イギリスに来て、最初の仕事は保育園だった。
私は12-16か月のクラス担当で、週4働いていた。
12-16か月はまだ赤ちゃんで、歩く子供もいれば、まだ歩けない子供もいる。
私以外のスタッフは17歳と20歳で、クラス担任が20歳であるのは私にとっては驚きであった。

スタッフが若いからか、そういう文化なのか知らんが、児童がいる部屋でスタッフらは時々、脇スプレーを着ているシャツの下からシューっとやる。
脇スプレーならまだしも、香水の時もあった。
ランチを食べる休憩室など、人が食べていようとも構わずスプレーと香水を撒き散らす。
しかし誰も文句を言わないところを見ると、それがokなんだと理解した。

その後、デパートに勤め、そこでも同じだった。
人が食べていようとも、脇スプレーと香水は自分がふりたいときにふる。
誰も何も言わない。

先日、下着売場に行くと、通常なら5000円のブラジャーが600円で二枚売られていた。
白い紙が貼り付けられ、「デオドラント付着の為、値引き。返品不可」と書いてある。
ちょうど横で品だししていた店員のおばちゃんに、「デオドラントとフェイクタンは迷惑ですよね」と話しかけると「ほんまに…こんなんベッタリ着けて帰られたら、売られへん…」と言った。

このベッタリデオドラントとは、コロコロ式の脇汗と臭いを防ぐもので、フェイクタンとは色白白人が日焼け肌に見せるために塗るオレンジ茶色のクリームのこと。
コロコロ式のデオドラントは完全に乾かず服を着ると、ベッタリ生地に付いてしまう。
フェイクタンは、顔から手足の指先まで全身に塗っていて、試着する全ての衣類に付着する。
そのため、白Tシャツなど試着された日には、買って貰わねば店としては他の客に売れなくなるほど、オレンジ茶色が付着する。
Tシャツだけではない。
靴の試着でも、このオレンジ茶色クリームが靴に付着し、靴屋は迷惑でしかない。
しかし、白人女はこの迷惑より、己の肌を小麦肌に見せたい方が先で、アパレル業界は困っている。

私の働く職場のスタッフも、何をそんな気にする事があるのかという程、頻繁にスプレーか香水をふりまくる。
それを気にして、何故に己が便器に落とした大便を流さないのか…
私には一生分からないイギリス女の習性である。
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