絆は、実は冷めてなどいなかった事。」

「励まし、寄り添ってくれる人たちがいる事。」


ナツは、大切な事を教えてくれたのに、
時が流れても、バカな私は・・・やっぱりバカでした。



最近、強く訴えたい事があって、それがウザい話だったりするから、
皆んなに嫌われてると自分で思いこんでしまってた。

そういう思い込みが、何気に書かれたであろう言葉に異様に反応してしまい、
悪く受け止め、攻撃的になってしまった。

ああ、これ、ナツの迷子事件の頃、私が抱えていた問題と同じだよ・・・。

それを気づかせてくれたのが、
大切な鳥友さんの愛鳥の旅立ちでした。
何年も前から見守ってきて、うちの子のように思ってた。

その子が教えてくれたような気がする。

「ダメよ」 って。


本当、私って、いい年してダメやね。

ごめんなさい。ごめんなさい。本当にごめんなさい。

 

ごめんなさい。