結局、リニア新幹線は原発新設再稼働が最大の目的だった | tokaiama20のブログ

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 リニア新幹線を計画実行したのはJR東海会長だった葛西敬之である。葛西は安倍晋三の最大支援者として知られている。
 いったい、どんな人物だったのか?
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%9B%E8%A5%BF%E6%95%AC%E4%B9%8B

 葛西敬之は30年間にわたってJR東海に君臨し「天皇」と呼ばれた。
 葛西が絶対的権力を謳歌できた最大の理由は、自民党の「田布施システム」=安倍晋三人脈と深い関係を持ち、「最期のフィクサー」と呼ばれた政財界に君臨するフィクサーだったからだ。
 葛西の前に、同じ呼び方をされた人物は、児玉誉士夫であった。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%90%E7%8E%89%E8%AA%89%E5%A3%AB%E5%A4%AB

 ちなみに、会津の名家出身のはずの児玉誉士夫には「児玉誉士夫は朝鮮人だった」という書籍が出版され、朝鮮名戸籍まで暴露されていた。(検索排除された)
 この点は、薩摩加世田の名家、鮫島家出身だった小泉純也とそっくりである。盟友の笹川良一も、同じように朝鮮名の戸籍(文堯)が暴露されている。

 葛西は都立西高から東大に進学した。神戸出身で、神戸は日本でもっとも在日者の割合が高い街といわれる。葛西の履歴を探しても、西日本の血縁関係者の情報がまったく存在しない。なぜ、身内の情報が存在しないのだろう?

 葛西は、日本最強といわれた国鉄労働組合を弾圧する目的で、反共思想による豪腕を買われて国鉄→JR東海に入社した。
 中曽根康弘ら新自由主義勢力による三公社五現業の解体民営化方針を実現するための国鉄解体三羽カラスの精鋭と謳われた。
 葛西の業績を調べてみると、御嶽山の千古斧鉞の入らぬ大原生林を皆伐させて、作ったチャオスキー場を作らせたことが浮かび上がる。

 チャオスキー場は、北アルプス南端の、誰が見ても国立公園に指定されるべき御岳北端の素晴らしい原生林を壊滅させて華々しく開業したが、我々が予想したとおり、交通のあまりの不便さから、わずか数年で廃業せざるをえなくなった。
 現在も、行政から撤去を求められているが、強い違和感を与える荒廃した施設が残されている。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%AA%E5%BE%A1%E5%B2%B3%E3%82%B9%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%88

 いったい誰が、国内有数の原生林の破壊を認めたのか? 私は、当時、御嶽山の撮影に通っていたのだが、素晴らしい原生林が機械で皆伐されてゆく姿に、強い悲しみを覚えていた。やり場のない憤りと、自分の無力さに打ちひしがれていた。
 これを計画実施したのは葛西敬之である。
 葛西は、国労弾圧、新幹線システムの拡充以外の、すべての葛西案件を失敗させているといっていい。

 葛西敬之は2022年、私と同じ肺線維症で死んだが、彼の生前最期の大事業がリニア新幹線計画だった。
 
  JR東海・葛西敬之名誉会長の「功罪」とは? 安定経営と苦戦のリニア、そして国家 小林拓矢フリーライター 2022/6/3
 https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/f8da2dcb4db1084e06853e58290bed6122f75282#:~:text=%E8%91%9B%E8%A5%BF%E5%90%8D%E8%AA%89%E4%BC%9A%E9%95%B7%E3%81%AE%E5%8A%9F%E7%B8%BE%E3%81%AF%E3%80%81JR%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E3%82%92%E6%96%B0%E5%B9%B9%E7%B7%9A,%E3%82%92%E4%BF%9D%E6%8C%81%E3%81%97%E7%B6%9A%E3%81%91%E3%81%9F%E3%80%82

  ある方面からは大きくたたえられ、別の方面からは悪罵を投げつけられる――毀誉褒貶するも、悪名は無名に勝るというのを体現する経営者が、鉄道業界にはいた。葛西敬之・JR東海名誉会長である。鉄道業界だけではなく、むしろ経済界や政界にも影響を与え、存在感を感じさせ、フィクサーとしても活躍した。

 葛西氏についての賛否の声はどちらも大きい。独特の国家観を絶賛する人もいれば、その保守的な思想に否定的な考えを持つ人もいる。5月25日に葛西氏が81歳で亡くなったことで、各方面から氏の仕事と言論を惜しむ声が聞かれる一方、現在もなおその仕事や言論に対し批判的な声もある。
 そんなわけで、JR東海の葛西名誉会長の「功罪」について考えてみたい。

 JR東海を安定企業にした葛西名誉会長の功績
 葛西名誉会長の功績は、JR東海を新幹線中心の安定した企業につくりあげ、収益力の高い鉄道ビジネスにしたことである。1987年に取締役総合企画本部長に就任し、その後代表取締役副社長を経て1995年には代表取締役社長になる。この後、2018年まで代表権を保持し続けた。取締役は2020年まで続けた。

 この間、葛西名誉会長は一貫して東海道新幹線を中心とした鉄道ビジネスの強化に努めてきた。1991年には新幹線鉄道保有機構から新幹線施設を買い取り、設備を完全に自社で整備できるようにした。新幹線の高速化をめざし、300系「のぞみ」を1992年に運行開始し、この列車は東海道新幹線の中心的な列車となった。2003年には品川駅を開業、この地に東京本社を設立し、東京での存在感を高めた。

 中略
 国鉄改革、リニア中央新幹線をめぐる混乱、ナショナリズム
 葛西名誉会長が一般に知られるようになったのは、JRになる前、経営が厳しい国鉄をどうするのか、という話が出ていた時である。赤字が拡大する中、労使関係が複雑化し、その状況を打開するにはどうすればいいのかは、政治の大きな課題だった。

 複数の労働組合があり、民営化反対の声も多かった。その中でどう労使関係を改善していくかも必要だった。
 国鉄のままか民営化か、民営化するなら一体で民営化か分割民営化か、議論は分かれていた。

 そんな中、国鉄で労務関係を担当していた葛西氏などは、政治家ともコミュニケーションを取るようになっていく。これが、葛西氏が晩年まで政治に大きな影響力を持つきっかけとなった。葛西氏などは「国鉄改革3人組」と呼ばれ、分割民営化に力を注いだ。

 この間、複数の組合にも動きがあった。国労は民営化賛成に傾き始めていたものの、執行部の交代で民営化断固反対路線を取り、動労は民営化に賛成するという「コペルニクス的転換」という方針を取った。国労は日本社会党と日本共産党の影響が強く、動労は革マル派の影響が強かった。いよいよ分割民営化となると、国労は脱退者続出、動労はJRになってから鉄労と統合しJR総連となり、JR最大の労働組合となった。

 このとき、JRの経営側はJR総連と手を結んだ。その中で葛西氏は、のちに手を切ることを前提として協力関係をつくった。
 のちにJR総連とJR連合は分裂、JRによってどちらの組合が強いかは異なることになった。革マル派の影響はJR総連に残った。JR東海の多数派組合はJR連合系で、労使協調である。こちらを中心に労使関係を安定化させるようになった。
 この時代の政治的工作のやりすぎが、葛西氏を「フィクサー」として神格化させる起源となったのかもしれない。

 近年の葛西氏が手掛けた大きな事業として、リニア中央新幹線が挙げられる。1990年には実験線が山梨県に着工、実用化後に使用することを前提とした。その後、リニア建設へと進んでいく。だがその過程で、「国家プロジェクト」という名目で地元との対話に力を入れてこなかったことで、静岡県の大井川水問題などが発生し、建設地住民との対立が続いている。

 葛西氏のネガティブな側面として、保守主義者として「国家」ということを意識しすぎるあまり、より細やかな「地域」に気を配らず、コミュニケーションに難がある状態となった。JR東海は、国土交通省が有識者会議を行う中で、地域とのコミュニケーションに関して注意を受けている。

 また、リニアの使用電力に関しても、葛西氏が原発再稼働論者であることから、莫大な電力が必要であり原発再稼働が必要になるのではないかという声も聞かれていた。このことについて以前JR東海の人に質問したことがあり、確かに電力は新幹線よりも必要だが、原発を再稼働させるほどの莫大なエネルギーは必要ではないと言われたことがある。飛行機のほうがエネルギーを使用するとのことだ。これは葛西氏のパーソナリティがマイナスに働いたといえる。

 ナショナリズムの強い言論人としても知られる。1989年には『Wedge』を創刊、のちに新幹線のグリーン車に常備するようになる。この雑誌は葛西氏の保守的な思想が色濃く反映されている。また保守系雑誌での発言や、中国への新幹線技術の供与への忌避なども注目された。安倍政権の時代には、新聞の首相動静に首相と葛西氏の食事がよく記されていた。このあたりで、葛西氏の「フィクサー」としての側面はいっそう強まっていった。
 JR東海と「国家」のことを考えていたのが、葛西名誉会長だと言える。

 ポスト葛西時代のJR東海に求められるのは?
 葛西名誉会長の残したものは、「功罪」ともに大きなものといえる。JR東海は確実に安定した企業となった。国鉄改革をなしとげた一方、多大な犠牲を労働者にしいた。リニア中央新幹線建設の過程での地域とのコミュニケーションは、もっとしっかりしたものであってもよかった。

 JR東海の初代社長は、須田寛氏である。須田氏は、葛西氏の前任者として社長を務め、現在はJR東海の顧問、鉄道友の会会長だ。91歳で存命である。葛西氏も認めているように、須田氏は鉄道全体にも精通し、国鉄時代にはさまざまな営業施策を手掛け、現在は鉄道趣味団体のトップとなっている。葛西氏に欠けていてかつ、今後のJR東海に必要なことは、須田氏のように鉄道業界全体のことを考えることではないか。葛西氏の場合は、自社のことを考えた先が、いきなり「国家」だった。
 後略
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 一部引用以上

 小林拓矢は、葛西が強烈な保守・国家主義者であり、リニア建設について「国策」を大義名分として、静岡県などの地元との対話を無視し、強引に負担を押しつけた経緯を批判しているが、川勝知事を怒らせた強引で傲慢な葛西の姿勢を批判するメディアは意図的に排除され、川勝知事が私利私欲でリニア建設を遅らせているかのような印象を持たせる論調ばかりがのさばっている。

リニア計画が大幅な遅延を迫られている本当の事情は、メディアが意図的に避けて、まったく話題にしようとしていない。
 本当の事情は、リニアが新幹線の4倍以上という電力の馬鹿食いをするシステムという点にある。本当の事情は、今のままでは電力供給の見通しが立たないのである。
 なぜ、こんな非合理で不可解な巨大事業が「国策」として進められているのか?
 その背景には、葛西と安倍晋三の、原子力産業復興のための陰謀が隠されている。

 【投稿】何故今リニア新幹線か-原発再稼働を側面から支援するJR東海 2013年9月28日 杉本 達也
 https://assert.jp/archives/2445

 1 「オリンピックまでにリニア新幹線を」とはしゃぐ官房長官・マスコミ
 9月18日JR東海は2027年に名古屋まで開業するリニア中央新幹線の詳細ルートを公表し、環境影響評価準備書を沿線自治体に提出した。13年度中に国の認可を得、来年度にも単独で工事着工したいというのである。

 工費は品川-名古屋間で5兆4千3百億円、大阪全面開業までで9兆円もかかるという。これに菅官房長官は「五輪には海外から多くの人々が日本を訪れる。我が国を代表する技術・リニアに部分的に乗っていただければ」(日経:2013.9.19)と語り、経団連の米倉会長は「東京五輪までに名古屋まででも、乗れるようになればいい」(朝日:9.19)とさらに踏み込んだ発言をしている。

 ところが、当事者のJR東海山田佳臣社長の発言は「どうみても2ケタの年数はかかる。鉄腕アトムが一緒に掘ってくれれば別かもしれないが」と語り、かなり慎重である。リニアの全長286キロの86%もが地下を通るためである。中でも南アルプスを貫通する25キロのトンネルは最難関である(朝日:同上)。

 2 原発数基分の電力を消費するリニア
 現東海新幹線は1964年・東京オリンピックに合わせて開業した。しかし、リニア新幹線はどう考えても9月7日に決定した7年後の2020年オリンピックには間に合いそうにもない。
 ではなぜ今リニア新幹線なのか。JR東海はJR東日本のような自前の発電所を持っていない。新幹線に必要な電力の全ては電力会社から供給を受ける必要がある。目的は浜岡原発・柏崎刈羽原発の再稼働にある。

 リニア新幹線は大量に電力を使う(リニアの超電導は電気抵抗ゼロの技術だか、電気消費は減るどころか増えるリニアは車輪走行をしない。
 強力な超電導磁石で車体を地上から10センチ浮上させ、時速500Kmで地表を「飛ぶ」超電導磁石はリニアの各車両には搭載されている。

 そして、リニアが走る両脇の壁に設置したコイルに電流を流すとコイルが電磁石となり、車両の超電導磁石との間で吸引と反発が同時に起こり車両が動く超電導とは、極低温では電気抵抗がゼロになり電流が回路内を永久に流れる現象を言うが、リニアではその実現のため、各車両に、液体ヘリウムでマイナス269度にまで冷却する冷凍庫を設置し、超電導磁石を格納する)。JR東海の公式発表では「リニアの消費電力は東海道新幹線の約3倍」であるという。

 しかし、伊藤洋山梨県立大学教授が、乗客一人を運ぶエネルギーを基に計算した結果、「リニアには原発4基分の電力が必要」と推計する。
 JR東海がリニアのために原発を稼動させると公に明言したことはない。だが、リニアと原発の関係は否定できない。
 というのは、山梨県のリニア実験線の主な電力供給先は東京電力・柏崎刈羽原発(新潟県)89年に山梨県への実験線誘致が決まった後、実験線に電力を供給する東山梨変電所に柏崎原発からの高圧線が敷設されている(樫田秀樹:「夢の『リニア新幹線』は第二の原発か」)。

 JR東海の公式発表では、JR東海が2011年5月に発表したリニアの電力消費量は 約27万KW(東京―名古屋開業時、ピーク時:5本/時間、所要時間:40分 約74万KW(東京―大阪開業時、ピーク時:8本/時間、所要時間:67分 時速500km走行時の1列車(16両編成)の想定消費電力は、約3.5万KW であるが、「3.5万KWとは平坦地走行中」と説明している。

 つまり、1時間あたりリニアが走行に使う平均的な電力ということである。問題は最も電力を要する発進時の最大電力=ピーク時の電力を明らかにしていない。
 しかし、磁気浮上に至るまでの加速時の消費電力(KW)がバカ喰いである。磁気浮上するまでの数分間の瞬間電力KWがドイツのトランスラピットと極端に変わらないと仮定すると瞬間最大電力(KW)は50名定員1両あたり10000KW。東海道新幹線の定員100名16両編成に合わせると、リニアモーターカー1編成32両の瞬間最大電力は32万KW。

 東京=名古屋間を上下線5本ずつ、計10本走らせたとして、浮上前加速状態が3本重複した場合「32万KW×3本=96万KW」(OKWAVE:リニアモーターカーの消費電力)との計算になる。大阪まで全線開通となると最低この倍は必要となる。やはり原発数基分の電力が必要となる。

 3 架空の電力需要の作りだし
 今年の夏は猛暑であったにもかかわらず電力需要は伸びなかった。この間原発は大飯原発3,4号機235万KW(117.5万KW×2)が動いているだけであった。それも9月15日に定期検査のため停止した。再び原発の稼働は「ゼロ」になった。
 このままでは原発は必要がないといわれてしまう。この時期にリニア計画を発表したのは膨大な架空の電力需要を作りだし、原発の再稼働につなげたい思惑が動いていると言える。

 福島第一原発事故の直前まで、電力会社はガス会社に対抗し、オール電化住宅(IHクッキングヒーターやエコキュート)ということで新規の電気需要を作ろうとした。また、電気自動車が今後の自動車の主流になるというキャンペーンを張り、各地に無料で充電スタンドなるものを作った。
 しかし、価格が高く航続距離が短く、特に冬の暖房に余計な電力を消費するなど問題だらけであり実用化にはほど遠いものとなっている。さらに、「地球温暖化対策」という旗も色あせてしまった。

 日本政府は2013年度から京都議定書で約束した6%の温暖化ガスの削減目標から離脱し、政府の削減目標もなくなってしまった。「原発でCO2削減」という言葉は使えなくなった。原発の再稼働を進めるには新たな旗が必要なのである。

 4 原発再稼働に向け旗を振るJR東海・葛西敬之会長
 JR東海の葛西敬之会長はかつての中曽根内閣時代の国鉄分割民営化・国労解体の立役者であり、安倍晋三応援団の1人で、嫌中・嫌韓・買弁でも安倍と一致している。
 葛西は8月3日、「日本原子力学会シニアネットワーク連絡会」の「原子力は信頼を回復できるか?」と題したシンポジウムにおいて基調講演を行い、「安全を過度に追求したら、経営のバランスを欠く」とし「原発の再稼動ができなければ、燃料費を圧縮できず、ジリ貧状態」なる。

 「これが経営の面からも原発再稼動を早急に行わなければならない理由だ。」とし、「『放射能への過剰な恐怖感』を民主党政権は生んだ」が、「人体に影響がある可能性は少ない。一歩踏み込んで『大丈夫だ』。」原発の「停止は長引くだろう。このまま国富が流失すれば、経済への悪影響は間もなく出てくる。」と述べた。
 さらに除染基準についても「現在、福島で年1ミリシーベルトまでの被ばくに抑えるとしている。これは実現不可能で…この基準の設定には、科学的根拠はない」とし、さらに賠償についても「基準を明確にせず、またすべてを東電に負わせるという形のために…無規律な状況に陥っている。

 何でも東電に補償させようとしている」と述べ、これを「是正しなければ、アベノミクスは原発、エネルギー政策で失速する。政権は英断を持って、悪しき政策を是正してほしい。」とアジっている(「アゴラ」2013.8.6)。

 葛西のいうように、汚染された地域の除染は不可能ではあるが、放射線被曝の年間1ミリシーベルトの設定には科学的根拠はあり、それを超す地域で長期間に亘り生活することは危険である。1ミリシーベルト以上の地域からは少なくとも子どもと若い親は一刻も早く避難すべきである。

 しかし、高齢者の場合には住み慣れた土地を離れたくない者もいるだろうし、地域を離れた場合、ストレスで病気が進行する者もいる。その場合チェルノブイリ事故で当時のソ連政府が取ったように、1~5ミリシーベルトの汚染地域は選択的避難地域とすべきであろう。
 もちろん現在日本政府が行っている5ミリシーベルトを超す地域に住まわせることは許されることではない。そして、その土地を離れざるを得なかった者には全て、住居を補償し、就職を斡旋すべきである。

 葛西は2011年9月に原子力損害賠償支援機構運営委員会委員に就任しているが、賠償について「何でも東電に補償させようとしている」という発言はとうてい許されるものではない。

 ところで、リニア新幹線に超電導磁石を収める冷凍機は1車両に2機搭載するというが、この搭載予定の『ギホードマクマホンサイクル冷凍機』は、まだ特許出願段階で開発途上であり、冷凍機にヘリウムガスやチッソを補充しないでは列車の複数回使用はできない。しかも、その冷凍機を冷やす電源は実験線では車内に積んだガスタービンエンジンによる電力であり、外部電源を使っての冷凍は今後の課題だというのである(樫田秀樹「疑問だらけのリニア新幹線」『世界』2012.9)。

 全くの噴飯物である。夏の電力需要も少ない、地球温暖化対策ともいえない、LNG発電・石炭火力発電の方が競争力あるとなると、原発再稼働を推進する側の旗色は悪くなる一方である。このため、オリンピックやリニア新幹線といった様々な目眩ましが今後ますます必要となるだろう。 
 【出典】 アサート No.430 2013年9月28日
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 引用以上

 長くなりすぎたので、この問題をまとめることができないが、上の杉本達也の指摘は、非常に的確で本質を突いている。
 早い話が、リニアは実は、リニア開設が目的ではなく、原発を再稼働させ、さらに新設することが本当の目的だったことを論証している。
 これは葛西と安倍晋三と経団連による原発復興のための陰謀計画だったのである。

 東京名古屋間は、実働電力が静岡市消費電力と同等の30万キロワットと説明されてきたが、実は起動電力を含めると100万キロワットであることが解説されている。東京大阪間なら、その二倍になる。
 これを現在の電力供給体制で実現することは不可能なのだ。リニア新幹線は原発数基を稼働させなければ動かすことができないのである。

 私の住む土地に近い恵那市笠置山界隈では、100万ボルト級の送電塔の建設が進み、すでに電線懸架まで行われているのだが、この幹線は若狭原発群に向かっている。
 なぜ、これほどの大規模な供給システムが必要なのか?
 私は、リニア鉄道の本当の狙いが、若狭原発群の再稼働にあると確信していた。

 だが、その若狭原発群は、次の日本列島断層巨大地震(寛文近江若狭地震や天正地震、濃尾地震など)が再来すれば、40年超の老朽原発が破壊を免れ得ないことは、能登半島地震による志賀原発の惨状を見れば明らかなのだ。
 葛西敬之は、原発の安全性を追求することは経済原理に反するとまで発言している。事故が起きても、たいしたことないから、どんどん作れと主張したのだ。
 安倍晋三も葛西敬之も故人ではあるが、間違いなく地獄に墜ちていて、これから起きる日本の大惨事を見せつけられることになるのだろう。