この記事は、最新記事を書く時に、誤って上書きして消去してしまったため、

再アップですお願い

可能な限り、記憶を辿って書きますが、オリジナルと多少相違があることをご容赦ください。

(→スクショで保存してくださっていた方がいて、オリジナルとほぼ同じに更新できました。ありがとうございます。2022.1.13時点)

 

リブログして下さった方、本当にごめんなさい。

コメントを下さった方は、次の記事に保存されているので、そちらで返信致します。

 

本当に申し訳ございませんお願い

 

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昨年は、皆さまのおかげでこのブログを続けることができました。

1人で学ぶよりも、シェアし、コメントを頂くことで、私自身も学びを深めることができ、大変感謝しております。

 

本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

今年は

虎年

 

虎には「心機一転」という意味があるそうです。

新しい時代への幕開け

そのような年にしていけるのだと思います。

 

さて、昨年最後の記事

「中和抗体神話」

を多くの方にリブログして頂きまして、どうもありがとうございました。

リブログに添えられた文章やコメントから

私の想像以上に

皆さんが非常に大切なメッセージを受け取っておられることが分かりました。

 

”自然から授かった、自己の免疫が一番大切である”

 

このことを改めて自分でも再認識することができました。

 

さて、今回は

旧型コロナに対する免疫で、

十分に新型コロナにも対応できている

というこ論文をご紹介します。

 

その前に免疫のおさらいをしておきたいと思います。

免疫は、何も”抗体”だけではありませんでしたね。

 

免疫には

1.自然免疫

 

2.獲得免疫(液性免疫&細胞性免疫)

がある

 

1.自然免疫は、なんでも屋さん

あらゆる病原体を敵とみなしさえすれば、変異株であろうと対抗してくれる免疫です。

 

そして、一度侵入してきた敵を記憶し、次にその特定の敵が侵入してきた時に速やかに対応するのが

2.獲得免疫

 

さらに獲得免疫の中には

液性免疫

細胞性免疫

があります。

 

「液性免疫」抗体(主にIgG)を利用する

細胞の外で、ウイルスが細胞内に侵入するのを阻止する役割です。

抗体は血液=液体の中に存在するので「液性免疫」と命名

*ウイルスが細胞内に入ってしまうと、手出しできなくなります。

 

ではウイルスが細胞内に入ってしまったらどうするか?

そうなっても、対抗できる免疫機構を私たち人間は備えて生まれてきている。

 

それが、

「細胞性免疫」:主にT細胞を利用する

キラーT細胞が細胞内に入ったウイルスを細胞まるごとやっつける免疫です。

そのため、「細胞性免疫」と命名

 

         左が液性免疫              右が細胞性免疫

 

*ウイルスや結核菌のように細胞内で増殖する微生物に対しては

細胞性免疫がメインとなる

 

(休み時間の免疫学 第3版 齋藤紀先著より)

 

軍隊に例えると

敵(ウイルス)が城内(細胞内)に侵入しないよう防御するのが液性免疫(抗体)

敵(ウイルス)が城内(細胞内)に侵入してしまったら城ごと(細胞ごと)やっつけるのが細胞性免疫(T細胞)

 

大まかにこのようなイメージを持って頂けたらと思います。

 

齋藤先生が図の中で説明されているように

「ウイルス感染のメインは、細胞性免疫」

ウイルスは細胞に寄生しないと生きていけないので、細胞内で増殖する性質がある

自分たちが生き延びるためには、うまく抗体をすり抜けて何がなんでも細胞内に侵入してこようとするでしょう。

だから細胞性免疫が重要

これもウイルス学者達が言ってきたことです。

 

さて、前回の記事で

コロナでは抗体がリスクになるということをご紹介しました。

では、私達はどうしているか?

ヒトは新型コロナに対して

抗体(液性免疫)を使わずに、細胞性免疫で対応している

という論文が複数出てきました。

 

こういった論文を読んだ時に

ウイルス学者が

「リスクになる抗体を作らないように、ヒトはうまく細胞性免疫で対応している

と言っていたことが納得できました。

 

理研から

新型コロナに未感染でも

旧型コロナで記憶されたT細胞(細胞性免疫)が

新型コロナにも交差反応(=攻撃可能)を示す

 

特にアジア・日本人は幼い頃から旧型コロナに暴露し、細胞性免疫を獲得してきました。

日本人の累積PCR陽性者は2年で約176万人

98.6%の人が罹患していない計算になるのも

納得ですね。

 

https://www.nature.com/articles/s41586-021-04186-8.pdf

英国 

毎週PCR陰性かつ中和抗体も陰性の医療従事者

⇒新型コロナに対するT細胞(細胞性免疫)を有する

 

つまり、新型コロナにさらされながらもPCRが毎週陰性、

でも中和抗体も陰性である(=上がっていない)のは

細胞性免疫で十分対応しているからなのですね。

 

 

米国

新型コロナ非感染者の40-60%に

旧型コロナとの交差反応を持つT細胞(細胞性免疫)がある

 

新型コロナに感染したことがなくても

旧型コロナで獲得した細胞性免疫で対応可能ということですね。

 

世界の感染状況も人口78億に対して約3億人

96%の人が罹患していない=パンデミック?

と言われるのも納得ですね。

論文からは、十分旧型コロナの細胞性免疫で新型にも対応できているのは?

ということが示唆されるわけです。

 

繰り返しになりますが

ウイルス学者達が初めから論じて

「コロナには細胞性免疫が重要。

抗体はリスクになるから、抗体を上げないようにして

ヒトは細胞性免疫で対応しているんだよね」

ということが、非常に腑に落ちました。

 

 

(記事抜粋)

2回接種後に感染する「ブレークスルー感染」をした患者4人を9月上旬に調べたところ、抗体価が4300以上と高い患者でも入院後に重症化し、転院して人工呼吸器を装着した例があった。一方、抗体価が234と低くても軽症の患者もいたという。

 

記事からは、”抗体が高いのに重症化してしまうの?”という論調があるようですが

前回の記事をお読み頂いた方には、何も不思議はないと思います。

抗体がリスクになり得るということを知っていれば

抗体が大量に産生されるとサイトカインストームを起こして重症化する

軽症の人は抗体をあげないようにして、細胞性免疫で対応できていたんだろう

と思うわけですね。

宮沢孝幸先生も、抗体を悪者にすると炎上するので、かなり抑えた表現をされているように思いますが

『抗体が重症化の要因になる』

これは、常識なんですね。

なお、抗体にはもちろん善の作用もあり、すべて悪いと否定しているわけではありません。

そういう一面もある

と知っておくことが重要です。

ウイルス学に詳しくない私達内科医でも

感染症の重症メカニズムの一つに、高い抗体があることは

現場の経験から非常に納得が行くことです。

抗体を作るには、サイトカインが必要なので

大量の抗体は、サイトカインストームを生じる→重症化する

ということです。

(これを知らない感染症医達が一部いて、当初問題視されていました。)

 

いかなる背景因子を持った人が大量の抗体を産生しやすいのか?

重症化に関して、抗体の観点から研究を進めている研究者もいます。

 

幼い頃から培ってきた

 

自己免疫の優秀さを

 

多くの人が認識しますように。

 

自分の免疫に感謝しながら

 

2022年も皆さまが健やかに過ごされることを

 

祈っております。

 

本年も、どうぞよろしくお願い致します。いつもありがとうございます。