私はイギリス生活において、理不尽な事や理解不能な事があると、3秒目を閉じて状況を理解し、深く呼吸を1回だけして前に進む。
先日、子供の空手道場に犬連れの男性が入ってきた。
見学席に土足で大型犬である。
私は、嘘やん…と思い3秒見て前を向いた。

あの人誰やねん…
生徒はうちの子供含む3人だけ。
誰かの保護者ではない。

子供クラスが終わるや否や、男性は犬を道場に放った。
リードを離された犬は走り回る。
え…?ナニ…?何で…?
私は先生を見た。
先生は困った顔を私に一度見せ、男性と話した。
どうやら顔見知りである。

私は信じられない憤りで帰宅。
道場て神聖な場所ちゃうの?
土足で犬…

夫が大人クラスを終え帰宅したから、犬連れ男性の事を聞いた。
夫は「ああ…あれは…道場主の息子で、ケンブリッジで空手スクールやってる人らしい」と言った。
まさかの有段者…

空手道場主というのは、一番偉い先生で、先生も先生の4人の息子もオックスフォード大学を出ている。
資産家であるから、誰も仕事はしていないが、道楽で空手スクールだけやっている。
オックスフォード大学を出て空手を極めたはずが、道場に犬を放つとは、名門大学も泣くであろう。
あの男は己の道場に犬連れで来ているのだろうか…

さすがにこの案件だけは、3秒では我慢ならなかった。
後日、子供クラスの先生が私に「日本人のあなたには腹立つ事でしょう。僕は日本に行ったことも日本人から空手を習った事もない。だけど日本の武道が日本式のまま100%で継承されるのは不可能なのは分かる。申し訳ない」と言った。
先生が分かってくれているなら、私はそれで良い。
少なくとも、犬連れ土足有段者よりは気持ちがある。
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