特別養護老人ホームの研修 | 介護体験談

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2023/6/2

特別養護老人ホームの研修

学校に通っていた頃、ヘルパーの資格も全員取得が義務付けられていたので、老人ホームで研修授業があります。

特別養護老人ホームの研修では歯科衛生士としているのではなく、介護スタッフの研修生として介護の勉強をしに行きました。

私がお世話になったホームは、男性のスタッフが30%女性のスタッフが70%くらいで、看護士が常駐のホームでした。

入所されている方は、介助が必要な人が半分くらいで自分で生活できるかたもたくさんいました。

中にはご夫婦で入所されている方もいました。

スタッフは朝からずっと動きっぱなしでした。

トイレに行きたいという呼び出しには早く駆けつけなくてはいけないようで、走ってるスタッフも大勢いました。

介助には体をおこしたり、車椅子に移動したりするのに、力のいる仕事で、一歩間違えば大怪我したりもするので、とても慎重に仕事を進めることが必要になります。

男性スタッフは力仕事が多いから絶対必要とのことでしたが、現在は数が少ないので、困っているようでした。

私にもお手伝いできることはないかと考え、入所者の方にホームにおいてあったマニキュアで爪をカラーリングしてみました。

あとは一緒に折り紙をしました。

爪がきれいになってとても喜んで下さり、こちらも嬉しくなりました。

私のことをお孫さんだと勘違いされた方は、入所後一度もご家族の方が会いに来てくれないそうです。

私の手を握って泣いて喜んでいたので、悲しくなりました。

ニュースでホームでの暴力などが問題に挙げられることがありますが、入所者の方にとって、もっと安心して住める場所であってほしいと願うばかりです。記録日記

特養での出来事

私は特養で働いていました。

もう五年ほど前のことになりますが、その時色々な出会いもありました。

私が特養で働く事になった経緯は、当時地元を離れて専門学校在学中に、地元の特養からのお誘いがあったのがきっかけでした。

しかし、当時通っていた専門学校はPC関係の専門学校で老人ホームとは無縁な状態でした。

それでも、就職活動に行き詰まりもあったせいで、あまり深く考えずに地元の特養に面接をしに行き、そのまま採用となり、戸惑いを持ったまま卒業と同時に仕事が始まりました。

とは言うものの、当時老人ホームという概念が全くわからない状態でしたので、老人ホームという括りの中に色々な形態があるなんてのが驚きで、同時期に就職した他の人たちは皆介護系の学校を卒業していたので、一番遅れを取ったのは言うまでもありません。

しかし、その就職先の特養は古く先輩方は専門学校なんて無い時代の時から介護というものを先駆した人が多くいたので諸先輩方達から学び、時には専門学校を卒業した同期からも学ばせていただき何とか拙いながらも介護という本質をわかったと思えます。

介護というのは職員だけが相手ではなく、一番はやはり入居者様との生活というのが求められ、入ったばかりで右も左も分からない私に冷たくされたのは、今でも少し心が砕けそうになりますが、それも今ではいい思い出となっています。

確かに最初からいきなりむすめや孫みたいな年のものに心を開くというのは難しいものです。

やはり最初に信頼関係も無いものでも快く迎えていただけるだろうという思い上がりでは介護は成り立たないと良い教訓になりました。

その後右往左往しながら共に生活をしだして、入居差者様との心の壁が無くなっていくことが感じれたときは、言葉では言い表せないほどの感動を味わえました。

薄給や激務、また3Kと言われる内容であったり、いろいろと言われていますが、介護はお金だけで判断しづらいプライスレスな職業だと思います。篠めぐみ現在

しかし、介護という仕事を離れて世間のニュースや介護の現場の現状を聞けば賃金の低さと仕事の過酷さが浮き彫りになっているのを目の当たりにします。

今の若い人が多くとは言いませんが、介護というものに少しでも興味を持って仕事をしていただけることを元現場職員の戯言として締めくくりたいと思います。

特別養護老人ホームに入居されてくる人たち

特養へ入居できて本当によかったと喜ばれる入居者の多くは、一人暮らしをしている時より、お金がかからなくなった人達です。

今まで家族に支援してもらって生活してきたが、特養に入居するようになり、自分のお小遣いまで増えた人もおります。

食事ももう自分で作ることないし、今まで一人で暮らしていてさみしかったので他の入居者と話ができてうれしいと話される方も多いです。

こちらとしても、そのような事を言ってくれる方が少しでもいて安心です。

元気な方もおりますが、ほとんどが重度の寝たきりの方の対応におわれ、なかなか入居者とゆっくりお話しをする暇さえありません。

自立支援を促したいのですが、見守りをしたり、一緒にやったりという作業に時間を割いてあげられません。

ですが、入居者は冬でも暖かくて、雪投げもしなくていい、灯油の心配もしなくていいなどと安心して過ごされる姿をみて、高齢者はやはり一人暮らしは心細いことがわかりました。

現在は、特養のように低料金で入居できる施設はほとんどありません。

なので、金銭面を考慮して、なかなか施設に入れない。

家族や子供に迷惑をかけられないという高齢者がたくさんいると思います。

無理をして生活をして孤独死なんてことにならないような政策を早めに国が考えて欲しいです。